OEM陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
陶器への印刷方法は、大きくは「上絵付」と「下絵付」の2種類に分けられます。
「転写絵付」をはじめとする「上絵付」、「撥水絵付」「銅版絵付」をはじめとする「下絵付」は、それぞれ異なった風合いに仕上がる特徴があります。
本記事ではそんな二つの絵付方法の違い、二つの絵付方法でできることを詳しく解説していきます。
こだわったオリジナル陶器を作りたい方はぜひご参考にしてください。
陶磁器業界に伝わる「上絵付」「下絵付」
それぞれの絵付方法の違い
陶器の印刷方法は大きく分けて「上絵付」と「下絵付」の2種類があります。
釉薬(ゆうやく・うわぐすり)をかける前の素焼きに印刷を施し、その後釉をかけ本焼きするのが「下絵付」です。
対して「上絵付」は素焼きに釉薬をかけ、本焼きを行った後の陶磁器に印刷を施す方法です。
印刷を施し、施釉(釉薬かけ)を行うタイミングの違いで、実際の印刷後の仕上がりは大きく異なってきます。
「下絵付」とは
先ほどご紹介した通り、「下絵付」は素焼きに釉薬をかける前に印刷を施す手法です。
印刷を施した後に施釉(釉薬かけ)を行い、本焼成を行います。
そのため、印刷の上に釉薬が乗りコーティングされたような仕上がりになり、印刷がはがれにくいという特徴があります。
下絵付で代表的な手法は「撥水絵付」「銅版絵付」です。
撥水絵付は「エンボスデザイン」とも呼ばれる手法で、印刷を施した柄・デザインがくぼんだような仕上がりになる手法です。
呉須とよばれる撥水性のある絵の具で素焼きに印刷を施し、その後水性の釉薬をかけることで、印刷を施した部分のみ釉薬をはじき凹凸感が表現されます。
銅板絵付は銅版紙と呼ばれる和紙のようなものにまずは絵柄を印刷し、その銅版紙を湿らせ、絵柄を素焼きに貼り付けるような形で絵付を施します。その後、施釉を行い本焼成を行う手法です。
銅版絵付では、上絵付では通常印刷が難しい曲面やハンドル(取っ手)部分にも印刷を施すことができ、総柄の陶器も作成することができるという特徴があります。
「上絵付」とは
「上絵付」は素焼きに釉薬をかけ、本焼成を行った後に印刷を施す手法です。
施釉後の陶磁器は表面がなめらかになっており、その上に印刷を施す上絵付は細かい柄の再現度が下絵に比べて高いのが特徴です。
また、本焼成は約1,200℃の温度で焼き上げるのに対し、上絵付後の焼き上げに用いる絵付窯の温度は約800℃と温度が下がります。
そのため、発色性も高く、様々な絵の具を使用できるという特徴もあります。
上絵付で代表的な手法は「転写絵付」です。
転写紙と呼ばれるシルクスクリーンで刷られた紙を用いて職人が絵付を施し、その後約800℃の温度で焼き付ける手法です。
マグカップの側面のみではなく、内側部分や内底部分などにも印刷を施すことができ、オリジナリティあふれる陶器を作ることが可能です。
それぞれの絵付方法で出来ること
このように、上絵付・下絵付にはそれぞれの特徴があり、使う手法によって仕上がりも大きく異なってきます。
ではどのようなデザインにそれぞれの手法は適しているのでしょうか。
ここからはそれぞれの印刷手法で表現できるものについてご紹介します。
下絵付の手法に適したもの
先にご紹介した通り、下絵付は施釉(釉薬かけ)の前に印刷を施す手法です。
そのため、釉薬部分がコーティングになる反面、印刷がガラス質の層の下に施されることになるため、本体に色付けを行う場合は印刷した絵柄がそもそも見えなくなってしまいます。
また、透明な釉薬を施した場合でも、ガラスの層を通して絵柄を見せることになるため、絵柄全体が少し水に溶けたような仕上がりになります。
そのためエッジのきいた表現をしたい時には適さない手法です。
ただし、下絵付は全体的に淡く、暖かい風合いの仕上がりになるため、例えば水彩画のような淡い表現をしたい時には適しています。
ガラスの層を通すからこその、陶器らしい個性的な味わいを表現したい時にはオススメの手法です。
また、下絵付の一種である銅版絵付は、転写絵付のように多色印刷も可能です。
