オリジナルの卒園記念品制作ならおまかせください。
20年以上にわたり、色あせない思い出作りのお手伝いをさせていただいております。
近頃では、オリジナルデザインのマグカップやお皿を簡単に作れるようになりました。
何かのイベントや記念品、または自分の店でオリジナル陶器を使いたいと考える人もいるでしょう。
自分のアイデアや想いが詰まったデザインは、できるだけきれいに印刷したいものです。
そこで今回はマグカップを例に、2種類の印刷方法をご紹介します。
陶器は柄の印刷方法によって仕上がりに差が出るため、あらかじめ印刷方法の特徴を知っておくことは重要です。
自分に適した印刷方法を選び、イメージ通りのオリジナルマグカップを完成させましょう。
マグカップへプリントする方法について
まずはマグカップへ柄をプリント(印刷)するにあたり、どのような手法があるのか見ていきましょう。
マグカップへの印刷方法は主に2種類
マグカップへの印刷方法は、主に以下の2種類です。
● 転写絵付
● 昇華プリント
いずれも、完成したマグカップの表面に凹凸はできず、フラットな仕上がりになります。
転写絵付について
転写絵付は、陶磁器業界に古くから伝わる伝統的な印刷方法で、フラットデザインとも呼ばれます。
「絵付」という言葉は、いわゆる「プリント(印刷)」という意味です。
本格的に陶器に柄をプリントする手法の中では、最も一般的といえるでしょう。
雑貨店、専門店、百貨店等で販売されている本格的な陶器は全て転写絵付と考えて差し支えありません。
転写絵付は、表面がガラス質でツルツルとしている陶器にも、しっかりと柄を密着させられるのが特長です。
転写絵付の工程は、以下のとおり。
1. 無地のマグカップを焼き上げる
2. プリントする柄に対応した版を作成する
3. ②の版を用い、色ごとに転写紙に柄を刷る(シルク印刷という手法)
4. 焼き上げた無地のマグカップに、③の転写紙を職人が手作業で貼り付ける
5. 800℃の絵付窯で数時間焼き上げ、転写紙の柄をマグカップに焼き付ける
6. 完成!
ポイントは柄を刷った転写紙をマグカップに貼り付けた状態で、800℃の絵付窯で焼き上げるという点です。
マグカップの表面を覆う「釉薬(ゆうやく・うわぐすり)」はガラス質が多く含まれ、800℃の絵付窯に入れると表面が徐々に融けていきます。
(ガラスの融点が800℃弱のため)
すると転写紙の絵の具が融けかけた釉薬になじみ、柄が付くという仕組みです。
焼き上げが終わり、再び釉薬が冷え固まると柄もしっかりと定着します。
昇華プリントについて
昇華プリントは、元々は繊維業界が発祥でポリエステル素材にのみプリント出来ます。
ポリエステルに対しては単なるプリントではなく分子レベルで融合するため、ポリエステル素材のウェアやのぼり等には非常に適した現代的な印刷方式といえます。
その繊維業界発祥のポリエステルにしか印刷できない昇華プリントがどうしてマグカップにプリント出来るのでしょうか。
それは材質が陶器であるマグカップの表面に、ポリエステルが塗布されているからです。
ですから陶磁器業界で焼き上げたマグカップにそのまま昇華プリントすることは出来ません。
表面にポリエステルを塗布し昇華プリント用に二次加工されたマグカップが流通していますので、マグカップに昇華プリントする際はこの昇華プリント専用のマグカップを使用する必要があります。
この昇華プリント用のマグを手に入れると方法が比較的簡単で、なおかつコストもかからないのが特長です。
そのため「1点からオリジナルマグカップ制作可能」といったサイトの多くは、昇華プリントを採用しています。
昇華プリントの工程は、以下のとおりです。
1. 無地のマグカップを焼き上げる
2. 焼き上げた無地のマグカップの表面にポリエステルを塗布する
3. 昇華プリンターを使用し、昇華用の転写紙に昇華インクを反転印刷する
4. 表面のポリエステルに押し当てるように③の転写紙を重ねる
5. 加熱・加圧して表面のポリエステルに融合させる
6. 完成!
