OEM陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
皆さんは、柄が凹んでいる陶器を見たことがあるでしょうか。デザインを凹凸で表現出来る手法、それを「撥水絵付」と呼びます。
撥水絵付はエンボスデザインとも呼ばれる手法です。光の当たり方による陰影も手伝って、味わい深く温かみのある、エンボス調のデザインが楽しめます。
今回はこの「撥水絵付」の方法や、特徴、他の手法との違いについて詳しくご紹介しています。一般には知名度の低い撥水絵付ですが、実は魅力がたくさん。
世界に1つのオリジナルマグカップを作ろうとお考えの方は、必見です。
撥水絵付でオリジナルのマグカップを作る方法
撥水絵付とは?
撥水絵付とは「下絵付」とよばれる、陶器における絵付方法の1つです。「エンボスデザイン」とも呼ばれます。撥水絵付をすると、柄や模様の印刷面がくぼんだ状態になります。
まるで陶器に刻印をしたようなエンボス調の風合いが撥水絵付の特徴。オリジナルマグカップの制作などによく使われる手法です。エンボスデザインは指で触ると模様やロゴの形が凹んでいるのが確認できます。
表面に凹凸があるので、光の当たり方によって模様に陰影が付くのも魅力の1つ。印刷されたデザインや文字は、マットな風合いになります。
このようなエンボスデザインには、撥水剤を混ぜた下絵の具を利用します。紙に油性のクレヨンで絵を描いた後に水彩絵の具で色を塗ると、クレヨンで描いた絵は水を弾きます。撥水絵付はこれと同じ原理を利用した手法なのです。
つまり、「油性のインク」と「水性の釉薬」との関係をうまく利用した絵付の手法といえます。色の組み合わせは自由度が高く、下地も印刷部分のカラーも豊富なバリエーションの中から選ぶことが出来ます。そのため、あらゆるオリジナルデザインにも対応可能です。
撥水絵付は、個性的なオリジナルマグカップを作るのにおすすめの手法といえます。
撥水絵付での制作工程とは?
撥水絵付の制作工程は以下の通りです。
①800℃で陶器を焼き上げる(素焼き)
②撥水性のある「呉須」というインクで絵付をする
③印刷の上から釉薬を施す(施釉)
④1,200℃~1,300℃の本窯で焼き上げる(本焼き)
⑤完成!
撥水絵付は、素焼きの陶器に釉薬を施す前に印刷を行うのが特徴です。このように釉薬の下の層に印刷を施す手法を、「下絵付」と呼びます。
これに対して、施釉(せゆう)した上から絵付する「上絵付」という手法があります。
撥水絵付において使用されるインクは、「呉須」というもの。これは撥水剤を混ぜたインクです。つまり焼き上げる前は「油性」の性質を持ちます。
そのため上から施釉しても、水性の釉薬を弾いて模様を浮き出させることが出来るのです。これが撥水絵付の最大の特徴といえるでしょう。この手法により、独特なエンボス調のデザインが演出出来ます。
ただし1,200℃〜1,300℃の窯で本焼きを行えば、水も油も焼け飛びます。そのため最終的には「油性」「水性」といった性質は無くなり、安全な陶器として仕上がります。
転写絵付との違いについて
他の絵付方法の一つとして、「転写絵付(てんしゃえつけ)」が挙げられます。この転写絵付と撥水絵付の違いは、「絵付のタイミング」です。
撥水絵付は施釉の前に、素焼きされた陶器の表面に直接絵付をします。これは釉薬の下側に印刷が施される「下絵付」と呼ばれる手法です。
一方、転写絵付の場合は施釉の後に1,200〜1,300℃の窯で本焼成し、一旦無地の陶器として焼き上げます。その後焼き上げた陶器の上に印刷を行います。これは焼きあがった陶器の釉薬の上から印刷を施す「上絵付」と呼ばれる手法です。
つまり素焼きの後(施釉前)に印刷するか、施釉後に印刷するかが、2種類の手法における大きな違いといえます。
手法についてさらに細かく見て行きましょう。撥水絵付は、油性の呉須が釉薬を弾く性質を利用した手法です。そのため仕上がりは、その時々で微妙な個体差が出ます。よく言えば「味わい」です。
これは呉須と釉薬の相性・温度による弾き具合・陶器の収縮具合によるもの。あまりに細い線を印刷しようとすると釉薬を弾ききれず、線の上にわずかに釉薬の色が乗ってしまう場合も。
逆に釉薬が乗るべき場所に乗らず、微妙に素焼きの地色が出てしまうこともあります。ただし全く違うものが仕上がってしまうわけではなく、味わいの範囲の中の個体差です。またこうした個体差もデザインを工夫することで、ある程度目立たないようにすることも出来ます。
このように撥水絵付は量産したとしても、それぞれを1点ものとして楽しめます。
一方転写絵付の場合は、本焼きの後に印刷をします。その際、色ごとに分けて「版」を制作します。版で刷ったデザインは転写紙という紙に印刷されます。この手法はシルク印刷というものです。
そしてその転写紙を陶器に貼り付け、約800℃の絵付窯で柄を焼き付けます。転写絵付は版を用いて一旦転写紙に精密に印刷されたものを絵付するため、量産すると同じものが大量に仕上がります。
つまり転写絵付は個々の仕上がりに個体差が少ない手法なのです。さらに撥水絵付と異なり、細かな印刷も可能。0.2ミリ単位の細さの線をクッキリと印刷することも出来ます。
当然、手法が異なれば陶器の仕上がりも異なります。撥水絵付は先ほどご紹介した通り、印刷部分が釉薬を弾いているので印刷面が凹みます。指で触って分かるくらいの凹凸があり、エンボス調の仕上がりです。
これがエンボスデザインと呼ばれる所以です。撥水絵付は色と凹凸の両方を用いて、柄を表現できるという特徴があります。
さらに撥水絵付は量産すると個々に微妙な違いがあらわれます。個性の光るオリジナルデザインを追求したい方におすすめです。
一方、転写絵付の印刷面は平面です。指で触っても撥水絵付のような凹凸はありません。印刷部分の色と、背景となる色のコントラストで柄を表現します。
さらに細かい印刷も施すことが可能で、個々に仕上がりの差がありません。全く同じものを綺麗な仕上がりで量産したい方におすすめの印刷方法といえます。
飲食店やOEMのオリジナルマグカップ制作などの場合は、こだわるポイントに合わせて撥水絵付(エンボスデザイン)と転写絵付(フラットデザイン)を使い分けるのがオススメです。
撥水絵付に対応している制作会社は少ない
撥水絵付は誰でも出来る手法ではありません。陶器業界内ではメジャーな手法ではあるものの、陶器の扱いに精通している専門の会社でないと難しい手法です。
そのため撥水絵付に対応している制作会社は、少ない傾向にあります。
オリジナルデザインのマグカップ制作会社を検索すると、たくさんの企業が出てきます。しかし、これら全てが陶磁器に精通した専門家のいる会社とは限りません。
陶器の印刷方法の中には、陶磁器の専門的な技術を必要としない「昇華プリント」というものもあります。一般向けのオリジナル陶器制作で検索結果に出てくるものは、大半がこの昇華プリントを用いたものです。
昇華プリントは「昇華プリンター」という機械があれば、簡単に陶器に印刷が出来ます。ある程度のデザインの精度や再現度はあるものの、陶器に関する専門性は必要ありません。
どちらかといえば、Tシャツやスマホケースなどのオリジナルプリントを行っている会社が、昇華プリントのマグカップを一緒に提供していることが多いようです。
こうした理由から、撥水絵付に対応しているオリジナルマグカップの制作会社そのものが少ない傾向にあり、一般的にはあまり知られていない絵付の手法ともいえます。
よりこだわりぬいた撥水絵付のマグカップを作るために
ロゴのようなシンプルなデザインがオススメ
撥水絵付でオリジナルデザインを制作するなら「大きくロゴだけ」、といったシンプルなデザインがおすすめです。
というのも撥水絵付は、印刷にわずかな個体差が出ます。これは撥水絵付そのものが、呉須の撥水性という自然な性質に委ねられた手法だからです。
細かすぎる印刷をすると、デザインによっては柄が消えてしまったりすることもあるのです。
一方、太く大きな文字で描いたロゴなら、わずかに輪郭がぶれても個々の差が目立ちません。さらに大きなロゴなら文字そのものがつぶれることはなく、メッセージ性そのものに支障はありません。
またロゴでなくても、大きめの柄やシンプルな柄なら綺麗に仕上がる傾向にあります。
細かいデザインを再現したい時は白のマグカップ
撥水絵付では、細かいデザインが一切出来ないわけではありません。撥水絵付でオリジナルマグカップを制作する際、元々の色が白いマグカップを使用すれば細かいデザインも表現可能です。
白いマグカップといっても、白い釉薬を施したものではありません。元々の土が白く、施釉しなくても白く焼きあがるマグカップを用います。
素焼きを終えた白いマグカップに、呉須で印刷をします。その際、釉薬は透明なものを使用。これによりマグカップの表面に見える色は、元々の土の白い色と印刷の色のみになります。
この手法なら釉薬が透明なので、乗り具合や弾き具合の誤差で印刷が左右されることはありません。
細かいオリジナルデザインも、しっかりと表現することが可能です。
カラーのマグカップに撥水絵付をする時の注意点
濃い色のマグカップに、薄い色の印刷をする場合は注意が必要です。というのも細かいデザインであればあるほど、印刷のブレが目立ちやすくなってしまいます。
例えば、黒の釉薬に白い文字を入れたいとします。その場合、白い部分には釉薬が乗らないようにしなければいけません。しかし文字自体が細すぎると、意図せず黒い釉薬が乗ってしまい、字が途切れてしまうことも。
逆も然りです。文字の周囲に白で印刷を施し、釉薬の色を文字ロゴとして黒抜きにする場合を想定してみましょう。ロゴがあまりに細いと、抜いたはずの部分に釉薬が乗らない可能性もあります。すると文字は撥水した白背景と同化し、何が描いてあるのか分からない状態にもなりかねません。
また、細い部分に黒い釉薬が乗りすぎて本来撥水の白で表現したい部分にはみ出してしまい、黒い溜まりのような症状になることもあります。
そのためこうした配色の場合は、粗が目立ちにくくなるように印刷を太く大きくするのがおすすめです。また、配色を変えてこうした印刷における誤差を目立ちにくくすることもあります。
マグカップの色と撥水絵付の色を同系色にすると?