多色の銅版紙を使用し印刷を施すことで、色とりどりのオリジナル陶器が作成可能です。
上絵付の手法に適したもの
対して、本焼成後に印刷を施す上絵付はどのようなデザインに適しているのでしょうか。
上絵付は施釉後の陶器に印刷を施すため、なめらかな側面に印刷を施すことが可能です。
加えて、印刷そのものはガラスの層の上に印刷を施すことになるため、下絵付に比べてパキっとした、シャープな絵柄を再現することが得意です。
そのため、線の細かいデザインや、絵柄をはっきりと出したいデザインには適した手法です。
また、釉薬の上に印刷を施すため、釉薬に絵柄が消されてしまうこともなく、印刷したいデザインを再現することが可能です。
陶器本体の色を問わず印刷を施すことができるので、黒いマグカップに印刷を施したり赤いプレートに印刷を施したり等、他にはないオリジナル陶器を作成することができます。
まとめ
今回は陶磁器業界に伝わる上絵付・下絵付の手法について解説しました。
絵付方法の違いだけでも、こだわりぬいた様々なオリジナル陶器を作ることが可能です。
他にはないオリジナル陶器を作成したいお客さまは、ぜひ弊社までお聞かせください。
お好きな形の陶器に、自分だけのオリジナルデザイン。カラーも印刷手法も豊富に展開しておりますので、お客さまの思い描く陶器の制作をお手伝いいたします。
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陶器への印刷方法は、大きく分けて「上絵付」と「下絵付」の2種類があります。
ファースト・スティングではとくに、上絵付の一種である「転写絵付」を得意としております。
転写絵付は印刷にほぼ個体差を発生させず、大量生産できる印刷手法です。
本記事ではそんな転写絵付について、詳しく解説していきます。
記念品や店舗備品としてオリジナルマグカップやプレートのご発注をお考えの方は、ぜひご参考にしてください。
陶器への印刷方法について
陶器への印刷方法は主に2種類
陶器への印刷方法は、大きく分けて「上絵付」と「下絵付」の2種類があります。
上絵付と下絵付の違いは、絵付(印刷)を施すタイミングです。
陶器には、表面を覆う「釉薬(ゆうやく・うわぐすり)」をかけ、約1,200度の窯で焼き上げる「本焼き」という工程があります。
この工程の後に絵付するか、前に絵付するかが、上絵付と下絵付の違いです。
それぞれ、以下のような特徴を持っています。
印刷方法 | 工程 | 特徴 |
上絵付 | 施釉(釉薬がけ)・本焼きの後に絵付をする |
|
下絵付 | 施釉(釉薬がけ)・本焼きの前に絵付をする |
|
このように上絵付はデザインの再現性に優れた手法といえます。
マグカップやプレートへの印刷は可能?
絵付の技術を用いれば、マグカップやプレートはもちろん、さまざまな陶器への印刷が可能です。
私たちが日用品店や雑貨屋でよく見るマグカップや食器にも、絵付が用いられています。
なお昔は、職人の方が陶器一つひとつに対して筆を使い、手作業で絵付する方法が主流でした。
現在でも、手作業で絵付されている陶器はあります。
しかし高度経済成長期の頃から、同じ製品の大量生産が求められる場面が増えてきました。
こうした場面において、手作業での絵付は仕上がりに個体差も出やすく非効率なため、そこで登場したのが「転写絵付」という印刷手法です。
ここからは転写絵付について、詳しく見ていきましょう。
陶磁器業界に伝わる「転写絵付」とは
転写絵付とは、「転写紙」に印刷をしてその転写紙を本焼き後の陶器に貼り付ける印刷手法です。
一から筆で絵付するのではなく、印刷に用いる版を作りその版で転写紙を作成し、その転写紙を用い職人が絵付します。
これにより、個体差のほぼない陶器を、大量かつスピーディーに制作できるのです。
転写絵付の工程をまとめると、以下のとおりです。
1.無地のマグカップ(陶器)を焼き上げる
2.柄に対応した版を作成する
3.②の版を用い、色ごとに転写紙に柄を刷る(シルク印刷という手法)
4.無地のマグカップ(陶器)に、③の転写紙を貼り付ける
5.約800℃の絵付窯を通し、転写紙の柄をマグカップ(陶器)に焼き付ける
6.完成!
