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マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
陶器への印刷方法は、大きくは「上絵付」と「下絵付」の2種類に分けられます。
「転写絵付」をはじめとする「上絵付」、「撥水絵付」「銅版絵付」をはじめとする「下絵付」は、それぞれ異なった風合いに仕上がる特徴があります。
本記事ではそんな二つの絵付方法の違い、二つの絵付方法でできることを詳しく解説していきます。
こだわったオリジナル陶器を作りたい方はぜひご参考にしてください。
陶磁器業界に伝わる「上絵付」「下絵付」
それぞれの絵付方法の違い
陶器の印刷方法は大きく分けて「上絵付」と「下絵付」の2種類があります。
釉薬(ゆうやく・うわぐすり)をかける前の素焼きに印刷を施し、その後釉をかけ本焼きするのが「下絵付」です。
対して「上絵付」は素焼きに釉薬をかけ、本焼きを行った後の陶磁器に印刷を施す方法です。
印刷を施し、施釉(釉薬かけ)を行うタイミングの違いで、実際の印刷後の仕上がりは大きく異なってきます。
「下絵付」とは
先ほどご紹介した通り、「下絵付」は素焼きに釉薬をかける前に印刷を施す手法です。
印刷を施した後に施釉(釉薬かけ)を行い、本焼成を行います。
そのため、印刷の上に釉薬が乗りコーティングされたような仕上がりになり、印刷がはがれにくいという特徴があります。
下絵付で代表的な手法は「撥水絵付」「銅版絵付」です。
撥水絵付は「エンボスデザイン」とも呼ばれる手法で、印刷を施した柄・デザインがくぼんだような仕上がりになる手法です。
呉須とよばれる撥水性のある絵の具で素焼きに印刷を施し、その後水性の釉薬をかけることで、印刷を施した部分のみ釉薬をはじき凹凸感が表現されます。
銅板絵付は銅版紙と呼ばれる和紙のようなものにまずは絵柄を印刷し、その銅版紙を湿らせ、絵柄を素焼きに貼り付けるような形で絵付を施します。その後、施釉を行い本焼成を行う手法です。
銅版絵付では、上絵付では通常印刷が難しい曲面やハンドル(取っ手)部分にも印刷を施すことができ、総柄の陶器も作成することができるという特徴があります。
「上絵付」とは
「上絵付」は素焼きに釉薬をかけ、本焼成を行った後に印刷を施す手法です。
施釉後の陶磁器は表面がなめらかになっており、その上に印刷を施す上絵付は細かい柄の再現度が下絵に比べて高いのが特徴です。
また、本焼成は約1,200℃の温度で焼き上げるのに対し、上絵付後の焼き上げに用いる絵付窯の温度は約800℃と温度が下がります。
そのため、発色性も高く、様々な絵の具を使用できるという特徴もあります。
上絵付で代表的な手法は「転写絵付」です。
転写紙と呼ばれるシルクスクリーンで刷られた紙を用いて職人が絵付を施し、その後約800℃の温度で焼き付ける手法です。
マグカップの側面のみではなく、内側部分や内底部分などにも印刷を施すことができ、オリジナリティあふれる陶器を作ることが可能です。
それぞれの絵付方法で出来ること
このように、上絵付・下絵付にはそれぞれの特徴があり、使う手法によって仕上がりも大きく異なってきます。
ではどのようなデザインにそれぞれの手法は適しているのでしょうか。
ここからはそれぞれの印刷手法で表現できるものについてご紹介します。
下絵付の手法に適したもの
先にご紹介した通り、下絵付は施釉(釉薬かけ)の前に印刷を施す手法です。
そのため、釉薬部分がコーティングになる反面、印刷がガラス質の層の下に施されることになるため、本体に色付けを行う場合は印刷した絵柄がそもそも見えなくなってしまいます。
また、透明な釉薬を施した場合でも、ガラスの層を通して絵柄を見せることになるため、絵柄全体が少し水に溶けたような仕上がりになります。
そのためエッジのきいた表現をしたい時には適さない手法です。
ただし、下絵付は全体的に淡く、暖かい風合いの仕上がりになるため、例えば水彩画のような淡い表現をしたい時には適しています。
ガラスの層を通すからこその、陶器らしい個性的な味わいを表現したい時にはオススメの手法です。
また、下絵付の一種である銅版絵付は、転写絵付のように多色印刷も可能です。
多色の銅版紙を使用し印刷を施すことで、色とりどりのオリジナル陶器が作成可能です。