ではマグカップの色と撥水絵付の色を同系色にするとどうなるのでしょうか。撥水絵付の場合、同系色同士のデザインは印刷の誤差や粗を目立ちにくくしてくれます。
例えばライトブルーのマグカップに紺色の文字を印刷したい場合は、比較的細かいデザインでも違和感なく表現できる場合が多いでしょう。
さらにマグカップの背景と印刷に同じ色を使うことで、印刷を凹凸のみで表現することが出来ます。つまり完成品はマグカップのそのものの色にプレスを加えて、空押しをしたような状態です。色は背景と同化しても、凹凸があるのでデザインはしっかりと表現できます。
印刷がよく目立つわけではありませんが、お洒落で非常に味わいのあるオリジナルマグカップに仕上がるのが特徴です。
これが転写絵付や昇華プリントになると、文字も背景も同化してしまいがち。同系色の組み合わせでもオリジナルマグカップが制作できるのは、撥水絵付の強みといえるでしょう。
まとめ
撥水絵付の方法や特徴についてご紹介しました。あまり知られてない手法ですが、個性的なオリジナルデザインを表現するのにはうってつけの方法といえるでしょう。
1つ1つの陶器の個性を大切にしたい方や、オリジナリティと温かみのあるオリジナルマグカップを制作したいという方におすすめです。
弊社では、この撥水絵付での印刷にも対応しております。よりお客さまのイメージに近いものが出来るよう、デザインや配色などにもアドバイスさせていただきます。
さらにマグカップの形状も1からオーダーメイドが可能。弊社では土から陶器を成型しているので、あらゆる形状の陶器でオリジナルグッズを制作することが出来ます。
お好きな形の陶器に、自分だけのオリジナルデザイン。カラーも豊富に展開しておりますので、お気軽にご相談、お問い合わせください。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
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近頃、誰でも簡単にオリジナルのマグカップがデザイン出来るようになってきました。
しかしオリジナルマグカップの注文サイトなどを見てみると、作れるのは白い色のマグカップがほとんどです。
白地にロゴなどを付けるのもお洒落ですが、せっかくオリジナルマグカップを作るなら、下地となる色の選択肢も多い方がいいです。
グリーンや紺、オレンジなど、マグカップそのものの色を選べれば、よりデザインの幅も広がります。
とりわけ、黒をベースとしたオリジナルマグカップを制作できる企業は少ない傾向にあります。これは何故なのでしょうか。
そこで今回は、黒いオリジナルマグカップの制作方法についてご紹介します。基本となる印刷方法から、黒だからこそ必要な制作過程まで、一般的にはあまり知られていない制作の事情を徹底解説していきます。
黒いマグカップでオリジナルのマグカップを作る方法
転写絵付とは?
黒いマグカップにオリジナルデザインを施す場合、通常は転写絵付という方法でロゴや柄を印刷します。
では転写絵付とはどのような印刷方法なのか、その手順から見ていきましょう。
①無地の黒いマグカップを焼き上げる
②柄に対応した版を作成する
③②の版を用い、色ごとに転写紙に柄を刷る(シルク印刷という手法)
④焼き上げた無地のマグカップに、③の転写紙を貼り付ける
⑤800℃の絵付窯で数時間焼き上げ、転写紙の柄をマグカップに焼き付ける
⑥完成!(印刷面は平面に仕上がる)
転写絵付はこのような手順で行われます。
大きな特徴は「版」が必要であるという点。1つのマグカップを制作するにしても、印刷には必ず版の制作が必要となります。
こうした手間を必要とする反面、版さえ作ればあらゆる陶器の形・カラーに対応出来るのが転写絵付の魅力です。
また転写絵付による印刷は、耐久性・耐熱性にすぐれています。転写絵付では、高温で転写紙を焼き付けます。
その結果陶器と印刷はぴったりと密着し、剥がれたり色落ちしたりすることはまずありません。食器洗浄機に入れ洗っても問題ないでしょう。
また焼き上げ時の温度は約800℃。そのため転写絵付で印刷したマグカップは、200℃〜300℃の家庭用オーブンに入れても何ら問題ありません。
このように転写絵付はあらゆる色、形の陶器に印刷ができるだけでなく、耐久性にも優れた印刷方法なのです。
黒いマグカップに昇華プリントすると?
実は、陶器への印刷方法は転写絵付だけではありません。近年普及している「昇華プリント」という印刷方法もあります。
しかし、昇華プリントは黒いマグカップに印刷が出来ません。
黒いマグカップに昇華プリントを施すと、柄が下の黒と同化して何も見えない状態になってしまいます。
これは何故でしょうか。その理由についてご説明します。まず昇華プリントの印刷手順を見ていきましょう。
①無地のマグカップを焼き上げる
②焼き上げた無地のマグカップの表面にポリエステルを塗布する
③昇華プリンターを使用し、転写紙に昇華インクを反転印刷する
④表面のポリエステルに押し当てるように②の転写紙を重ねる
⑤加熱・加圧する
⑥完成!(印刷面は平面に仕上がる)
昇華プリントと先ほどご紹介した転写絵付との違いは、大きく2つあります。
1つは「版の有無」です。昇華プリントの場合は版を使いません。その代わりに転写紙への印刷を、昇華プリンターという機械で行います。
これが黒いマグカップに印刷が出来ない直接的な理由です。例えば家庭用プリンターで黒い紙に写真を印刷したらどうなるでしょうか。おそらく背景と写真が同化してしまい、何も見えない状態になるでしょう。
昇華プリントも同じ理由で、黒いマグカップにくっきりと印刷することが出来ません。印刷出来ないというよりは、「印刷は出来るものの、下地の黒に柄が同化してしまう」という状態です。これでは印刷の意味がありませんね。
黒い色の上でもしっかりと柄の色を出せるのは、転写絵付ならではの魅力といえます。
もう1つは昇華プリントの場合、表面に「ポリエステル」を塗布しているという点です。転写絵付では陶器そのものに印刷を施します。
元々昇華プリントは繊維業界で誕生した印刷方法で、ポリエステルにしか印刷出来ないという特徴があります。そのため陶器の表面にポリエステルを塗布し、そこへインクを染みこませます。
現在、業務用として流通しているポリエステルを施した昇華プリント用のマグカップは、外側は白いものばかり。つまりそもそも市場に黒地にポリエステルを施したマグカップ自体が、流通していないのです。それもそのはず、黒地に昇華プリントしても何も見えないのですから。
そしてポリエステル加工をしてあるマグカップは、形も一般的な寸胴型なものが大半。その理由は熱圧着する昇華プリントの機械が寸胴型にしか対応していないものがほとんどだからです。そのため昇華プリントによる印刷は、元となる陶器の色や形が、白・寸胴型に制限されてしまうという特徴があるのです。
転写絵付のデザイン再現度は?