絵付のあとに約800℃での焼き上げを行うため、転写紙の絵具は表面の釉薬に馴染み、印刷がすぐに取れてしまうといったこともありません。
転写紙を使った転写絵付の仕組み
ここでは転写紙を使った絵付の仕組みについて見ていきましょう。
転写紙は、孔版印刷の一種である「シルクスクリーン」という方法で刷られているのが一般的。
まず転写紙に印刷された絵柄を、はさみで切り分けます。
次に、切り分けた転写紙を水またはぬるま湯に浸します。
すると転写紙の糊が溶け、台紙から剥がれます。
剥がれた転写紙を、シワにならないようマグカップやお皿などに貼り付けます。
こうして職人が手作業で絵付したマグカップやお皿を、絵付窯に入れて約800℃の高温で絵柄を焼き付けます。
すると貼り合わせた位置に絵柄が密着し、印刷が施されたマグカップやお皿が完成します。
印刷面は平らに仕上がり、発色性が良くさまざまな色の表現が可能です。
転写絵付でできること
転写絵付を用いると、個体差のほぼない陶器が大量に生産できます。
熟練した職人であれば、1日数百個という数の陶器に絵付できます。
1日500個、5日2,500個、10日で5,000個といったペースで作業することも少なくありません。
1万個以上の発注をいただいた場合は、複数の職人で作業にあたることが一般的です。
また転写絵付は、平面はもちろん、カーブのかかった曲面にも印刷可能です。
転写紙のシートは、温度によって伸び縮みする性質を持っています。
そのため曲面に印刷する際は、台紙から剥がす際にお湯につけたり、陶器本体をあたためたりして、シワなく貼り付けられるよう調整します。
大きな印刷を曲面に施す場合、転写紙のシートを分割して貼ることもあります。
このように、職人の工夫と技術によって、精度の高い転写絵付が実現しているのです。
マグカップの側面への印刷
転写絵付は、マグカップの側面への印刷に適しています。
基本的にセロテープをしわが寄らないような形で貼れるような面には、問題なく印刷が可能です。
底がすぼまっているような丸みのあるマグカップでも、転写紙の伸縮や分割での貼り付けといった方法を駆使してキレイに印刷できます。
よりオリジナリティを出したい場合、転写絵付ならマグカップの持ち手(ハンドル)への印刷も可能です。
カップの内側や内底にも印刷可能
転写絵付を用いれば、器の内側や内側の底面にも印刷が可能です。
このように少し変わった場所へ印刷すれば、以下のとおりオリジナリティあふれるデザインが実現可能です。
マグカップの内側の飲み口を一周するようなライン
飲み物を飲み進めると見える内側の模様
底面のワンポイントロゴ など
たとえばラーメンどんぶりの雷紋のように、個性的な模様を内側に印刷することもできます。
外側以外にも印刷できれば、デザインの幅が広がりますね。
プレートやグラスにも同じ技術で印刷
転写絵付を活用すれば、マグカップだけでなく以下のような陶器にも印刷が可能です。
プレート
深皿
グラス
小鉢
どんぶり など
このように幅広い陶器に対して印刷できるため、アイデア次第ではおしゃれで個性的なオリジナルアイテムの作成も可能です。
まとめ
転写絵付の特徴やメリットについて解説しました。
転写絵付を用いれば、幅広い色やデザインの中から数千個単位のご発注も可能です。
高い品質と製造効率の高さを兼ね備えた転写絵付による印刷は、さまざまなお客さまのご要望を叶えるのに適した手法です。
ぜひご希望の色や形、デザインなどをファースト・スティングでお聞かせください。
お客さまの思い描く陶器の制作をお手伝いいたします。
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この度ファースト・スティングは凸凹さんこと、イラストレーター「オノダエミ」さんの「ひま太郎」のグッズ制作でコラボさせていただきました。
「ひまのかたまり ひま太郎 ©凸凹オノダエミ」https://lit.link/decobocolink
今回グッズ化した「ひま太郎」は、「ひまたん」という愛称で親しまれる黒いクマのキャラクター……と見せかけて、実はセーターの毛玉なんです。
食いしん坊な羊の毛からできたセーターの毛玉生まれの子「ひま太郎」と仲間達は、「今日もひまつぶしにおおいそがし」と、つい「私も仲間に入れてよ」と話しかけたくなる”ひまつぶしエンターテインメント”を届けるキャラクターです。
そんなコンセプトの元、ポップなタッチと温かい色合いで描かれるひまたんのイラストはとても可愛らしく、マグカップにもピッタリ。
手に取る人が思わずほっこりするようなマグカップを目指し、ファースト・スティングではさまざまな色の組み合わせや印刷方法に挑戦しました。
そこで本記事では、弊社が実験した「カラフルなデザインが映える印刷方法」についてお話していきたいと思います。
カラフルなマグカップに印刷をする方法
お客さまからご依頼いただく柄は、さまざまな色があります。
「赤いロゴを入れたい」「オレンジで花柄を付けたい」など、ご要望はさまざまです。
一方、マグカップ本体にもさまざまな地の色があります。
たとえば色画用紙に色を塗ることを想像すると、画用紙の色によって柄の発色が影響を受けることが想像できると思います。
実は陶器でも、同じ現象が起きるのです。
まずは、地の色に影響されず、カラフルなイラストをきれいに印刷する方法をご紹介します。
どんな色のマグカップにもカラフルな印刷はできる?