マグカップの表面を覆う釉薬はガラスの成分が多く含まれ、普通はそのままインクを乗せてもすぐに柄が落ちてしまいます。
そのため一度マグカップの表面にポリエステルを塗布し、その上からインクをしみこませることで昇華プリントは柄を定着させるのです。
転写絵付のような本格的な絵付窯での焼き上げは必要なく、簡易なプリント方法といえます。
転写絵付と昇華プリントの違い
では、転写絵付と昇華プリントではどういった違いがあるのでしょうか。
主な違いは、以下の3点です。
● デザインの耐久性
● デザインの耐光性
● デザインの再現性
転写絵付と昇華プリントによる仕上がりの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
特に黒いマグカップにロゴや柄を入れたいと考えている方は、こちらも必見です。
【徹底解説】黒いマグカップに印刷できる!?おしゃれなオリジナル黒マグカップの制作方法
デザインの耐久性の違い
デザインの耐久性においては、転写絵付の方が優れているといえます。
転写絵付 | 昇華プリント | |
耐久性 | 〇 | △ |
転写絵付は800℃の絵付窯で釉薬の表面を半分溶けたような状態にし、絵の具を馴染ませるため「印刷している」というよりも「表面の釉薬に絵の具を溶け込むほど強く密着させている」手法といえます。
そのため、繰り返し洗ったり食洗器に入れたりしても、柄が剥がれたり薄くなったりすることはほとんどないのです。
もちろんマグカップが欠けてしまった場合は、その部分の柄は消えてしまいます。
しかし、経年劣化では全く印刷が落ちないのが、転写絵付の魅力です。
800℃で発色させるには無機物である必要があり、無機顔料を使っているのも転写絵付の大きな特徴です。
一方、昇華プリントはマグカップの表面にポリエステルを塗布し、その上からインクをしみこませることで印刷しています。
ポリエステル繊維へのプリントであれば抜群の印刷強度といえるのですが、マグカップに対しては素材の陶器に直にプリントしているわけではなく、表面にコーティングされたポリエステルに印刷されているため、ポリエステルのコーティングがはがれてしまうと同時に印刷は消えてしまいます。
食洗器に繰り返し入れると、塗布したポリエステル部分がはがれることもあり、その場合はがれた部分のプリントは消えてしまいます。
では、転写絵付と昇華プリントで印刷したデザインの耐久性に、どれほどの違いがあるのか見ていきましょう。
下記の画像は、左右両方とも転写絵付で柄を印刷したマグカップです。
左が納品時のマグカップで、右が1年間食洗器に入れ続けた後のマグカップです。
1年食洗器に入れ続けても、さほど状態に差がないことが分かります。
では、昇華プリントの場合はどうでしょうか。
下記の画像は、左右両方とも昇華プリントで柄を印刷したマグカップです。
左が納品時のマグカップで、右が1年間食洗器に入れ続けた後のマグカップになります。
右側のマグカップを見ると、左から2番目の人の髪や、一番右の人の右頬の色がはげてしまっています。
マグカップを少し回転させてみると、あちこちに印刷のはがれが見られます。
このように転写絵付と昇華プリントでは、印刷した柄の耐久性が大きく異なるのです。
デザインの耐光性の違い
デザインの耐光性においても、転写絵付の方が優れているといえます。
ここでいう耐光性とは、日の光(主に紫外線)に当たっても色が変わったりあせたりせず、元の発色を保ち続けられる性質のことです。
転写絵付 | 昇華プリント | |
耐光性 | 〇 | △ |
転写絵付は「無機顔料」と呼ばれる絵の具で柄を印刷します。
無機顔料は無機物なので、外的な要因で変化することがありません。
つまり、直射日光(紫外線)をいくら当てても色あせることがないのです。
一方昇華プリントは写真と同じで「有機顔料」を使った印刷方法のため、日光に当て続けるとだんだんと色があせていきます。
セピア色になっていき、最終的には柄が薄れて消えていくのが昇華プリントの難点です。