転写絵付では、印刷された色が下地となる釉薬の色をしっかりと遮断することが出来ます。そのため黒い陶器に印刷を施しても、釉薬の色に影響されずにしっかり発色させることが可能です。
また印刷における滲みなどもほとんどなく、昇華プリントよりも緻密にデザインを再現することが出来ます。
ブルー地のマグカップですが画像の通り、転写絵付を施したマグカップ(右)の方は柄が鮮明です。昇華プリントを施したマグカップ(左)は少々文字の輪郭がぼやけています。
さらに転写絵付なら、陶器のどの箇所でも印刷可能。マグカップの外側はもちろん、内側や底面でも印刷出来るのです。
転写絵付は個性的なオリジナルデザインの印刷にも柔軟に対応できます。
黒のマグカップに綺麗に印刷するためには
転写絵付はデザインの再現度が高いとはいえ、場合によっては柄と背景の境界が分かりにくくなってしまうこともあります。例えば黒い陶器に、茶色の柄を印刷するときなど。
そんな時には、「下白(したしろ)」や「二度刷り(にどずり)」という方法を用います。
下白は印刷をする柄と陶器本体の間に、白い色の版を1版敷くという方法です。これにより柄の部分だけ黒地の黒を遮断し、柄の色を引き立たせることが出来ます。
また二度刷りは、柄の発色をより上げるために絵具の顔料の層を厚くするという方法です。同じ版で2回刷ることで顔料の厚みが2倍となり、下地の黒がより一層遮断され、柄が際立ちます。
このような方法を利用すれば、黒に負けてしまいがちなカラーリングでも綺麗にクッキリと印刷することが出来ます。
黒い食器や陶器は作れる制作会社が少ない
黒い食器や陶器を作るには、転写絵付を用いる必要があります。
しかし陶磁器業界に伝わる転写絵付には職人の技、そして色ごとに版を1つ1つ制作するコストがかかります。さらに転写絵付で印刷をしたとしても、先ほどご紹介した下白や二度刷りといった工夫を加える必要がある場合もあります。
このような理由から黒い食器や陶器を作れる制作会社は、陶磁器専門のメーカーに限られ比較的少ない傾向にあるのです。
黒いマグカップをオススメする理由
背景が黒いと細かいデザイン、白が映える
制作が難しいとされる黒のマグカップですが、実はあらゆるメリットがあります。その1つが「印刷が映える」というもの。
黒いマグカップの印刷には、転写絵付を用います。この手法なら、かなり細かい柄やイラストを印刷可能です。
細かい柄もにじんだり、ぼやけたりすることなく、くっきりと印刷できます。さらに黒い背景がより一層、柄を映えさせるでしょう。
柄の見やすさという観点でも、黒を背景にするのは有効といえます。
特に白い文字や柄を印刷する場合、黒い背景は引き立て役として最適です。白抜きのロゴはあらゆる企業ブランドでもロゴとして採用されています。
例えばファッションブランドの「GAP」、さらには飲料メーカー「コカ・コーラ」など、いずれも文字は白色です。
このように白い印刷をグッと際立たせるのに、黒い背景は一役買ってくれます。
物販イベントやECサイトでの販売で売れる!?
物販イベントやECサイトでオリジナルマグカップの販売を考えている方もいるでしょう。そんな方にとって、黒いマグカップは非常におすすめです。
マグカップはオリジナルグッズの中でも、非常にポピュラーなアイテムといえます。アイテム自体もそこまで大きくなく、価格もTシャツなどといったオリジナルアイテムと比べればリーズナブルです。また自宅用・ギフト用・またはインテリアとして使うなど、あらゆる使い方が出来ます。
さらに黒という色はどんな柄でも、シックでお洒落にまとめあげてくれるというメリットがあります。
また黒は日常生活に溶け込みやすいカラーです。あらゆるインテリアや生活空間になじみます。黒はピンクや青と異なり、イメージで使用者が限定されません。男性や女性、年齢などの分け隔てなく、誰でも違和感なく使うことが出来るカラーです。
そのため黒いマグカップは、誰でも手に取りやすい商品といえるでしょう。売ることを考えるなら幅広い顧客を想定して、誰もが使いやすいものを制作するのが一番です。
こうした販売の観点で見ても、黒いマグカップは非常に優秀なアイテムといえます。
カフェ用のマグカップやOEMの記念品などでのブランドデザイン
カフェや飲食店などでは、お店のロゴをワンポイントで入れることも少なくありません。
黒は落ち着きや信頼感を持たせてくれる色です。白と黒、赤と黒、ピンクと黒、どんな色のロゴと合わせても、落ち着いて見える配色になるでしょう。
すでにロゴのカラーが決まっていたとしても、マッチさせやすいカラーといえます。もしくは白抜きでロゴや店名を入れるだけでも、モノトーンでお洒落なマグカップに仕上がるのが黒のメリットです。
またOEMのグッズなどを制作する場面にもおすすめです。記念の年やロゴをワンポイント入れるだけで、黒がデザインを引き締めてくれます。
さらに黒には高級感を演出できるというメリットも。そのため自社ブランドに高級感や荘厳な印象を持たせたい場合も、黒をベースとしたカラーリングは効果的です。
まとめて発注することでお値段がリーズナブルに
実は転写絵付には、「発注する商品の数が多ければ多いほどお得になる」というメリットがあります。これは黒いマグカップに限らず、転写絵付で印刷された陶器全般にいえることです。
というのも、転写絵付けには「版」の制作が必須となります。1つのデザインカラーにつき1つの版。版の制作は固定費として、発注数の有無に関わらず発生するものです。
裏を返せば、1つの版を何度も使って印刷を量産することが出来ます。
つまり多く発注する程、1つの商品にかかる費用が安くなります。これは版の制作における固定費を大きい母数で割るほど、1点あたりの費用を抑えられるからです。
10点より100点、100点より1,000点の方がお得になるというわけです。
一方、昇華プリントはどうでしょうか。昇華プリントは版を用いず、昇華プリンターで印刷します。この手間は、何回印刷しても変わりません。
価格が発注個数に比例してお得になるのは、転写絵付による印刷ならではのメリットといえます。
黒いマグカップのまとめ
黒いマグカップの制作方法をご紹介しました。黒いマグカップを作るには、転写絵付という印刷方法を用い、場合に応じて印刷を引き立てるための工夫を施します。
さらに黒いマグカップには、デザイン性の高さなどといった魅力がたくさん。グッズ化するにも適したカラーであることがお分かりいただけたかと思います。
弊社ではそんな黒いマグカップをはじめ、あらゆるカラーの陶器制作に対応しています。
また色だけでなく形や印刷の箇所など、様々なこだわりに対応いたします。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作るオリジナルの食器は、きっとこだわりのグッズ制作に貢献できると思います。お気軽にご相談、お問い合わせください。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
OEM陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
私たちの生活、そして食事に欠かすことのできない「陶器」。
マグカップやプレートなど、あらゆるシーンで私たちは陶器を使用します。
そんな身近な存在である陶器ですが、食の安全という点においてはその制作に非常に厳しい基準が設けられているのが特徴です。
食器として利用する陶器には、盛り付けた料理や中に入れた飲み物を口にしても問題ないレベルの高い安全性が求められます。そのため一般にはあまり知られていませんが、陶器には食べ物と同様の「食品衛生法」が適用されています。
このように、陶器の制作には細心の注意が必要といえます。私たちが普段から何気なく使う陶器の安全性は、こうした影ながらの努力によって保証されているのです。
そこで今回は、「安心・安全な陶器を作るためのポイント」について詳しくご紹介していきます。
食の安全にもこだわったオリジナルのマグカップやプレートを作る方法
陶器にはあらゆる色や形状のものがあります。コーヒーを入れるマグカップや、スイーツを乗せるプレート。食べ物や飲み物を入れる陶器であれば、これら全てに安全性が求められます。
では安全な陶器を作るには、どういった注意が必要なのでしょうか。安全性の高い陶器づくりのポイントをご説明していきます。
安全にこだわった印刷とは?