どのような色のマグカップにも、カラフルな印刷をすること自体は可能です。
ただし本体の色によっては、柄の発色に影響することがあります。
たとえばピンク色のマグカップに青で印刷した場合、柄はやや紫っぽくなります。
黒地のマグカップに白で印刷すると、若干グレーがかったような色になってしまうでしょう。
つまり色の組み合わせによっては、「柄が地の色に食われる」現象が起きてしまうのです。
印刷に使える色は?
「では柄やマグカップの色によって、組み合わせられる色は限られてしまうの?」
そう思う方もいるでしょう。
しかし、答えはNOです。
色の組み合わせに応じて印刷方法を工夫することで、どのような柄もくっきりと発色させることができます。
たとえばピンクのマグカップに青色で印刷するとしましょう。
この場合、柄とマグカップの間に「下白」という白い版を重ねます。
この作業でマグカップ本体の色を遮断し、色の影響を最小限に抑えます。
つまりピンクではなく白の上に柄が乗ることとなり、本体の色の影響を受けずにきれいな発色を実現できるのです。
こうした一工夫で、ご希望のデザインや色合いを再現をしていくことが可能になります。
デザインはきちんと再現される?
デザインをきれいに再現するためには必ず下白を使えば良いのかというと、そうとも限りません。
実は色の組み合わせによっては、下白を引かない方が良いケースもあるのです。
具体的には、薄い色のマグカップに濃い色を印刷したい場合です。
通常、下白を用いて制作する場合は版のズレを考慮し、下白の版と印刷したい柄のサイズに0.1~0.2mmの差を作ります。
柄と下白の版がズレてしまった時に、絵柄が正しく再現されなくなってしまうことを避けるためです。
この差は、濃い色のマグカップに薄い色を印刷した場合は、下白からはみ出した部分がマグカップ本体の色に食われて見えなくなるため、希望に近い仕上がりになります。
しかし、薄い色のマグカップに濃い色の印刷をする場合は、はみ出した部分が残ってしまうため、絵柄に縁取りを施したような仕上がりになり、本来想定していたものとは異なった仕上がりになってしまうこともあるのです。
このように同系色で柄の方が濃い場合や、柄の色が地の色に完全に勝つような場合は、あえて下白を引かないほうが、より柄もデザインもきれいに印刷されます。
おさらいすると、下白を引く必要がないパターンとそうでないパターンは、以下のとおりです。
下白を引いた方が良い組み合わせ | 下白を引かない方が良い組み合わせ |
柄よりもマグカップ本体の色の方が濃い色 | マグカップ本体よりも柄の方が濃い色 |
例
マグカップ:黒×柄:薄いピンク マグカップ:深緑×柄:薄い黄色 |
例
マグカップ:薄いグレー×柄:黒 マグカップ:薄い黄色×柄:茶色 |
このように、下地と柄のパターンに合わせて適宜下白を使い、ベストな状態で絵柄を表現します。
実験!カラフルなマグカップに印刷をしてみた
画像
今回ファースト・スティングではオノダエミさんに描き起こしのご協力をいただき、さまざまなパターンで印刷の実験を試みました。
どういった印刷の条件下で、どういった色合いになるのか。
色の組み合わせや印刷方法で、ひま太郎のデザインや印象はどのように変わるのか。
それでは実験結果を見ていきましょう。
薄い色のマグカップに濃い色を印刷すると……
まずは薄い色のマグカップに、濃い色で印刷してみます。
色の組み合わせは、以下のとおりです。
・マグカップ:グレー×柄:濃いグレー
この場合、画像をご覧の通り、下白を引かなくてもマグカップ本体の色の影響はほとんどありませんでした。
キャラクターの線画の部分や細かい色の部分もしっかりと再現され、雑貨屋さんや専門店さんに並ぶキャラクターグッズと比べても遜色のないクオリティお店に出しても恥ずかしくない状態に仕上がっています。
では続いて、この組み合わせではどうでしょうか。
マグカップ:薄い茶色×柄:濃い茶色
結果は下記画像の通りです。
この組み合わせも、下白を引かずに柄がしっかりと表現できました。
濃い色のマグカップに薄い色を印刷すると……