上絵付の手法に適したもの
対して、本焼成後に印刷を施す上絵付はどのようなデザインに適しているのでしょうか。
上絵付は施釉後の陶器に印刷を施すため、なめらかな側面に印刷を施すことが可能です。
加えて、印刷そのものはガラスの層の上に印刷を施すことになるため、下絵付に比べてパキっとした、シャープな絵柄を再現することが得意です。
そのため、線の細かいデザインや、絵柄をはっきりと出したいデザインには適した手法です。
また、釉薬の上に印刷を施すため、釉薬に絵柄が消されてしまうこともなく、印刷したいデザインを再現することが可能です。
陶器本体の色を問わず印刷を施すことができるので、黒いマグカップに印刷を施したり赤いプレートに印刷を施したり等、他にはないオリジナル陶器を作成することができます。
まとめ
今回は陶磁器業界に伝わる上絵付・下絵付の手法について解説しました。
絵付方法の違いだけでも、こだわりぬいた様々なオリジナル陶器を作ることが可能です。
他にはないオリジナル陶器を作成したいお客さまは、ぜひ弊社までお聞かせください。
お好きな形の陶器に、自分だけのオリジナルデザイン。カラーも印刷手法も豊富に展開しておりますので、お客さまの思い描く陶器の制作をお手伝いいたします。
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陶磁器業界には、伝統的な「転写絵付」という手法があります。
この手法を使うと、金や銀といった高級感のある色もきれいに印刷できるのが特徴です。
そこで今回は、金や銀色をあしらった高級感のあるマグカップを作る方法について解説します。
また制作の裏話やおすすめの加工方法、使用上の注意点なども紹介。
高級感のあるオシャレなマグカップを作ろうと思っている方は、ぜひ参考にご覧ください。
高級感のあるマグカップの作り方
絵付(印刷)に金や銀を使うことが可能
街中で見かける陶器の中には、カップの縁にぐるっと金の花柄が印刷されていたり、お皿に銀色で模様があしらわれていたりするものがあります。
このように純金や純銀を含む絵の具を使った陶器は、転写絵付によって丁寧に作られているのです。
陶器の印刷方法はほかにも、一点から比較的安価に制作できる「昇華転写プリント」が挙げられます。
しかし昇華転写プリントは家庭用プリンターと同じくシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった4色のインクを掛け合わせて印刷するため、金銀の印刷はできません。
では転写絵付でマグカップに金や銀を印刷する方法を見ていきましょう。
転写絵付の流れを簡単に説明すると、以下のとおりです。
1. 陶器の形を生成
2. 施釉
3. 1,200〜1,300℃の窯で本焼成
4. 焼き上げた陶器の上に印刷
5. 約800℃の絵付窯で焼き上げ
6. 完成
また転写絵付で使用する転写紙の印刷には「シルク印刷」という手法が用いられます。
シルク印刷では色ごとに分けて「版」を制作し、版で刷ったデザインは転写紙という紙に印刷されます。
そしてその転写紙を陶器に貼り付け、約800℃の絵付窯で柄を焼き付けるのです。
この印刷の段階でどの絵の具を使うかによって、仕上がりの色が変わります。
金や銀を表現したい場合は、24金やプラチナを含有した絵の具を使うことで高級感のある仕上がりにできるのです。
24金やプラチナを含有した絵の具は、金液やプラチナ液と呼ばれます。
絵の具に金液やプラチナ液を使う場合も、転写絵付の基本的な作業は変わりません。
マグカップだけでなくプレートやグラスにも対応
転写絵付を用いれば、マグカップだけでなくあらゆるものに金や銀を印刷できます。
たとえばカップ&ソーサーやプレート、ガラス製の食器にも印刷可能です。
またマグの裏側内側、お皿の裏側といった場所に印刷することもできます。
ただし金液やプラチナ液には金属が含まれるため、印刷にはやや注意が必要です。
通常、一般的な絵の具を使った転写紙は温めると伸び縮みする性質があるため、曲面に印刷した場合もフィットしやすい傾向があります。
一方、金やプラチナを使った転写紙は、温めても伸び縮みしにくい性質があるのです。
そのため平面ではなく丸みを帯びたようなカーブのある場所に印刷する際、転写紙がしわになりやすく、うまく貼れないリスクが高くなります。