まず、「安全にこだわった印刷」とはどのようなものなのでしょうか。
前提として陶器は食べ物をよそい、口をつける可能性のあるものです。そのため陶器には食品と同等の安全性が求められます。
陶器の原材料は粉砕した石や粘土で、健康を害するリスクはありません。しかし本体に色をつけたり、絵付けを行う過程で、無機顔料を使用します。
陶器の制作において最も気を付けるべき成分は、無機顔料に含まれる「鉛(なまり)」、そして「カドミウム」という成分です。
鉛やカドミウムは陶器に必ず含まれているわけではなく、ビビッドで鮮やかなカラーを出したい時などにしばしば使用されます。
いずれも一定量を摂取すると、鉛は鉛中毒、カドミウムは腎臓疾患や関節障害・貧血などといった健康被害を発生する恐れがあるのです。
ちなみにこれらの成分が、陶器に含有されていること自体を、食品衛生法自体で問題視している訳ではありません。使用しているうちに鉛やカドミウムが溶け出し、それを食品と共に摂取してしまうリスクが問題とされています。
つまり安全な陶器とは、鉛とカドミウムの「溶出量」が安全なレベルに収まっているもののことを指します。また安全値に収めるだけでなく、健康に全く影響がないレベルまで溶出量を抑えることが、安全へのこだわりといえます。
鉛・カドミウムの基準値は法律で定められている
人体にとって有害な鉛とカドミウム。
陶器におけるこれらの溶出量は、国の規定した基準値の範囲内に収める必要があります。この、国の規定した基準値が示されている法律こそが「食品衛生法」です。
食品衛生法は、食品だけでなく「飲食にまつわる全てのリスク」を回避するために作られたもの。そのため、食品に対してだけでなく食器や容器、おもちゃにまで成分規定を設けています。
陶器の場合は健康被害が懸念される成分として、鉛とカドミウムの溶出量を検査することが義務付けられているのです。
形状によっても異なる基準値
陶器の形状や大きさは様々です。そのため食品衛生法では、陶器の形状に応じてそれぞれ鉛とカドミウムの基準値を設けています。
溶出量を検査するにあたり、陶器は大きく4種類の区分に分かれます。
陶器の区分と、基準値は以下の表の通りです。
陶器は深さと容量によって基準値が分かれています。例えば深さがほとんどなく平らなお皿の場合は、区分Ⅰに分類されます。
一方、深さが2.5cm以上あり容量が1.1ℓ未満のマグカップなどは区分Ⅱです。このように、形状や容量に応じて鉛とカドミウムの基準値が異なります。
安全性を検査する「食品衛生検査」
日本の食品衛生法は、非常に厳しい基準で作られています。その基準の高さは食品衛生法に基づく検査、「食品衛生検査」を見れば分かります。
陶器に含まれる鉛やカドミウムは、酸性の成分に触れると溶け出す傾向があります。つまりお酢などの成分に反応して溶け出すのです。
陶器の食品衛生検査では、まず陶器の中に酢酸を満たします。そして常温で放置すること24時間。その後、陶器の中に溶け出した鉛とカドミウムの量を測定します。
このように食品衛生検査では、最も多くの鉛とカドミウムが溶出する条件下で検査を行うのが特徴です。
実際に陶器を使う上でただパンを乗せたり、コーヒーを注いたりするだけなら鉛とカドミウムはほとんど溶出しません。そのためほとんどの使用条件下において、溶出する鉛とカドミウムは食品衛生検査の結果よりも少ない数値になると考えられます。
食品衛生検査では念には念を入れて、厳しい品質基準を設けているのです。
安全なオリジナルの陶器を制作するために
レストランやカフェなどといった飲食店では、オリジナルの陶器を作って使用するということも珍しくありません。オリジナル陶器はお店の雰囲気やイメージ作り大きな役割を果たしてくれます。しかしオリジナル陶器の制作には、安全性に十分留意して制作する必要があります。
当然、食品衛生法の基準上、問題の無い品質に仕上げるためにはあらかじめ食品衛生検査を行います。ではどのような陶器で、どれだけの鉛やカドミウムが検出されるのでしょうか。
ここからは検査の一例と、より安全な陶器を制作するための方法についてご紹介していきます。
マグカップやプレート本体の色は問題ない
基本的に陶器を制作する上で注意すべき点は本体のカラーでなく、転写された絵柄の部分です。
とはいえ、本体に塗られる釉薬という材料にも、カドミウムや鉛は含まれている場合があります。しかし国産で、かつ最適な温度で焼き上げられた陶器であれば、本体から基準値以上の鉛やカドミウムが検出されることはほぼありません。
釉薬を塗った状態の陶器は、「本焼き」という工程に入ります。陶器を焼き上げる温度は1,200℃以上の高温です。その際、熱で溶けて液状化したガラス成分の中にカドミウムや鉛が溶け混みます。
そして冷えればガラス成分は固まり、鉛やカドミウムを外側からカバーしてくれるのです。そのため高温で焼き上げ、なおかつ釉薬に適した調合が出来てさえいれば、鉛やカドミウムの溶出はほとんどないといえます。
赤や黄色といったプリントカラーの時は注意が必要
一方、赤や黄色など鮮やかな色をプリントする際は注意が必要です。ちなみに黒や白、落ち着いたブルーやブラウンなどといったカラーには、ほとんど鉛やカドミウムが含まれておらず、これらが溶け出す心配はまずありません。
上絵付とよばれる工程で使われる顔料の中では、赤やオレンジ、黄色などの色にはカドミウムが含まれます。
その検証として、直径20cmのプレート全面にオレンジ色の転写絵付を施した食器(上の写真左)を検査しました。
すると食品衛生法の基準値が0.5µg/㎖未満なのに対し、なんと2.5µg/㎖ものカドミウムが検出されたのです。真っ赤な色の場合(上の写真右)は、0.17µg/㎖という結果でした。
これを見る限り鮮やかな色の装飾をする際には、細心の注意が必要であるということが分かります。当然ながら鉛とカドミウムの溶出基準値を超えた陶器は、健康被害を及ぼすリスクがあるといえます。食品をのせる食器としては、とても販売することが出来ません。
鉛・カドミウムが出やすい色でも、印刷範囲が狭ければOK
では印刷の範囲を狭めたらどうなるでしょうか。
次に白い本体にワンポイント「TOUKI」と記載したプレートで再度検査を行いました。
赤いロゴの場合(上の写真右)はカドミウムのみが0.02µg/㎖という結果に。そしてオレンジ(上の写真左)も同じく、カドミウムのみが0.14µg/㎖という結果になりました。
ちなみに食品衛生法で定められている基準値は0.5µg/㎖未満です。いずれもワンポイントのロゴであれば、基準値を超えることはありませんでした。
しかしプレートを使い込めば使い込むほど、鉛やカドミウムが少しずつ溶け出すリスクがあります。小さなロゴの印刷で食品衛生法の溶出基準値を満たしていても、こうしたリスクはゼロではありません。
万が一基準値を越えてしまいそうな時には「フラッキス」を使用
赤やオレンジなどといったカラーは鉛やカドミウムの含有量が高く、食品衛生法の基準値にも触れやすいことが分かりました。
では安全な陶器を作るためには、赤やオレンジは使えないのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
実は赤やオレンジを安全に使用できる方法があります。それは「フラッキス」を利用する、というものです。フラッキスはほぼ100%の成分をガラスが占めている、いわばコーティング剤です。
このフラッキスを製造過程の最後に施すことにより、鉛やカドミウムが溶け出すのを防いでくれます。釉薬から有害物質が検出されないのと同じ原理で、鉛やカドミウムをガラスの中に閉じ込めるのです。