では、濃い色のマグカップに薄い色を印刷するとどうでしょうか。
以下の色の組み合わせで、実験してみましょう。
マグカップ:黒色×柄:ピンク
結果は、下の画像をご覧ください。
一目見たとき、何の柄が入っているのかまったく分かりません。
光に照らしてみると、印刷が入っているのがなんとなくわかります。
ただピンク色にはまったく見えず、黒い下地に線画がかろうじて写っているような印象です。
意図的にこのようなデザインにしたい場合を除き、「ピンクの印刷です」といって出せる仕上がりではありません。
そこで下白の出番です。
下白を引き、印刷すると下記の画像のようにくっきりと明るいピンクの柄が表現できました。
黒い下地とのコントラストがきれいに出ています。
カラフルな色を使っていても綺麗に印刷ができる方法
では、柄がカラフルな場合どのように印刷すべきなのでしょうか。
今回オノダエミさんからいただいたひま太郎のイラストには、地の色に影響されやすいピンクや黄色などが取り入れられていました。
またマグカップにも黒や濃い緑、ネイビーなど強い色のものが多くあります。
そのため、まずはどのような下地の色でもキャラクターがきれいに表現できるよう、全て下白を引いて制作しました。
結果的に、印刷は大成功。
ひま太郎をはじめ他のキャラクターも、しっかりマグカップに印刷できました。
可愛らしいキャラクター達がマグカップを一周ぐるりと囲み、どこから見てもほっこりと癒されます。
デザインコンセプトも反映され、商品化しても問題ない印刷の仕上がりになりました。
オノダエミさん、実験にご協力いただき、ありがとうございました。
希望に合わせた色の組み合わせを
今回は数パターンの組み合わせで実験しましたが、もちろんほかの色の組み合わせでもきれいな印刷は可能です。
たとえば深緑色の下地にピンクの柄を乗せたり、黒地にベージュのロゴを乗せたり…。
色の組み合わせは無限大です。
ぜひご自身のイメージを、そのまま形にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
画像
今回はさまざまな色の柄をきれいに印刷する方法について解説しました。
ファースト・スティングではお客さまがイメージされているデザインに、最も近い表現を実現できる印刷方法をご提案いたします。
マグカップ本体も豊富なカラーバリエーションをそろえておりますので、お気軽にご相談ください。
長年培ったノウハウと職人の技術で、納得のいくオリジナルマグカップ作りをご提案いたします。
また色だけでなく形や印刷の箇所など、弊社ではお客さまの様々なこだわりに対応いたします。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作れば、思い出深い一点物のマグカップができるでしょう。
長く使える、自分だけのオリジナルマグカップをぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
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株式会社Greenspoonは、野菜たっぷりな食事を自宅に届けるサブスクリプションサービス「GREEN SPOON」を運営しています。
新たに発売したおかずシリーズを始め、スープやスムージー、サラダなどさまざまなメニューを揃えています。
手軽に、そして美味しく、つい不足しがちな野菜を摂れることから、今では約6万人以上の方から支持をいただいているのだとか。
そんな株式会社Greenspoonが、サービスをスタートしてから約3年。
今回オリジナルボウルをご依頼いただいたきっかけや、製品にこめた想いなどをインタビューさせていただきました。
株式会社Greenspoonさまについて
―黒崎氏
GREEN SPOONという野菜たっぷりのヘルシーごはんの宅食サービスを運営している会社です。
野菜がゴロゴロ入ったおかずやスープ、サラダなどをサブスクリプションで提供しています。
GREEN SPOONのサービスを始めたきっかけは?