とはいえ、技術を持った職人が丁寧に時間をかけて作業すればきれいに転写紙を貼ることも可能です。
このように金やプラチナは一般的な絵の具と同じように使えるものの、印刷の難易度はやや上がります。
高い発色でツヤのある仕上がりを実現可能
金液やプラチナ液には純金やプラチナが含まれているため、光沢の美しい印刷ができます。
たとえば下地がツヤのある質感なら、そこに金を印刷することで全体的に艶やかな仕上がりになるでしょう。
ツヤのある下地にプラチナを印刷すれば、鏡のようにピカピカの仕上がりになります。
また金やプラチナに限っては、下地の色が何色でも発色に影響はありません。
通常の絵の具は下地の色に影響され、本来の色が下地の色に食われる現象がしばしば起こります。
しかし金やプラチナでは下地に食われることがないため、下地の何色に関係なくきれいに発色するのです。
たとえば白、黒のマグカップをそれぞれ用意し、同じように印刷するとしましょう。
通常の絵の具を使う場合、白地のマグカップには思ったように発色するカラーでも、黒地の上に印刷したものは下地に食われ暗い仕上がりになります。
しかし金液やプラチナ液を使った場合、どちらの仕上がりも同等です。
むしろ黒地に印刷したほうが色のコントラストが付くため、ほかよりもはっきりと金銀が引き立つでしょう。
このように金銀の絵の具は、下地に左右されない発色の良さも大きな魅力です。
金・銀を使ったオリジナル陶器のおすすめ加工
銀や銀を使う場合、下地をどのような質感にするかで仕上がりが大きく変わります。
下地の特徴 | ツヤのある下地 | マットな下地 |
仕上がりの特徴 | ・光沢の輝きが美しい
・高級感のある仕上がり |
・マット調でシック
・落ち着いた仕上がり |
こんな人におすすめ | ・ハッキリとした仕上がりが好み
・高級感やツヤを演出したい |
・派手過ぎないデザインが好み
・落ち着きや上質さを演出したい |
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ツヤのある金・銀で高級感あふれる仕上がりに
ツヤのある下地に金や銀をあしらうと、全体的に光沢のある美しい仕上がりになります。
陶器の表面にツヤが出るのは、表面が釉薬で覆われているからです。
本来、釉薬を塗らずに土だけでできた陶器の表面はざらざらとしています。
しかしこの釉薬をかけてから1,200〜1,300℃の窯で本焼成することで釉薬に含まれるガラス成分が溶け、ツヤ感を出すことができるのです。
その上から転写絵付すると、金銀そのものの発色も相まって全体的に艶やかで高級感あふれる仕上がりになります。
マット調の金・銀でシックなオリジナル陶器も制作可能
下地がマット調の陶器に金や銀を印刷すると、柄の部分もマットな仕上がりになります。
あえてつやを消したようなマット調のデザインは、落ち着きとシックさが抜群です。
「高級感は出したいけれど、あまり派手にはしたくない」と考えている方にはピッタリの加工といえます。
なお下地の質感は、釉薬の種類を変えるだけで変更可能です。
マット調にしたい場合は、本焼成をしてもガラス成分が完全に溶け切らない釉薬を用います。
このほかの工程はほとんど変わりません。
マットな質感のマグカップを作りたいと考えている方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
【必見】マットな質感のマグカップが作成可能?マット調のオリジナルマグカップ・プレートの制作方法
金や銀を使った陶器の注意点
金や銀を使った陶器は、いくつか使用上の注意点があります。
● 電子レンジに入れると金・銀の柄が損なわれる
● 使い込むと徐々に金・銀が剥がれる
● 時間とともに金・銀がくすんでくる
● 通常の絵の具を使った陶器に比べて価格が高い
こだわって作ったオリジナル陶器を長く美しくお使いいただくためにも、ぜひご一読ください。
電子レンジに入れると金・銀の柄が損なわれる
金銀を印刷した陶器は、基本的に「電子レンジ不可」と表記されます。
これは絵の具に含まれる金属成分が燃え、黒くなったり焦げてしまったりするためです。
ちょうどアルミ箔を電子レンジに入れるとバチバチ火花が散るのと同じように、金銀を印刷した陶器を電子レンジに入れると、絵付けしたところから火花が出ます。