ちなみにガラスの細かい粉のことを「フリット」と呼び、フラッキスはフリットを用いたコーティング剤のことを指します。フラッキスで陶器をコーティングすると、耐酸効果が得られます。酸で溶け出しやすい鉛やカドミウムが溶出するのを抑える効果があるのです。
実際に、このフラッキスの効果を検証しました。
使用したのは先ほどの検証で食品衛生法の基準値を大きく上回った、全面にオレンジの塗料を塗ったプレート。
このお皿にフラッキスを塗り、再度検査にかけました。すると2.5µg/㎖もあったカドミウムの検出量が、0.18µg/㎖まで抑えられたのです。大幅な数値ダウンといえます。
食品衛生法での基準値は0.5µg/㎖未満。つまり基準値内に数値を収めることが出来ました。
また、0.02µg/㎖のカドミウムが検出されていた赤いロゴ入りのプレートにフラッキスを施しました。するとなんと、カドミウムは検出されなかったのです。
これはつまり微量の成分であれば、フラッキスの耐酸効果により0µg/㎖にすることが出来ることを示しています。
このフラッキスを利用すれば、色を制限されることなくオリジナルの陶器を作ることが可能だということが検証できました。
まとめ
陶器の安全性についてご紹介しました。
意外と知られていませんが、陶器の制作には食品衛生法という高い基準が設けられています。ファーストスティングではそれをクリアするだけでなく、より安全で長く使える陶器の制作を目指しています。
例えば今回ご紹介した「フラッキスによる耐酸」という方法で陶器をコーティングすれば、より高い安全性が実現出来るでしょう。
発色の良さも損なわずに安全性にもこだわった、弊社ならではの陶器です。長く、そして安心して使える陶器をご提供させていただきます。
ファーストスティングではご希望があれば、食品衛生法の基準を満たしている旨の、公的な書類の発行も可能です。制作いただく商品で検査を行い、検査結果をご用意させていただきます。
豊富なカラーや形状をご用意しておりますので、様々なこだわりに対応いたします。お気軽にご相談、お問い合わせください。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
【インタビュー】ロースイーツにこだわる自然派カフェがオリジナルマグカップを選んだ理由
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
兵庫県尼崎市。JR立花駅南側近くに佇む「Cafe Holo i Mua(カフェ ホロイ ムア)」。
ハワイ語で「前を向いて歩いていく」という意味のこのお店は、自然食メニューをはじめ、火を使わないロースイーツや、玄米コーヒーなどの珍しいメニューをおしゃれな空間で愉しめるとして人気のカフェです。
1人でお店を切り盛りし、お店の備品などの調達も全て自分自身で見て決めるほどのこだわりを持つ店主の長尾氏。
2019年7月のお店のオープンに合わせて、形状にこだわりつつもロゴ入りのオリジナルマグカップ制作ができるところを探していたそうです。そこで今回、ファーストスティングプレミアでイチからオリジナルでマグカップを依頼いただきました。
既製品ではない自社製造のマグカップの形や耐久性を気に入っていただけ、直接お店へ足を運び、詳しいお話を伺うことができました。
お店やロースイーツをはじめとしたこだわりのメニューのお話をはじめ、オリジナルマグカップを制作した際のお話など盛りだくさんのインタビューをご紹介します。
ロースイーツの人気カフェ「Cafe Holo i Mua」を開店した理由
店舗前には店名の入ったバス停を模した看板兼オブジェがあり、可愛らしい店構えに思わず頬がゆるみます。
ナチュラルかつシンプルな内装でありながら、洗練された雰囲気の明るい店内に店主のこだわりを感じます。
開店したきっかけを教えてください
ー長尾氏
2019年の7月1日に開店したのですが、昔から和テイストというか、そういうカフェ巡りをしていて..。カフェが好きで、おじいちゃんになってからでも良かったのですけど、ずっとそういうお店がしたかったっていうのがありました。
このお店の前に、薬膳カフェで働いていましたが、そこでも低アレルゲンのケーキを作っていたんです。小麦、乳製品、砂糖を使っていない、アレルゲン不使用のケーキなのですが、そこのお店には畳の席があって、小さいお子さんが結構来店してしました。
その中にアレルギーのあるお子さんも沢山いて、そういう子のお母さんにすごく喜んでもらっていたのが印象的でした。みんな「こんなんあるの知らんかった」とか言うので、じゃあそれならもっと知ってもらいたいなと。これがあって、お店を立ち上げたようなものです。
「Cafe Holo i Mua」という店名は、最初から決めていたのでしょうか?
ー長尾氏
最初から決めていたのは、ハワイ語という点ですね。
ハワイ語で調べていたら、おしゃれな言葉が、がーっと出てきて。その中で、語呂が良くてお客さんに聞かれても答えが返せるような、意味のあるものにしようと思って「Holo i Mua(ホロイムア)」にしました。
「前を向いて歩いていく」という意味で、本当にそういうカフェにしたいなと思っていまして、ずっとゆっくりして欲しい、1日中いても出ていけとは言わないようなカフェにしようと思って名付けました。
自然派メニューをはじめ、カフェのこだわりポイント
ロースイーツや自然食のメニューが多く魅力的ですね。ロースイーツとはどんなものなのでしょうか?
ー長尾氏
東京では、メジャーな言葉みたいです。ローフードというのがアメリカにあって、アメリカから東京のほうに来たらしいんですけど、そこが今熱いのかな。ちょっとずつ全国に今流れていっているみたいなんですけど、でもまだ知らん人のほうが圧倒的に多いと思います。
ロースイーツの“ロー(raw)”っていうのは、生のことで、火を使っていないんです。調理工程にまず熱を加えていないのと、それに使う食材、素材にも熱は通していないんです。全部生。
ロースイーツでは乳製品を使わずにどのように甘さや味などを表現しているのですか?
ー長尾氏
絶対入れてるのが、カシューナッツとココナッツオイルです。ココナッツオイルが、普通の油よりも固まりやすいんです。それで形がつくられる。だから、冬になるとそのへんにココナッツオイルを出しておけば絶対固まる。その2種類がベースになります。
甘みは、アガベシロップです。テキーラの原料にもなっているリュウゼツランという蘭から低温で抽出したもので、それもGI値が低いというので有名な、言うたら健康的な甘味料なんです。
下は生のナッツ。それだけ火は通してます。ナッツに火は通してるんですけど、上のアイスがピスタチオのアイスと、ラズベリーとイチゴのアイスです。その上にカシュークリームというカシューナッツとココナッツオイルをミキサーにかけたもの。それを生クリームっぽくしているんですけど。その上にフルーツです。
長尾さんのそばにいたら健康数値が上がりそうですね。
ー長尾氏
健康数値、上がると思います…
オリジナルマグカップ制作を選んだ理由
今回はオリジナルマグカップ制作のご依頼ありがとうございます。ロゴがとても印象的でおしゃれですね。
ー長尾氏
こちらこそ、ありがとうございます。
ロゴ、いいですよね。チラシとかもそうなのですが、前に働いていたところで、学生の子がいて、その子に全部作ってもらっているんです。全然そういう学校にも行っていない、普通の学生です。今もう新卒で就職しましたけど。ここのデザイン担当です。
オリジナルで制作したマグカップ以外の什器、備品はどうやって調達されたのですか?
