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マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
陶磁器業界には、伝統的な「転写絵付」という手法があります。
この手法を使うと、金や銀といった高級感のある色もきれいに印刷できるのが特徴です。
そこで今回は、金や銀色をあしらった高級感のあるマグカップを作る方法について解説します。
また制作の裏話やおすすめの加工方法、使用上の注意点なども紹介。
高級感のあるオシャレなマグカップを作ろうと思っている方は、ぜひ参考にご覧ください。
高級感のあるマグカップの作り方
絵付(印刷)に金や銀を使うことが可能
街中で見かける陶器の中には、カップの縁にぐるっと金の花柄が印刷されていたり、お皿に銀色で模様があしらわれていたりするものがあります。
このように純金や純銀を含む絵の具を使った陶器は、転写絵付によって丁寧に作られているのです。
陶器の印刷方法はほかにも、一点から比較的安価に制作できる「昇華転写プリント」が挙げられます。
しかし昇華転写プリントは家庭用プリンターと同じくシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった4色のインクを掛け合わせて印刷するため、金銀の印刷はできません。
では転写絵付でマグカップに金や銀を印刷する方法を見ていきましょう。
転写絵付の流れを簡単に説明すると、以下のとおりです。
1. 陶器の形を生成
2. 施釉
3. 1,200〜1,300℃の窯で本焼成
4. 焼き上げた陶器の上に印刷
5. 約800℃の絵付窯で焼き上げ
6. 完成
また転写絵付で使用する転写紙の印刷には「シルク印刷」という手法が用いられます。
シルク印刷では色ごとに分けて「版」を制作し、版で刷ったデザインは転写紙という紙に印刷されます。
そしてその転写紙を陶器に貼り付け、約800℃の絵付窯で柄を焼き付けるのです。
この印刷の段階でどの絵の具を使うかによって、仕上がりの色が変わります。
金や銀を表現したい場合は、24金やプラチナを含有した絵の具を使うことで高級感のある仕上がりにできるのです。
24金やプラチナを含有した絵の具は、金液やプラチナ液と呼ばれます。
絵の具に金液やプラチナ液を使う場合も、転写絵付の基本的な作業は変わりません。
マグカップだけでなくプレートやグラスにも対応
転写絵付を用いれば、マグカップだけでなくあらゆるものに金や銀を印刷できます。
たとえばカップ&ソーサーやプレート、ガラス製の食器にも印刷可能です。
またマグの裏側内側、お皿の裏側といった場所に印刷することもできます。
ただし金液やプラチナ液には金属が含まれるため、印刷にはやや注意が必要です。
通常、一般的な絵の具を使った転写紙は温めると伸び縮みする性質があるため、曲面に印刷した場合もフィットしやすい傾向があります。
一方、金やプラチナを使った転写紙は、温めても伸び縮みしにくい性質があるのです。
そのため平面ではなく丸みを帯びたようなカーブのある場所に印刷する際、転写紙がしわになりやすく、うまく貼れないリスクが高くなります。
とはいえ、技術を持った職人が丁寧に時間をかけて作業すればきれいに転写紙を貼ることも可能です。
このように金やプラチナは一般的な絵の具と同じように使えるものの、印刷の難易度はやや上がります。
高い発色でツヤのある仕上がりを実現可能
金液やプラチナ液には純金やプラチナが含まれているため、光沢の美しい印刷ができます。
たとえば下地がツヤのある質感なら、そこに金を印刷することで全体的に艶やかな仕上がりになるでしょう。
ツヤのある下地にプラチナを印刷すれば、鏡のようにピカピカの仕上がりになります。
また金やプラチナに限っては、下地の色が何色でも発色に影響はありません。
通常の絵の具は下地の色に影響され、本来の色が下地の色に食われる現象がしばしば起こります。
しかし金やプラチナでは下地に食われることがないため、下地の何色に関係なくきれいに発色するのです。
たとえば白、黒のマグカップをそれぞれ用意し、同じように印刷するとしましょう。
通常の絵の具を使う場合、白地のマグカップには思ったように発色するカラーでも、黒地の上に印刷したものは下地に食われ暗い仕上がりになります。
しかし金液やプラチナ液を使った場合、どちらの仕上がりも同等です。
むしろ黒地に印刷したほうが色のコントラストが付くため、ほかよりもはっきりと金銀が引き立つでしょう。
このように金銀の絵の具は、下地に左右されない発色の良さも大きな魅力です。
金・銀を使ったオリジナル陶器のおすすめ加工
銀や銀を使う場合、下地をどのような質感にするかで仕上がりが大きく変わります。
下地の特徴 | ツヤのある下地 | マットな下地 |
仕上がりの特徴 | ・光沢の輝きが美しい
・高級感のある仕上がり |
・マット調でシック
・落ち着いた仕上がり |
こんな人におすすめ | ・ハッキリとした仕上がりが好み
・高級感やツヤを演出したい |
・派手過ぎないデザインが好み
・落ち着きや上質さを演出したい |
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ツヤのある金・銀で高級感あふれる仕上がりに
ツヤのある下地に金や銀をあしらうと、全体的に光沢のある美しい仕上がりになります。
陶器の表面にツヤが出るのは、表面が釉薬で覆われているからです。
本来、釉薬を塗らずに土だけでできた陶器の表面はざらざらとしています。
しかしこの釉薬をかけてから1,200〜1,300℃の窯で本焼成することで釉薬に含まれるガラス成分が溶け、ツヤ感を出すことができるのです。