―黒崎氏
3月25日でサービス開始から約3年が経ったのですが、最初はスムージーのサブスクリプションから始めました。
代表含め、3人で会社を立ち上げたのですが、3人ともハードに働く20代を過ごしていました。
20代のときは自分のカラダに気を使う余裕もなかったので、「簡単にカラダを気遣えるサービスがあったら……」と常々感じながら過ごしていたと思います。
さらに弊社の代表は、GREEN SPOONを立ち上げる前に海外で生活していた経歴があるのですが、そこで触れた身体の健康と心の健康の繋がりや、予防医学の考えも影響し、「お家で簡単にココロもカラダも気遣えるサービス」=GREEN SPOONの誕生につながったと思います。
商品開発において苦労したこと
―黒崎氏
世の中にない形状の商品を、0から作っていくことですかね。全部大変でした(笑)。
たとえば、「美味しい味」を実現することもその一つです。
GREEN SPOONでは原材料も一つ一つ自社で選定しているのですが、原材料の選定からやっているところは少ないと思います。
食品業界出身者はおらず、業界の一般的なやり方がわからなかったので、当たり前のように原材料集めからやっていたというのもあるのですが(笑)。
食事なので、やっぱり食材も美味しいほうがいいじゃないですか。
多くのメーカーでは工場側にレシピ開発を依頼し、原材料の選定も依頼することがよくあるんです。
一方僕らの場合は自分たちで原材料を探してきて、どこ産のブロッコリーがいいなとか、どこ産のジャガイモがいいなとか、この調味料がいいなとか、こちらでレシピを決めて、工場側で再現いただく形を取っています。
なので苦労は絶えないですし、いっぱいあります(笑)。
それこそ近年ではいろいろな情勢の影響で、原材料費が上がってしまったり、生産国で雨が降らず野菜が全く穫れないとか、色々な問題が毎日のようにおきます。
気づかれにくいところですが、美味しい味を実現するために、細かい調整が日々行われているので、ご購入いただいた方にはぜひ素材一つ一つの味にも着目して欲しいです。
オリジナルボウルを作ろうと思ったきっかけ
―岡本氏
元々サブスクリプションの会員さま向けに、継続特典としてオリジナルボウルを差し上げていました。
ただ、商品展開をスムージー、スープ、サラダ、おかずシリーズと増やしていったことで、元々のオリジナルボウルが「使いにくい」という課題が出てきました。
お客さまからの「ボウル型のお皿が欲しい」というリクエストもあり、このタイミングでオリジナルボウルを新しくリニューアルしようという話になりました。
ファースト・スティングにご依頼いただいた決め手を教えてください
形状へのこだわり
―岡本氏
さまざまな企業さまから深めのお皿を(サンプルとして)色々取り寄せたんですが、実際にスープやサラダを入れて食べたときにも、一番しっくりきたのがファースト・スティングさんのお皿でした。
メーカーとしての信頼感
―黒崎氏
GREEN SPOONの事業開始から3年経ち、お客さまも増えてきた中、今回は特に「信頼できるメーカーであること」を大事なポイントの一つにしていました。
非常にたくさんの量をお願いすることになるので、信頼できるメーカーさんにお願いしたいなと。
その中で岡本が御社と出会い、選ばせていただきました。
―岡本氏
オリジナルボウルをはじめて作った時は、会員数もまだまだ少なかったので、小ロットでも頼めるメーカーを探していました。
ありがたいことに、今では多くのお客さまにご利用いただけるようになってきたので、お客さまにきちんと特典が行き届くよう、大量発注も受け付けていただけるメーカーさんを探していました。
また、ユニクロさんをはじめ、知名度の高い大企業さんのご依頼を受けた実績もあるということで信頼してお任せできるなと感じ、ファースト・スティングさんに決めさせていただきました。
担当者の対応
―黒崎氏
先ほども申し上げましたが、今回は大量の発注をお願いできるかどうか、というのが1つのテーマでした。
そんな中、本当に迅速でスムーズに対応していただいて。
今回納期に余裕がなく、かなりギリギリのスケジュールでご依頼をさせていただいたのですが、スピーディーにご対応いただけて感動しました。
ここまで迅速にご対応いただけるメーカーさん自体がそもそも少ないな、という感覚が正直あります。
こちらのオーダーにもフレキシブルに対応していただけた点も、決め手としては大きかったです。
―岡本氏
実際に問い合わせをさせていただいたのは私ですが、サンプル送付の対応がファースト・スティングさんはダントツで早かったんです。
もちろんどのメーカーさんへお願いするかはコスト感や、器のデザインなども大きな要因ですので、最終的にはどうなるかは分からないなと思っていたのですが、人だけで選ぶならファースト・スティングの伊東さんがいいなって最初から思っていたくらいでした(笑)。
確か土日挟んでサンプルを送っていただくのがすごく早かったんです。
金曜日にサンプルのお願いをさせていただいて、月曜日にはもう届いている、みたいな。
ほかの会社さんだと、金曜日にお願いしたら月曜日に準備して、火曜日に出荷して、木曜日くらいに着きます、といったスピード感だったのですが、まさかの月曜日に届いたので、驚きました!