ー長尾氏
雑貨屋めぐりです。いろんな雑貨屋さんに行きました。とりあえず自分で見たくて。
弊社のオリジナルマグカップを選んでいただいたきっかけを教えて下さい。
ー長尾氏
きっかけは大阪ミナミにあるコーヒーショップのマグカップです。普通に売ってはるんです、カウンターのところで。
マグカップってまっすぐのストーンとした形が多いんですけど、ちょっと上に向かって広がってる。それがすごいおしゃれというか。この形すごいいいなと思って。で、ネットで探したんです。『オリジナルマグカップ』みたいな。そうしたら貴社(ファーストスティング)のサイトで見つけたんです。それでこれやと。
オシャレな形状なのにリーズナブルですよね。ロゴ制作を入れて安価だったので、もっと色々作ってほしいなと思いました。
しかも割れないんです、これ。もう何回落としたことか。全然割れないし、欠けないし、すごい丈夫ですよね。
割れない・欠けないというのは、実店舗で使っていただいている方からのお声としてとても嬉しいです。
ロースイーツにこだわるお店、今後の試みは…
定休日は決められていないんですね。
ー長尾氏
定休日は不定休にしてます。僕が前の仕事で、曜日固定で休みを取ってたんですが、そうなると、行きたいお店が同じ休みの日やったらどんなに行きたいカフェでも、絶対そこに行けないんです。
なので、これからもずっと不定休でいこうかなと思っています。
色んなお客様が来れるようにという配慮でもあるのですね。見たところ女性のお客さんが多いですか?
ー長尾氏
女性が圧倒的に多いです。年配の方も本当に多いです。この前85歳の方にちゃんと階段を昇って来ていただきました。
昔から住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんが多い街で、だから喫茶店もすごい多いです。純喫茶みたいな。それで、お店を決めるときに不動産屋さんにもすごい難しいって言われました。「カフェじゃないよ、立花は。」って。でも言われると面白いですよね。じゃあやってみようよとなりました。
これからの3年後、5年後、どんな試みを考えていますか?
ー長尾氏
3年後、5年後は、たぶんロースイーツで何か絶対出していると思います。
あともう1つ。このお店とは別に、ロースイーツとドリンクだけくらいのお店を出していると思います。
言うたらそっちがメインなので、そっちでどんどんいきたいですね。いずれは、全国のアレルギー持ちのお子さんに届けられるロースイーツケーキの移動販売なんかもしたいです。
あとは、地元が塚口なので、塚口やミナミのほうにもお店を出してみたいですね。
ロングインタビューありがとうございました。
インタビューを終えて まとめ
今回制作されたオリジナルマグカップ、シンプルなマグカップに淹れられた穀物コーヒーと玄米コーヒーの良い香りが漂います。ラテアート映えも抜群。
肉厚なアメリカンクラシック風の形状に、お店のロゴをプリント。おしゃれなお店の内装と自然派メニューによく似合う、ナチュラルでありながらも洗練されたデザインに仕上がりました。
人気のホロイムア定食はヘルシー思考の女性のみならず、栄養が偏りがちな男性にもおすすめしたい美味しさ。
ロースイーツも試食させていただけることに。美味しさはもちろん、乳製品などを使っていないにも関わらず、芳醇な甘さに驚きです。
アレルギーなどで食べられない・飲めない人でも色んな食事や飲み物を楽しんで欲しいという想いの下に、日々奮闘する長尾さん。そんなこだわりのお店のマグカップ制作に協力することができて、本当に嬉しく思いました。
今回ご紹介した「Cafe Holo i Mua」さんのロゴ入りマグカップをはじめ、オリジナルのマグカップ制作ついて何でもお気軽にご相談ください。デザイン・サイズ・カラーなど、完全オリジナルの食器を作ることが可能です。また、好きな場所にロゴを入れたり、イメージカラーに合わせてオリジナルのカラーリングをしたり、エンボス調のプリントをしたりなど、既製品にはできないこだわりの陶器制作ができます。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作るオリジナルの食器は、きっとこだわりのお店づくりに必要なアイテムです。
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【インタビュー】世界中のコーヒー豆を自家焙煎する本格派ロースタリーカフェが、オリジナルマグカップを選んだ理由
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大阪市に3店舗を展開する「SANWA COFFEE WORKS (サンワコーヒーワークス)」 。
豆の仕入れから焙煎まで全て自分たちで行い、こだわりのコーヒーを提供する人気のコーヒー専門店です。
大阪の下町情緒溢れる池田町に佇むSANWA COFFEE WORKS本店では、常連さんにゆっくりとコーヒーを愉しんでもらいたいという想いで、市販されている通常のマグカップよりも大きいサイズのものを用意したいと考えていたそうです。
2019年10月の本店のリニューアルオープンに合わせて、マグカップやカップ&ソーサーをファーストスティングでオリジナル制作していただきました。
そこで今回、こだわりのオリジナルマグカップ制作についてお話を伺えることになり、いざ大阪へ。
インタビューに応じていただいたオーナーの西川隆士さんは、2019年ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップで4位に輝いた腕前の持ち主。大会のことなども交え、コーヒー愛いっぱいの話を聞くことができました。
本店をリニューアルオープンしたきっかけ
リニューアルオープンをしようと決めたのは、いつですか?
ー西川氏
ここの建物は大家さんが別に持っている建物なので、改装自体は大家さんが建替えというのを決めはったんですけど、僕らがここを入居するタイミングのときに、「いずれ建て替える可能性があります。」ということは言われてて「5年後くらいですかね。」と言われていたんです。
それが実は7年前くらいなんですけど。リニューアルというのはそのときから意識してましたね。
リニューアルの決断をしたときの心境はどのような想いでしたか?
ー西川氏
5年後の建替えのタイミングで、僕たちも少しずつ力をつけてじゃないですけど、建替えのタイミングで大きくさせていただきたいなという気持ちはその時からずっとありまして、大家さんから声をかけていただいたので、そのタイミングで、頑張ってみようと思いました。
今回建替えのお話をいただいて、せっかくなので大家さんに「一棟貸してください。」と言って。全部上も下もお借りして、丸ごと SANWA COFFEE WORKSとしてやらせていただきたいとお伝えしました。
リニューアルオープンするこの新しいお店で、ここだけはこだわりたいとか、アピールしたい点などはありましたか?
ー西川氏
全てこだわったんですが「特にここ!」と言うなら焙煎室ですね。
僕らはコーヒーショップで、その中でも自家焙煎という、コーヒー豆を海外から買ってきて、たくさんの種類を扱っているお店なので、職人気質とまではいかないまでも、押し付けがましくしない程度に焙煎機が使われるようなお店づくりはしたいなと思っていました。
そのために、店舗の外から見たときに「上に焙煎室があるな」ってわかるように、焙煎機をはじめとした機械が外から見えるようにしました。
豆を焼いているときは上でロースターをいじったりしているのがちょっと見えたりするんですけど、そういうのが見えるような店づくりにしたいなというのは思っていました。
ロースターの大会とは
ちょうど焙煎のお話しが出ましたが、ロースターの大会で4位入賞、おめでとうございます。ロースターの大会というのは、どう開催されて、どういうステップで進んでいくのでしょうか?
ー西川氏
ややこしいんですけど、まず全国の予選みたいなのがありまして。
その出場の条件を満たすのが、焙煎の業務歴というのが2年以上であったり、ちゃんとした大きな焙煎機を使っているというのが条件やったりするんです。
国内予選みたいなのがあって、全国から集まった焙煎士の方々全員に同じ豆が配られるんです。同じ焙煎機を使って、誰がおいしく焼けるかというので。その予選の上位6名が決勝に進出できるんですけど、それに僕を選んでいただいたという。
その次に、全国大会で、2泊3日というちょっと長い大会になるんですけど、渡された豆の品評から、本番で使う焙煎機の特徴をその日に掴んだりして、焙煎計画を立てて、その日に焼くという感じです。
そして、その翌日に順位が決まります。
オリジナルマグカップの制作秘話
弊社でオリジナルマグカップを制作していただいてありがとうございます。
ー西川氏
いえいえ、イチからこういうロゴ入りマグカップをつくれるというのは僕らもありがたいことです。
今回のようにオリジナルマグカップを作る前までの食器選びはどのようにされていましたか?