せっかくの絵柄が黒く焦げたようになってしまうため電子レンジには入れないようにしましょう。
ただし、金銀の絵柄が焦げたからといって、食品衛生上使えない食器になっているわけではありません。
万が一誤って電子レンジに入れてしまい、柄が焦げてしまったとしても今までと同様にお使いいただけます。
上に書いた通り、純金やプラチナを含む絵の具で絵付けした陶器は、基本的に電子レンジ不可とされます。
電子レンジにも対応できて、なおかつしっかり金や銀をあしらった陶器を作るのはなかなか難しいでしょう。
強いていえば、マット金やマット銀といった絵の具がおすすめです。
業界用語では「雲母金」や「雲母銀」とも呼ばれます。
これらの絵の具には金属が含まれていませんが、金のように光を乱反射させる素材が含まれています。
マット金やマット銀を使えば、ピカピカとはいかないまでもマットな金や銀に近い輝きを表現することが可能です。
使い込むと徐々に金・銀が剥がれる
金や銀をあしらった陶器は、長く使い込むうちに少しずつ金や銀が剥がれることがあります。
よくあるのが、金や銀を絵付したお皿にフォークやナイフといった金属食器が直接触れるケースです。
フォークやナイフがお皿に触れるたび、目に見えないような細かい傷が表面に付いて、少しずつ金や銀が剥がれることがあります。
ただし、そこまであっという間に剥がれてしまうわけではありません。
なお絵付の耐久性を最も重視するのであれば、金銀以外の絵付をおすすめします。
通常の絵の具を使った陶器は、長く使い続けて食洗機で洗っても劣化せず、印刷がきれいにいつまでも残るのが強みです。
これは絵の具が表面の釉薬の中にまで浸透しており、釉薬と完全に融合しているからこそ実現している耐久性といえます。
時間とともに金・銀がくすんでくる
金や銀は放置すると酸化し、徐々にくすみが生じます。
これは指輪やネックレスといった、アクセサリーと同じです。
飾り皿としてまったく使わず置いておいても、空気に触れるだけでも酸化は進みます。
ちなみに金がくすんできた場合は貴金属と同じようにやわらかい布で拭くと、ある程度の輝きが復元できます。
通常の絵の具を使った陶器に比べて価格がやや高い
金やプラチナを使った陶器は、通常の絵の具を使ったものに比べて価格が割高になります。
その理由は主に以下の2つです。
● 純金やプラチナを含む絵の具の値段が高い
● 制作の難易度が高い
純金やプラチナを含む絵の具が一般的な絵の具よりも高額になるのは、想像しやすいでしょう。
また先に説明したとおり、金属を含む絵の具は通常の絵の具に比べて伸びが悪いため、曲面への絵付けに慎重な作業が必要となります。
さらに金液やプラチナ液を使う場合は、「ガスかぶり」に注意しなければなりません。
ガスかぶりとは、一緒に絵付窯へ入れた陶器の絵の具の溶剤等から放出されることがあるガスの影響で、金や銀の光沢がなくなってしまう現象です。
ガスかぶりが起きた場合、ツヤの消えてしまった陶器はすべて作り直しとなります。
こうしたリスクもあるため、金や銀をあしらった陶器はほかのものより割高に設定される傾向にあるのです。
まとめ
金や銀をマグカップに印刷する方法について解説しました。
弊社では陶磁器業界ならではの転写絵付による印刷に対応しています。
金や銀だけでなく豊富なカラーバリエーションをそろえておりますので、お気軽にご相談ください。
長年培ったノウハウと職人の技術で、納得のいくオリジナルマグカップ作りをご提案いたします。
また色だけでなく形や印刷の箇所など、弊社ではお客様さまの様々なこだわりに対応いたします。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作れば、思い出深い一点物のマグカップができるでしょう。
長く使える、自分だけのオリジナルマグカップをぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
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「木と、チョコと、しあわせと。」
そんなテーマを掲げるKNOCKING ON WOODは、おしゃれな町並みの中目黒、その中を流れるのどかな目黒川のほとりにあります。