あとは追加で「こんなのもいいんじゃないですか?」というのを、私に聞かずに送っていただいたこともあって、びっくりしました。
―黒崎氏
スピード感は、僕らとしてはすごく大事にしたいポイントですね。
ベンチャー企業として勢いを持って立ち上げていく中で、自分たちと同じようなスピード感で対応していただける会社さんって本当に少なくて。
僕らが前のめって速く走っていて、「ちょっとペースが合わないな…。」と思うことって多々あるんです。
ですがファースト・スティングさんは「もうサンプル届いたんだって?早いね!」と言えるくらい、対応がすごく早いなと思った記憶はあります。
意外とそういうところを、担当者は見ている気がします。
極論を言うと、僕ら選ぶ側からすればどこも変わらないというか、どこに依頼してもある程度のものは作れちゃうので。
もちろん、どうしてもこの形状がいいからその会社さんにしか頼めないということはあると思いますが、探してみると少し選ぶ決め手に欠ける部分は正直あって。
そんな中で「サンプルすごく早く来たな!」とか、ちょっとしたやり取りのしやすさとか、そういったところは大いに選ぶ理由になると思います。
なので、本当に素敵な対応をしていただいたのも、御社を選んだきっかけ、理由の一つです。
オリジナルボウルの役割、こめた意味について
―黒崎氏
元々オリジナルボウルを作ろうと思ったとき、お客さまが継続的に利用してくださる中で、どうGREEN SPOONというサービスを思い出してもらうか、というのがテーマとしてありました。
ただ商品を届けるだけでは、GREEN SPOONに触れる機会って、どうしても冷凍庫を開けたときくらいしかなくて。
ふとしたとき、特に冷凍庫の外の世界でGREEN SPOONを思い出してもらうことができないかなと思ったんです。
また僕らとしては、お客さまがヘルシーかつ簡単にご飯を食べられる、お腹が満たされる、といったところだけでなく、”食べることを楽しい体験にしてほしい”と思っています。
だからこそ、食事において必需品である食器を、継続特典に選びました。
僕らはスムージーの販売から始めたので、当初はスムージーにピッタリのお皿を作っていたのですが、おかずやサラダも展開してからは「ちょっと違うな」と思ってきて。
「ちょっと形を変えようか」という話から、今回こういうオリジナルボウルを作らせていただきました。
実際に作ってみて、かわいさとか形って、すごく大事だなと感じましたね。
見栄えや重さもそうだし、食べるときにイラストが見えるかどうか、とか。
自分たちの商品が微妙に見えるお皿って、もちろん出したくないじゃないですか。
食べてもらうシーンを想像したときに、容器のサイズ感や丸み、使いやすさなどを考慮した結果、「この形と、こういうイラストの入れ方がいいね」となって、商品をお願いさせていただいたという経緯もあります。
―岡本氏
そうですね。
GREEN SPOONのスープは大きめの野菜がゴロゴロ入っているのですが、この深さのボウルだと野菜がスープに沈みすぎず、ちょうどよく浮かんで見えるんです。
うちのスープを入れたときに野菜のゴロゴロ感がちゃんと伝わりおいしそうに感じるのは、やっぱりこのボウルだなと思います。
これからのGREEN SPOONさまが目指す世界
―黒崎氏
「自分を好きでいつづけられる人生を」というのがビジョンなのですが、食を通じて、自分を好きでいられる方をこれからも増やせたら良いなと思いますね。
スムージーから始まり、スープ、サラダ、おかずをリリースしてきたように、新しいメニューをだしたり、今の商品をよりおいしく進化させるなど、これからもお客さまに便利にご利用いただけるサービスでありたいと思っています。
また、お客さまとコミュニケーションを取りながら、今回のような新しい特典など、いろいろな企画をして楽しんでいただけるサービスを目指していきたいですね。
商品の磨き込みを含め、より良いサービスを作っていけるよう頑張っていきたいです。
皆さんロングインタビューにお時間いただき、ありがとうございました。
まとめ
今回インタビューをさせていただき、株式会社Greenspoonさまのお客さまへ寄り添う想いを肌で感じることができました。
「自分を好きでいつづけられる人生を」
そんな素敵なビジョンを掲げる企業さまのグッズ制作に携われたことを、うれしく思います。
ファースト・スティングでは、陶器の型づくりからすべてオリジナルで陶器を制作いたします。
そのため、他店にないボウルの形状や配色なども可能です。