ー西川氏
ロゴを入れないときは既製の商品の中で、自分たちの使いやすいものであったりとかですね。
海外メーカーさんとかでも有名なものがたくさんありますので、そういうところから選ばせてもらったり、使いやすさであったり。
僕らはコーヒーショップなので、有名なものとかをメインに使ってみたいなというのはありました。
弊社のマグカップは、この本店のリニューアルの前にLUCUA1100店で最初に使っていただきました。その際には、どのような決め手があったのでしょうか?
ー西川氏
そうですね。今までの本店は(改装前)こじんまりしたお店だったので、 LUCUA1100店の店長と打ち合わせしていた当初は、せっかくLUCUAさんで出すなら、いろいろな器を使ってみたいなというのもありました。
色々な器を置いて、「これは海外のカップなんですよ。」なんて紹介したりできるのもありかなと思ったんですけど、せっかくLUCUAさんに出店させていただくので、やっぱりロゴが入っていて、お店のイメージをしっかり伝えていきたいなというところで、オリジナルの食器作りを検討することにしたんです。
そこで、色々とオリジナルマグカップを作ってくれる会社を調べていて、貴社のサイトを見つけてお願いすることに決めました。作れる形も様々あったりとこだわって作れそうだったので、せっかくやったらここにお願いしようとお願いしました。
マグカップ作りまでこだわるコーヒーショップ、今後の展開は・・・
SANWA COFFEE WORKSさんは、今後どんなお店を目指していますか?
ー西川氏
僕は3代目になるんですが、初代である僕のおじいちゃんが始めた天満市場店があって。その小さいお店が元々の発祥というか…。そのお店が、1959年スタートなので、今年で創業60年になるんです。(*取材時2019年)
そこが、本当に地元に根付いたお店になっていて、50年来てくれてはるお客さんもいるんですね。
その方々が、こっちのリニューアルオープンの時にも来ていただいたんですけど、ほんまに長く天満に根付いているお店なので、そういう地域に根付いたコーヒーショップを、少しずつでも、自分らの力がある限り増やせたらと思っています。今回梅田に出させていただいたりとか、次またお声がけいただいている場所もあったりするので。
働くスタッフさんへのインタビュー
働いたきっかけをお聞かせください。
ー女性スタッフ
コーヒーの美味しさに目覚め、募集が締め切られた求人を諦め切れず、直接店舗へ足を運び「ここで働きたいです」とオーナーに直談判しました。情熱と努力で未経験でしたが、ラテアートも身につけ、コーヒーとお店への愛に溢れた日々を過ごしています。
今では本店の近くに住み、子育てに奮闘しながらもカフェのスタッフとして馴染んでいますが、2年前までは実は紅茶派でした…。
皆さんロングインタビューお時間いただきありがとうございました。
まとめ、インタビューを終えて
取材中も店内には焙煎直後の香ばしい豆の香りが漂っていて、心がほっと安らぐ素敵な空間でした。
こだわりのコーヒーと、オリジナルのマグカップ。コーヒーに情熱を注ぐオーナー・スタッフが提供する極上の一杯で、癒しのひとときを過ごすことができるでしょう。我々も、夢に向かう飲食店の食器制作に寄り添い、ものづくりに貢献していきたいと改めて想うことができました。
市販にはない大きさのオリジナルマグカップを制作、こだわりの食器選びについて
LUCUA1100に新規出店した際に、ファースト・スティングのアメリカンマグカップでイチからオリジナルのマグカップを制作したSANWA COFFEE WORKS。
制作時にも何度も打ち合わせを重ね、食器への並々ならぬこだわりを見せていました。
ちなみに、制作したアメリカンマグカップはカフェからいただく注文では一番人気の形状です。
今回の本店リニューアルでは、このアメリカンマグカップよりさらに大きなサイズのマグカップを用意したいと西川さんは考えていたそうです。本店では常連の方がゆっくりとくつろぐことが多く『大きなサイズのマグカップ』という点を、こだわりたいポイントの1つとしていました。
このような大きなサイズはファースト・スティング・プレミアが手がける数々のマグカップにもない大きさで、イチから型を作り制作しています。
通常よりも大きいサイズながらも、LUCUA1100店で使っていたオリジナルマグカップのシルエットを崩すことなく、SANWA COFFEE WORKSのマグカップというイメージをそのまま引き継いだ今回のデザイン。
もちろん、本体カラーも従来のサイズのものと全く同じ仕様で、一貫したコンセプトを演出することができました。
今回のようにこだわりぬいて完成したマグカップ。弊社ではデザイン・サイズ・カラーなど、完全オリジナルのマグカップ制作が可能です。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作るオリジナルの食器は、きっとこだわりのお店づくりに貢献できると思います。お気軽にご相談、お問い合わせください。
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【本物のマグカップの作り方 ステップ4】絵付するための転写紙の制作
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転写紙について
ここでは絵付するための転写紙ができるまでをご紹介します!
データ化するためのDTP作業
お客さまからいただいたデータを、転写印刷用に編集します。
この工程で実際の絵付(印刷)がやりやすくなるようにデータを加工していきます。
シルクを製版します
乳剤を塗ります。これは後の工程のために必須の作業です。
乳剤を塗った後の版を乾燥させます。
露光して版を焼きます。
この工程を挟むことで乳剤が硬化し、版の部分だけ乳剤が固まらずインクが通るようになります。
完成した版を洗浄。これで版の準備は完了です。
インクの調合
色を再現するために様々なインクを調合します。
保管されたデータの元、すべて人の手で細やかな調合がなされています。
刷り工程
試し刷りを繰り返し、色の確認や印刷された図面の校正を行います。
ズレを防ぐためにも大事な工程です。
機械刷り
校正を重ねていよいよ本刷りへ。大量の転写紙が刷り上がります。
多色の場合は、色の数分だけこの工程を繰り返します。
手刷り
熟練の職人が一枚一枚手ですることも。機械刷りと同じような高品質な仕上りです。
完成
印刷が完了した転写紙。
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【本物のマグカップの作り方 ステップ3】釉薬を塗る
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乾燥したカップに施釉(釉薬を塗る)
まずは下準備で口元に撥水線を引きます。
今回は内側と外側で違う色のマグカップを成型するため、この工程が必須になります。
内側と外側でマグカップの色が異なる場合、まず内側部分に施釉を行います。
噴射ノズルから噴射された釉薬を、職人技で均等になるように塗り広げます。
内側に釉薬が塗られた状態のもの。ほんのり内側が色づきます。
外側の施釉は表面張力を利用し、ギリギリのラインまでマグカップに釉薬をつけます。
内側に釉薬が入り込まないよう、繊細な力加減が必要な工程です。
施釉完了。あとは焼き上げるのみ。
釉薬について
マグカップを色づける釉薬。
one hundred の100色も、この調合を経て完成しています。
いよいよ最終工程の窯焼きに入ります。窯の中の温度は約1250℃。
高温の窯の中を、1日弱という長い時間をかけて進んでいきます。
出来上がったマグカップ。たくさんの工程を経て、形となります。
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【本物のマグカップの作り方 ステップ2】成形工程、加工
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成形工程、加工
ここではマグカップが実際に成形され、形になるまでを紹介します。
土練機を用いて真空化・土を加工しやすく
「土」のコラムで紹介した完成形の土を使います。
マグカップの原型のかけらもないですが、ここからどんどん形になっていきます。
土練機に土を投入し、真空状態にします。
土練機とは、ステンレス製のドリルのようなスクリューと呼ばれる刃で土を練り上げながら、同時にポンプで土の中に含まれる空気を抜き取り、全く空気の含まれない、真空状態の土をところてんのように押し出す機械です。
土に空気を含んだ状態で焼き上げてしまうと「ヒビ」や「ワレ」等の不良が発生してしまいます。それを防ぐための工程です。
高品質のマグカップを届けるための大事な工程なのです。
真空化された土は棒状に加工されます。
真空化直後の土は熱を含んでいるため触れると温かく、また指で押すと凹みが出るほどの柔らかさを持っています。
真空化された土をコテを使い成形していきます(動力成形)