KNOCKING ON WOODはチョコレートブランド「DRYADES」が手がけるカフェと、木製雑貨ブランド「Hacoa」のショップが融合した新感覚のカフェです。木型で作る個性豊かなチョコレートをはじめ、思わずほっとするラテや心あたたまる木製雑貨などが楽しめます。
2021年4月のオープンに際し、ファーストスティングでマグカップをオリジナル制作いただきました。
今回はオリジナルマグカップ制作や、KNOCKING ON WOODの開店秘話などについてお話を伺えることになり、いざ中目黒へ。
インタビューに対応してくださったのは店舗責任者の矢崎さんをはじめ、本場パリのピエール・エルメでも活躍されたパティシエの斎藤さん、バリスタの川口さんの3名です。
各々がKNOCKING ON WOODにかける、熱い想いを伺うことができました。
KNOCKING ON WOODを開店した理由、お店のコンセプトについて
KNOCKING ON WOODを開店したきっかけを教えてください
ー矢崎氏
2年ほど前から、DRYADES初の店舗となる文京区の春日店でちょっとずつシェフが手がけるチョコレートを販売しはじめ、近所の方を中心に周知されていきました。
そこから2年が経って営業が軌道に乗りはじめたこと、今のご時世柄オンラインが活発になってきたことがきっかけとなってKNOCKING ON WOODの構想ができたんです。
元々、社長のコンセプトにもあった「カフェとして利用しながら、シェフが手掛けたチョコを食べられる場所」を実現するためにも、今回カフェを作ることになりました。
今までは厨房、店舗販売とオンライン販売を一括でやっていたのですが、営業が軌道に乗ってきて手狭になりつつあったので、まず広い土地を探すところから始めました。
チョコレートを提供するDRYADESと、雑貨を販売するHacoaを店内で融合させるアイディアはどこから生まれたんですか?
ー矢崎氏
前提として、会社の理念では「モノづくりの感動を伝える」ということを一番に考えています。
「モノを作って、その作ったモノを提供して、人へ感動を与えたい」というコンセプトをずっと掲げているので、同時に人との交流も大事にしてきました。
そこで今回もお客様との「交流」を実現するため、元々ある雑貨店とチョコレートメインのカフェを併設するアイディアが生まれたんです。
夢だったんだと思います、やっぱり。元々ある店と、新しいブランドを2つ一緒に展開することで「Hacoaという会社そのものを知ってもらえる場を作りたい」という1つの夢が叶いました。
ブランドは別だけど基本となる会社の考えは一緒だったので、やっと1個にまとめられたなと。
オリジナルカップ&ソーサーを作ろうと思ったきっかけ
ロゴが入ったオリジナルカップ&ソーサーを作ろうと思ったきっかけを教えてください
ー矢崎氏
食器類はけっこう模索しまして…。
お店のオープンに携わるチームでミーティングしたときに、いくつかのサンプルを見ながら形、サイズでいろいろと模索した結果、フラットでナチュラルなものが良いという結論になりました。
あとは、お店自体が木や自然をモチーフにしていたのと、全体のバランスを考えてお皿を渋めでシックな色にしたこともあり、カップのカラーはコーヒーが一番映える白にしました。
形に関してはバリスタが入れやすいことを一番に考えていたので、ラテが作りやすく、ラテを注いだときに中がよく見える「口広がり」に決めました。
今すごいインスタ流行ってるじゃないですか。だからどこかにお店のロゴを必ず入れたかったんです。写真に映るように、カップにロゴはマストで入れようと。
お皿にもロゴの入っているものはあるんですけど、置いてしまうとどうしても見えないので、立体感があるものでしかロゴをアピールできないんです。
形状を選んだ時のこだわり、決め手について
バリスタさんが使いやすい形状のカップを選ばれたんですか?
ー矢崎氏
そうですね。寸胴型のとか、いろいろ案はあったんですけど。
カップの下がすぼまっているほうが、下から持ってミルクを入れるときにつかみやすいそうです。注ぐのにもけっこう技術が要るみたいですね。
KNOCKING ON WOODとHacoaの今後の展開について
KNOCKING ON WOODさんとHacoaさんの今後の展開をお伺いできますか?