その上から転写絵付すると、金銀そのものの発色も相まって全体的に艶やかで高級感あふれる仕上がりになります。
マット調の金・銀でシックなオリジナル陶器も制作可能
下地がマット調の陶器に金や銀を印刷すると、柄の部分もマットな仕上がりになります。
あえてつやを消したようなマット調のデザインは、落ち着きとシックさが抜群です。
「高級感は出したいけれど、あまり派手にはしたくない」と考えている方にはピッタリの加工といえます。
なお下地の質感は、釉薬の種類を変えるだけで変更可能です。
マット調にしたい場合は、本焼成をしてもガラス成分が完全に溶け切らない釉薬を用います。
このほかの工程はほとんど変わりません。
マットな質感のマグカップを作りたいと考えている方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
【必見】マットな質感のマグカップが作成可能?マット調のオリジナルマグカップ・プレートの制作方法
金や銀を使った陶器の注意点
金や銀を使った陶器は、いくつか使用上の注意点があります。
● 電子レンジに入れると金・銀の柄が損なわれる
● 使い込むと徐々に金・銀が剥がれる
● 時間とともに金・銀がくすんでくる
● 通常の絵の具を使った陶器に比べて価格が高い
こだわって作ったオリジナル陶器を長く美しくお使いいただくためにも、ぜひご一読ください。
電子レンジに入れると金・銀の柄が損なわれる
金銀を印刷した陶器は、基本的に「電子レンジ不可」と表記されます。
これは絵の具に含まれる金属成分が燃え、黒くなったり焦げてしまったりするためです。
ちょうどアルミ箔を電子レンジに入れるとバチバチ火花が散るのと同じように、金銀を印刷した陶器を電子レンジに入れると、絵付けしたところから火花が出ます。
せっかくの絵柄が黒く焦げたようになってしまうため電子レンジには入れないようにしましょう。
ただし、金銀の絵柄が焦げたからといって、食品衛生上使えない食器になっているわけではありません。
万が一誤って電子レンジに入れてしまい、柄が焦げてしまったとしても今までと同様にお使いいただけます。
上に書いた通り、純金やプラチナを含む絵の具で絵付けした陶器は、基本的に電子レンジ不可とされます。
電子レンジにも対応できて、なおかつしっかり金や銀をあしらった陶器を作るのはなかなか難しいでしょう。
強いていえば、マット金やマット銀といった絵の具がおすすめです。
業界用語では「雲母金」や「雲母銀」とも呼ばれます。
これらの絵の具には金属が含まれていませんが、金のように光を乱反射させる素材が含まれています。
マット金やマット銀を使えば、ピカピカとはいかないまでもマットな金や銀に近い輝きを表現することが可能です。
使い込むと徐々に金・銀が剥がれる
金や銀をあしらった陶器は、長く使い込むうちに少しずつ金や銀が剥がれることがあります。
よくあるのが、金や銀を絵付したお皿にフォークやナイフといった金属食器が直接触れるケースです。
フォークやナイフがお皿に触れるたび、目に見えないような細かい傷が表面に付いて、少しずつ金や銀が剥がれることがあります。
ただし、そこまであっという間に剥がれてしまうわけではありません。
なお絵付の耐久性を最も重視するのであれば、金銀以外の絵付をおすすめします。
通常の絵の具を使った陶器は、長く使い続けて食洗機で洗っても劣化せず、印刷がきれいにいつまでも残るのが強みです。
これは絵の具が表面の釉薬の中にまで浸透しており、釉薬と完全に融合しているからこそ実現している耐久性といえます。
時間とともに金・銀がくすんでくる
金や銀は放置すると酸化し、徐々にくすみが生じます。
これは指輪やネックレスといった、アクセサリーと同じです。
飾り皿としてまったく使わず置いておいても、空気に触れるだけでも酸化は進みます。
ちなみに金がくすんできた場合は貴金属と同じようにやわらかい布で拭くと、ある程度の輝きが復元できます。
通常の絵の具を使った陶器に比べて価格がやや高い
金やプラチナを使った陶器は、通常の絵の具を使ったものに比べて価格が割高になります。
その理由は主に以下の2つです。
● 純金やプラチナを含む絵の具の値段が高い
● 制作の難易度が高い
純金やプラチナを含む絵の具が一般的な絵の具よりも高額になるのは、想像しやすいでしょう。
また先に説明したとおり、金属を含む絵の具は通常の絵の具に比べて伸びが悪いため、曲面への絵付けに慎重な作業が必要となります。
さらに金液やプラチナ液を使う場合は、「ガスかぶり」に注意しなければなりません。
ガスかぶりとは、一緒に絵付窯へ入れた陶器の絵の具の溶剤等から放出されることがあるガスの影響で、金や銀の光沢がなくなってしまう現象です。
ガスかぶりが起きた場合、ツヤの消えてしまった陶器はすべて作り直しとなります。
こうしたリスクもあるため、金や銀をあしらった陶器はほかのものより割高に設定される傾向にあるのです。
まとめ
金や銀をマグカップに印刷する方法について解説しました。
弊社では陶磁器業界ならではの転写絵付による印刷に対応しています。
金や銀だけでなく豊富なカラーバリエーションをそろえておりますので、お気軽にご相談ください。
長年培ったノウハウと職人の技術で、納得のいくオリジナルマグカップ作りをご提案いたします。
また色だけでなく形や印刷の箇所など、弊社ではお客様さまの様々なこだわりに対応いたします。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作れば、思い出深い一点物のマグカップができるでしょう。
長く使える、自分だけのオリジナルマグカップをぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。