【本物のマグカップの作り方 ステップ2】成形工程、加工
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
成形工程、加工
ここではマグカップが実際に成形され、形になるまでを紹介します。
土練機を用いて真空化・土を加工しやすく
「土」のコラムで紹介した完成形の土を使います。
マグカップの原型のかけらもないですが、ここからどんどん形になっていきます。
土練機に土を投入し、真空状態にします。
土練機とは、ステンレス製のドリルのようなスクリューと呼ばれる刃で土を練り上げながら、同時にポンプで土の中に含まれる空気を抜き取り、全く空気の含まれない、真空状態の土をところてんのように押し出す機械です。
土に空気を含んだ状態で焼き上げてしまうと「ヒビ」や「ワレ」等の不良が発生してしまいます。それを防ぐための工程です。
高品質のマグカップを届けるための大事な工程なのです。
真空化された土は棒状に加工されます。
真空化直後の土は熱を含んでいるため触れると温かく、また指で押すと凹みが出るほどの柔らかさを持っています。
真空化された土をコテを使い成形していきます(動力成形)
真空化された棒状の土は、成形機に運ばれ、必要な分だけカットします。
この分量は機械で正確に量られています。
カットされた土は石膏で出来た型の中にセットされます。
ここに金属製の棒のような形をしたコテと呼ばれるものが入ることで、実際のマグカップの形になります。
土がセットされた状態。コテが入るのを待っています。
コテが型の中に入るところです。
実はこのコテは高速回転しながら中にセットされた土を押し込んでいます。
このコテが押し込まれることにより、マグカップの元の形が完成します。
陶芸でいう「ろくろ」を、機械が高速で行っているようなものです。
機械で成形された直後のマグカップ。
型から取り出して、さらに後の工程へと続きます。
成形方法にも様々な方法がある
今回マグカップを成形していた方法は「動力成形」といいます。
これは石膏で作られた型に土を入れ、その土に回転したコテを当て成形していく方法です。
マグカップや茶碗など、真円の形状の陶器を作る時はこちらの成形方法が主です。
他にも成形方法があります。こちらでは他の成形方法についてご紹介します。
鋳込み成形
土を石膏の型に流し込んで成形する方法。
この成形方法にはさらに2つの方法に分けられます。
圧力鋳込み
石膏の型に高圧力で水分を多く含んだ泥状の土を注入し成形する方法です。
石膏が泥状の土に含まれる水分を吸収し、水分が抜けた土で形が崩れることなくしっかり成形されます。
石膏の型に土を注入するという製法上、動力成形では成形できない様々な形の陶器をつくることが可能です。
すなわち真円の形状しか成形できない動力成形に比べ、圧力鋳込みは楕円、四角、その他不規則な形状を成形することができます。
ガバ鋳込み
石膏の型の中に泥状の土を流し込み、一定時間放置することで石膏型に土の中の水分が吸われ土が固まることで成形する方法です。
石膏の型の中には圧力鋳込みで使うものよりもっと多くの水分を含んだ泥状の土を注入し、一定時間放置します。
その間に石膏の型に面した部分から水分が石膏の中に吸収され、泥が土のように緩やかに固まり始めます。
その後、型をひっくり返し中の泥土をはき出すことによって、型部分には固まった土だけが残り、中に空洞ができた陶器が成形されます。
ティーポットや壺などはこの成形方法で成形されます。
型の成形
成形に使われる石膏の型も、実は職人の素晴らしい技術によって作られています。
動力成形や圧力鋳込み、ガバ鋳込みで使用されている石膏の型は使用型と呼ばれ、実は消耗品です。
一定数量を成形すると使用型は摩耗し使用できなくなるため、また新しい使用型に取り替えることになります。
その際も職人が一つひとつ手間暇をかけて、以前と同じ型を作成しています。
成形に使われる石膏の型も、実は職人の素晴らしい技術によって作られています。
成形されたカップにハンドルを取り付け
型から取り出されたマグカップはそのままだと角が立っている状態です。
そのため、口元が滑らかになるようスポンジで磨きます。
磨かれたマグカップはハンドルを付ける工程のために、表面に水を噴射して濡らします。
こうすることでハンドルがマグカップ本体に接着しやすくなります。
濡らしたマグカップにハンドルを付けます。
ハンドルを付ける作業はすべて手作業で行われています。
本体とハンドルを接着する際は「ぬた」と呼ばれる水で溶いた土を使います。
「ぬた」が接着剤の役割を果たしています。
ハンドルは最初からくっついている訳ではない
完成品のマグカップにはハンドルがついています。
実はこれはマグカップの成形の途中で、くっつけられているものです。
このハンドルにも、出来るまでにはたくさんの工程があります。
マグカップが完成するまでに必要な様々なパーツそれぞれに、職人の素晴らしい技術が詰まっています。
ハンドル成形
ハンドルを成形する様子。
こちらの成形も「圧力鋳込み」で行われており、石膏の型に高圧力で土を流し成形されています。
成形されたハンドルは、それぞれのマグカップにしっかり接着するよう、その形に合わせ接地面を磨き隙間ができないように仕上げます。
ハンドル型成形
ハンドルの型も先に述べたとおり消耗品のため、使い切った使用型はまた新しい使用型に取り替えます。
この使用型を成形する型をケースと呼んでいます。
ケースとは型を作る型なのです。
この白い部分が使用型、淡いグリーンの部分がケースです。
ハンドルが取り付けられたマグカップは「素焼き(すやき)」を行い、中に含まれていた水分を焼き飛ばします。
素焼き完了後のマグカップ。
この時点ではもう指で押してもびくともしないくらい固まっています。
一見すると完成したマグカップと同じ形をしているのですが、この後釉薬をかけ本焼成することによって実際のマグカップになっていきます。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
【本物のマグカップの作り方 ステップ1】原料となる土の紹介
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
原料となる土の紹介
ここではマグカップの原料となる「土」についてご紹介します。
採掘場。見渡す限りの山です。
採掘された土(藻珪)。一見するとただの砂利にしか見えません。
採掘場から様々な天然資源
土を作るために必要な藻珪石、石同士を細かく粉砕する為の石、粘土、リサイクル用の土など…、どれもが石ころにしか見えませんが、すべてマグカップ制作には必要なものです。
藻珪石。まるでグラウンドの土を彷彿とさせます。
土の調合
トロンミルにて、土を混ぜ合わせて調合します。
調合の分量はその日ごとに細かく調整しています。
混ぜ合わされたものを撹拌し、さらに調合します。
調合した土を寝かせます。調合にもたくさんの手間がかかっています。
土の中に含まれる金属成分を除去します。
細かな作業が良いものを作るために大事なものです。
濾過・脱水・仕上げ工程
寝かせた土をプレス機で脱水します。
ポンプによって流し込まれた土を、強い圧力をかけることで脱水しています。
脱水が完了したら、一枚ずつ取り出していきます。これでほぼ完成です。
機械作業ながら繊細な動きです。
取り出された土を乾燥させて完成です。
これがマグカップの元になる土になっているのです。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。