ー矢崎氏
チョコレートのお店が今春日と渋谷とここで3店舗だけなんですけど、この複合施設型のカフェはもうちょっと同じ形態で広げていきたいですね。
全国的に…というと規模が大きくなっちゃうんですけど、シェフのおいしいチョコを広めていきたいなと。
また今のご時世なかなか人と人との交流が難しいところではありますが、お客さまと交流できる場をなくさずに、広げていきたいなという思いはあります。
働くパティシエさんへインタビュー
KNOCKING ON WOODができる前、文京の春日店からパティシエさんとして働かれているんですか?
ー斎藤氏
そうですね。春日のお店がオープンしたのが2019年の1月で、そのときからお店の立ち上げやお菓子づくりに携わっていました。
以前はフランスのピエール・エルメでお菓子を提供されていたということですが、海外生活の思い出をお伺いできますか?
まずフランスには2011年から春日のオープンのときまで7年ほど行っていました。
思えば苦労が絶えないフランス生活だったというか…。
もちろんあっちに行けば自分たちは外国人になるわけですから、働くうえでの大変さとか、生活するうえでの大変さ、いろいろありました。
たとえばビザの取得とか。
基本的に働いてはいけないんですけど、いろいろなハードルを乗り越えて働きました。働くうえでも、ビザの取得のために1年おきに日本に帰ってきたりもしましたし。
あとは、住むところを探すのがけっこう大変でしたね。なかなか外国人には家を貸してくれないんです、保証がないですから。
いつもスーツケースを持ちながら引越しを何回も何回もしましたね。1年で5、6回は。
お菓子づくりや修行中で大変だったことはありますか?
ー斎藤氏
フランスに到着して1週間くらいで、すぐにピエール・エルメで働き出したのですが、本当に間違って勉強したかなというくらい現地の言葉がわからなかったんです。
勉強していったつもりだったんですけども…。ですから、そこはすごく苦労したというか。
でも、仕事は日本でもきちんとやっていたので、やっていること自体は一緒なわけです。
言葉が分からないなりに自分で考えて、「こういうことを言っているのかな?」とか。
もう五感をフルに活用して、なんとか食いついていくというか、食らいついていくような感じでやっていきました。
言葉の壁は本当にすごく大きかったですね。
これをやれと言われても、何をやっていいかわからない。あれを取れと言われても、それが何なのか分からない。
ですから、「この人は何を言ってるのかな?」と察するための人を見る目は養われました。自分に好意的なのかなって、それとも敵対しているのかなという雰囲気を感じながら。
Hacoaに入られたきっかけを教えてください
ー斎藤氏
フランスでは働き続けるのがすごく難しいので、2018年には労働ビザが更新できなくて「これ以上フランスに居続けるのが難しいかも」という状況でした。
僕から言わせれば、ちょっとフランスに嫌われちゃったかなという気持ちだったんですけど。
そこで思い切って日本に戻ろうと決め、帰国する前に日本での仕事を探し始めました。
ゼロから日本での仕事を探していたとき、フランスの友人何人かを通して、「Hacoaがチョコレートを新しく始めるためにシェフを探している」という話を聞いたんです。
本当に日本へ帰るタイミングがぴったり合ったというか、ちょうど帰るタイミングで働けるシェフを探しているという話をいただいて。
その話を紹介してくれた人から「ちょうどHacoaの代表の市橋がちょうど東京にいるから、一度会ってみないか」声がかかったので、自分としてはそこまで乗り気でなかったんですけど、一応お話を聞きに行こうかなと思い、社長と会うことになりました。
すると面接みたいな形になったんですね。一応履歴書を持ってきたので、一応履歴書を渡したんです。
そうしたら社長が、履歴書は横に置いてHacoaの話を始めたんです。
もうすごく熱く、30分、1時間くらい話していただいた後、「じゃあ君この会社入りなさい」と言われたんですよ。
「え?」と思って。何も質問もされてないし、経歴も言っていない。一体自分の何を見られたんだろうと思って。すごい人だなというのが第一印象でしたね。これがHacoaに入ったきっかけです。
Hacoaに入ってからの苦労や大変だったエピソードはありますか?