近年ではインクの進化により耐光性も上がっているものの、無機顔料を用いる転写絵付の耐光性には及びません。
では、転写絵付と昇華プリントで印刷したデザインの耐光性に、どれほどの違いがあるのか見ていきましょう。
下記の画像は、左右両方とも転写絵付で柄を印刷したマグカップです。
左が納品時のマグカップで、右が1年間直射日光に当て続けた後のマグカップです。
1年間日光に当たっていても、状態に差がないことが分かります。
では、昇華プリントの場合はどうでしょうか。
下記の画像は、左右両方とも昇華プリントで柄を印刷したマグカップです。
左が納品時のマグカップで、右が1年間直射日光に当て続けた後のマグカップになります。
右側のマグカップを見ると、特に顔の色が薄くなり、髪の毛も黒から茶色がかった色に変化しているのが分かります。
アップでよく見てみると、全体的に黒が茶色へと変色し、色が薄くなっています。
納品時は真っ白だった表面のポリエステルも、時間が経つにつれて黄ばみ、日に焼けていることが分かります。
このように転写絵付と昇華プリントでは、印刷した柄の耐光性が大きく異なるのです。
デザインの再現性の違い
オリジナルデザインの陶器を作る際、イメージ通りの印刷ができるかどうかも重要なポイントです。
思い描いたデザインを反映する「再現性」においては両者ともに、以下のとおりメリットとデメリットがあります。
転写絵付 | 昇華プリント | |
メリット | ・柄のフチ取りがハッキリ再現できる | ・発色が良い |
デメリット | ・ビビッドな色の発色が難しい | ・柄のフチがややぼやける |
まず転写絵付ですが、印刷後の柄は昇華プリントに比べてくっきりとしており、フチ取りがハッキリとした印象になります。
特に特色1色印刷の場合、昇華プリントはCMYKの4色で特色を表現するためぼやけやすいのに対して、転写絵付はその色に絵の具を調色して1回の印刷をするため、エッジの効いた鮮明な1色印刷になるのが特長です。
ロゴをくっきりと目立たせたい場合などにおすすめです。
しかし、転写絵付にもデメリットといえる部分はあります。
それが発色です。
転写絵付は800℃の絵付窯での焼き上げを行うことから、どうしてもビビッドで明るい発色を再現しにくいという難点があります。
この点、有機系インクを用いる昇華プリントは鮮やかな色合いも再現できるのが特長です。
ビビッドカラーのデザインを検討していて、発色の良さを最重要視するなら昇華プリントを選ぶのも1つの手段といえます。
それぞれの違い、メリットを理解した制作を
転写絵付と昇華プリントには、それぞれメリットとデメリットがあります。
たとえばお店で使うマグカップや記念品としてのマグカップを制作する場合、耐久性や耐光性に優れた転写絵付による柄の印刷がおすすめです。
長い間、変わらずオリジナルデザインを楽しめるでしょう。
一方、イベントなどで1日だけの使用等の場合は、小ロットだとコストの低い昇華プリントによる柄の印刷もおすすめです。
ビビッドな発色のデザインを検討している場合、特に昇華プリントならイメージ通りの印刷ができるでしょう。
このように、どの印刷方法を選ぶかは「どんな目的でオリジナルマグカップを作るか」によって異なります。
2つの印刷方法の違いを理解した上で、自分の目的に合った方法を選びましょう。
まとめ
転写絵付と昇華プリントの違いについて解説しました。
弊社では20年以上にわたりオリジナル卒園記念品の制作に携わってきました。
印刷方法は、陶磁器業界ならではの転写絵付に特化しています。
20年前に制作した記念品のお子さまは、今では社会の各方面で活躍する方々に成長されていることでしょう。
そういった方々の手元にも、20年前と変わらない色あせないマグカップが思い出として輝き続けていることを想像すると、弊社としてもこの上なく嬉しく思います。
色あせない思い出作りをご検討されている卒園記念品制作担当の皆さま、まずはお気軽にご相談、お問い合わせください。
オリジナルの卒園記念品制作ならおまかせください。
20年以上にわたり、色あせない思い出作りのお手伝いをさせていただいております。