真空化された棒状の土は、成形機に運ばれ、必要な分だけカットします。
この分量は機械で正確に量られています。
カットされた土は石膏で出来た型の中にセットされます。
ここに金属製の棒のような形をしたコテと呼ばれるものが入ることで、実際のマグカップの形になります。
土がセットされた状態。コテが入るのを待っています。
コテが型の中に入るところです。
実はこのコテは高速回転しながら中にセットされた土を押し込んでいます。
このコテが押し込まれることにより、マグカップの元の形が完成します。
陶芸でいう「ろくろ」を、機械が高速で行っているようなものです。
機械で成形された直後のマグカップ。
型から取り出して、さらに後の工程へと続きます。
成形方法にも様々な方法がある
今回マグカップを成形していた方法は「動力成形」といいます。
これは石膏で作られた型に土を入れ、その土に回転したコテを当て成形していく方法です。
マグカップや茶碗など、真円の形状の陶器を作る時はこちらの成形方法が主です。
他にも成形方法があります。こちらでは他の成形方法についてご紹介します。
鋳込み成形
土を石膏の型に流し込んで成形する方法。
この成形方法にはさらに2つの方法に分けられます。
圧力鋳込み
石膏の型に高圧力で水分を多く含んだ泥状の土を注入し成形する方法です。
石膏が泥状の土に含まれる水分を吸収し、水分が抜けた土で形が崩れることなくしっかり成形されます。
石膏の型に土を注入するという製法上、動力成形では成形できない様々な形の陶器をつくることが可能です。
すなわち真円の形状しか成形できない動力成形に比べ、圧力鋳込みは楕円、四角、その他不規則な形状を成形することができます。
ガバ鋳込み
石膏の型の中に泥状の土を流し込み、一定時間放置することで石膏型に土の中の水分が吸われ土が固まることで成形する方法です。
石膏の型の中には圧力鋳込みで使うものよりもっと多くの水分を含んだ泥状の土を注入し、一定時間放置します。
その間に石膏の型に面した部分から水分が石膏の中に吸収され、泥が土のように緩やかに固まり始めます。
その後、型をひっくり返し中の泥土をはき出すことによって、型部分には固まった土だけが残り、中に空洞ができた陶器が成形されます。
ティーポットや壺などはこの成形方法で成形されます。
型の成形
成形に使われる石膏の型も、実は職人の素晴らしい技術によって作られています。
動力成形や圧力鋳込み、ガバ鋳込みで使用されている石膏の型は使用型と呼ばれ、実は消耗品です。
一定数量を成形すると使用型は摩耗し使用できなくなるため、また新しい使用型に取り替えることになります。
その際も職人が一つひとつ手間暇をかけて、以前と同じ型を作成しています。
成形に使われる石膏の型も、実は職人の素晴らしい技術によって作られています。
成形されたカップにハンドルを取り付け
型から取り出されたマグカップはそのままだと角が立っている状態です。
そのため、口元が滑らかになるようスポンジで磨きます。
磨かれたマグカップはハンドルを付ける工程のために、表面に水を噴射して濡らします。
こうすることでハンドルがマグカップ本体に接着しやすくなります。
濡らしたマグカップにハンドルを付けます。
ハンドルを付ける作業はすべて手作業で行われています。
本体とハンドルを接着する際は「ぬた」と呼ばれる水で溶いた土を使います。
「ぬた」が接着剤の役割を果たしています。
ハンドルは最初からくっついている訳ではない
完成品のマグカップにはハンドルがついています。
実はこれはマグカップの成形の途中で、くっつけられているものです。
このハンドルにも、出来るまでにはたくさんの工程があります。
マグカップが完成するまでに必要な様々なパーツそれぞれに、職人の素晴らしい技術が詰まっています。
ハンドル成形
ハンドルを成形する様子。
こちらの成形も「圧力鋳込み」で行われており、石膏の型に高圧力で土を流し成形されています。
成形されたハンドルは、それぞれのマグカップにしっかり接着するよう、その形に合わせ接地面を磨き隙間ができないように仕上げます。
ハンドル型成形
ハンドルの型も先に述べたとおり消耗品のため、使い切った使用型はまた新しい使用型に取り替えます。
この使用型を成形する型をケースと呼んでいます。
ケースとは型を作る型なのです。
この白い部分が使用型、淡いグリーンの部分がケースです。
ハンドルが取り付けられたマグカップは「素焼き(すやき)」を行い、中に含まれていた水分を焼き飛ばします。
素焼き完了後のマグカップ。
この時点ではもう指で押してもびくともしないくらい固まっています。
一見すると完成したマグカップと同じ形をしているのですが、この後釉薬をかけ本焼成することによって実際のマグカップになっていきます。
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【本物のマグカップの作り方 ステップ1】原料となる土の紹介
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原料となる土の紹介
ここではマグカップの原料となる「土」についてご紹介します。
採掘場。見渡す限りの山です。
採掘された土(藻珪)。一見するとただの砂利にしか見えません。
採掘場から様々な天然資源
土を作るために必要な藻珪石、石同士を細かく粉砕する為の石、粘土、リサイクル用の土など…、どれもが石ころにしか見えませんが、すべてマグカップ制作には必要なものです。
藻珪石。まるでグラウンドの土を彷彿とさせます。
土の調合
トロンミルにて、土を混ぜ合わせて調合します。
調合の分量はその日ごとに細かく調整しています。
混ぜ合わされたものを撹拌し、さらに調合します。
調合した土を寝かせます。調合にもたくさんの手間がかかっています。
土の中に含まれる金属成分を除去します。
細かな作業が良いものを作るために大事なものです。
濾過・脱水・仕上げ工程
寝かせた土をプレス機で脱水します。
ポンプによって流し込まれた土を、強い圧力をかけることで脱水しています。
脱水が完了したら、一枚ずつ取り出していきます。これでほぼ完成です。
機械作業ながら繊細な動きです。
取り出された土を乾燥させて完成です。
これがマグカップの元になる土になっているのです。
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【本物のマグカップの作り方】オリジナルマグカップ完成までの制作フロー
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オリジナルプリントではなくオリジナル制作
他では作れないこだわり陶器を多数制作しているFIRST STING Premier。
ここで制作されている個性豊かなマグカップ、プレート、カップ&ソーサー、ドリッパー、ボウル、ガラス製品の元々の原料は砂利のような石から出来ています。
FIRST STING Premierでは、みなさまオリジナルのこだわりに応えるため、原料の土や釉薬(うわぐすり) をはじめ、材料を一から揃え制作しています。
ここでは、オリジナルマグカップができるまでの制作工程を一挙にご紹介します。
マグカップの原料となる土、藻珪。
この土の他に石同士を細かく粉砕する為の石、粘土、リサイクル用の土を的確な分量で混ぜ合わせて、初めてマグカップの元になる土ができます。
一見するとただの砂利にしか見えませんが、日本国内の採掘場から発掘される立派な材料です。
FIRST STING Premierが国産、日本製にこだわるのは原料の土からなのです。
機械で成型されたばかりのマグカップは口元の角が立っている状態です。
誰が使っても問題のない安全なマグカップにするため、水を含んだスポンジで磨き口元をなめらかにします。
何気なく口が触れる飲み口、口触りにも徹底的にこだわります。これもFIRST STING Premierが大事にする工程の一つです。
焼き上がったマグカップが窯から出てきている瞬間です。奥に見える炎はなんと約1250℃にもなります。
高温で焼き締めてこそ、品質の高いマグカップが完成します。
絵付(印刷)用の転写紙も、1色ごとそれぞれ印刷してはじめて完成するので丁寧に手間のかかる作業です。
転写紙に使われる絵の具は無機顔料を原料としており、耐久性に優れた印刷を可能にしています。
無機顔料が何十年にもわたって劣化することのない、陶器業界に伝わる伝統の絵付を支えています。
絵付(印刷)はすべて、職人が手作業で行っています。
自動化・デジタル化が叫ばれる昨今ですが、陶磁器の絵付は熟練の職人の技術によって一つ一つ丁寧に行われています。
FIRST STING Premierの独自技術で色々な曲面やカップの内側など自由自在な箇所への絵付ができます。
熟練職人の、卓越した技術によって支えられているのです。
他にもたくさんの工程があります。
その一つ一つが、ハイクオリティでオリジナリティあふれた陶器を作るために必要なものです。
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