ー斎藤氏
苦労はもちろんあったんですけど、とにかく楽しかったですね。
チョコレートって普通、プラスチック型とか、シリコン樹脂とか、そういうものでつくるんです。ですがこのHacoaという会社は木の会社で、木だったらどんな形でもつくれるという会社ですから、木型でチョコレートを作るんです。
最初は簡単にできるかなと思ったんですけども、何度も失敗を繰り返して、やっとそれができたんですよ。世界で唯一、木型でチョコレートを作る会社にいる楽しさはあります。
あともう1点、木の会社なので、木を何か味に転化できないかなといろいろ試行錯誤をしました。ですが木ってなかなか味に落とし込むことがすごく難しくて、ヒノキとかいろいろな木の種類を試してみました。
そんな中で、木を燻製にしてチョコレートにしてみようという試みがけっこううまくいったんです。
そしてアーモンドとチョコレートをそれぞれ燻製して、木の燻した香りをチョコレートとナッツにまとわせた「アーモンドチョコレートの燻製味」という商品が完成しました。
これは他じゃあまり見られないので、木の会社のHacoaらしいお菓子かなと思っています。
働くバリスタさんにインタビュー
KNOCKING ON WOODに入ったきっかけを教えてください
ー川口氏
元々DRYADES本店でアルバイト採用されまして、そこから渋谷店の新オープンに携わり、最終的にこちらへ配属となりました。
コーヒーを入れる技術はいつから勉強されていますか?
ー川口氏
元々大学時代にコーヒー豆の生豆を焙煎するところからやる本格的なカフェでアルバイトをしていました。そこでコーヒーの奥深さに魅力を感じて、卒業後にカフェの専門学校に通ったのがはじまりですね。
で、その専門学校時代に出会った友人が、たまたまDRYADESでアルバイトをしていたんです。
「カフェじゃなくて、チョコレートなんだけどどう?」ということで紹介の話をいただいて、アルバイトで入る流れになりました。
その時点では、1回バリスタの仕事はできないかなと諦めたんですが、KNOCKING ON WOODの店舗オープンと同時に「カフェもやるからバリスタやってみない?」という話をいただいて今に至ります。
カップの選定に携わられたとのことですが、どのようにカップを選ばれましたか?
カップの種類とかいろいろ見せてもらった中で、どこにでもすごくなじみそうで、なおかつシンプルで、ちょっとスタイリッシュなかっこいいものを選びました。
(ファーストスティングがご提供したサンプルの中から)「これがいいかな」というのを部長にお伝えしたら「あなたがそういうならそうしましょう」という感じで決めていただきまして。
バリスタの先生、私が教わった先生は丸いカップのほうが入れやすいと言っていたんですけど、私はこの形のほうが手にしっくり来て入れやすいなと思って。
単純に私が好きだったのかもしれないですね。
皆さんロングインタビューにお時間いただき、ありがとうございました。
まとめ
取材をさせていただいた店内は、木のぬくもりとモダンなデザインが調和する、素敵な空間でした。
人と人との繋がりを大切にする経営理念が実現した、カフェと木製雑貨のお店。ラテやチョコレートだけでなく、店内の雰囲気全体が気持ちをリラックスさせてくれるでしょう。我々も、想いを実現する飲食店の食器制作に寄り添い、ものづくりに貢献していきたいと強く実感しました。
ファースト・スティングでは「KNOCKING ON WOOD」さんにご採用いただいたラテ兼用のカップ&ソーサーをはじめ、様々なカップ&ソーサーやラテカップをご用意しております。オリジナルのカップ&ソーサー制作ついて何でもお気軽にご相談ください。
デザイン・サイズ・カラーなど、完全オリジナルの食器を作ることが可能です。また、好きな場所にロゴを入れたり、イメージカラーに合わせてオリジナルのカラーリングをしたり、エンボス調のプリントをしたりなど、既製品にはできないこだわりの陶器制作ができます。
こだわって作ったオリジナル陶器は、きっと個性あふれるお店の雰囲気をより一層豊かにしてくれるでしょう。まずはお気軽にご相談、お問い合わせください。
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