ロゴやフォント、質感など細部にいたるまでご相談いただけるため、こだわりぬいた納得の1点ができあがること間違いなしです。
ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。
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マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
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陶磁器業界には、伝統的な「転写絵付」という手法があります。
この手法を使うと、金や銀といった高級感のある色もきれいに印刷できるのが特徴です。
そこで今回は、金や銀色をあしらった高級感のあるマグカップを作る方法について解説します。
また制作の裏話やおすすめの加工方法、使用上の注意点なども紹介。
高級感のあるオシャレなマグカップを作ろうと思っている方は、ぜひ参考にご覧ください。
高級感のあるマグカップの作り方
絵付(印刷)に金や銀を使うことが可能
街中で見かける陶器の中には、カップの縁にぐるっと金の花柄が印刷されていたり、お皿に銀色で模様があしらわれていたりするものがあります。
このように純金や純銀を含む絵の具を使った陶器は、転写絵付によって丁寧に作られているのです。
陶器の印刷方法はほかにも、一点から比較的安価に制作できる「昇華転写プリント」が挙げられます。
しかし昇華転写プリントは家庭用プリンターと同じくシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった4色のインクを掛け合わせて印刷するため、金銀の印刷はできません。
では転写絵付でマグカップに金や銀を印刷する方法を見ていきましょう。
転写絵付の流れを簡単に説明すると、以下のとおりです。
1. 陶器の形を生成
2. 施釉
3. 1,200〜1,300℃の窯で本焼成
4. 焼き上げた陶器の上に印刷
5. 約800℃の絵付窯で焼き上げ
6. 完成
また転写絵付で使用する転写紙の印刷には「シルク印刷」という手法が用いられます。
シルク印刷では色ごとに分けて「版」を制作し、版で刷ったデザインは転写紙という紙に印刷されます。
そしてその転写紙を陶器に貼り付け、約800℃の絵付窯で柄を焼き付けるのです。
この印刷の段階でどの絵の具を使うかによって、仕上がりの色が変わります。
金や銀を表現したい場合は、24金やプラチナを含有した絵の具を使うことで高級感のある仕上がりにできるのです。
24金やプラチナを含有した絵の具は、金液やプラチナ液と呼ばれます。
絵の具に金液やプラチナ液を使う場合も、転写絵付の基本的な作業は変わりません。
マグカップだけでなくプレートやグラスにも対応
転写絵付を用いれば、マグカップだけでなくあらゆるものに金や銀を印刷できます。
たとえばカップ&ソーサーやプレート、ガラス製の食器にも印刷可能です。
またマグの裏側内側、お皿の裏側といった場所に印刷することもできます。
ただし金液やプラチナ液には金属が含まれるため、印刷にはやや注意が必要です。
通常、一般的な絵の具を使った転写紙は温めると伸び縮みする性質があるため、曲面に印刷した場合もフィットしやすい傾向があります。
一方、金やプラチナを使った転写紙は、温めても伸び縮みしにくい性質があるのです。
そのため平面ではなく丸みを帯びたようなカーブのある場所に印刷する際、転写紙がしわになりやすく、うまく貼れないリスクが高くなります。
とはいえ、技術を持った職人が丁寧に時間をかけて作業すればきれいに転写紙を貼ることも可能です。
このように金やプラチナは一般的な絵の具と同じように使えるものの、印刷の難易度はやや上がります。
高い発色でツヤのある仕上がりを実現可能
金液やプラチナ液には純金やプラチナが含まれているため、光沢の美しい印刷ができます。
たとえば下地がツヤのある質感なら、そこに金を印刷することで全体的に艶やかな仕上がりになるでしょう。
ツヤのある下地にプラチナを印刷すれば、鏡のようにピカピカの仕上がりになります。
また金やプラチナに限っては、下地の色が何色でも発色に影響はありません。
通常の絵の具は下地の色に影響され、本来の色が下地の色に食われる現象がしばしば起こります。
しかし金やプラチナでは下地に食われることがないため、下地の何色に関係なくきれいに発色するのです。
たとえば白、黒のマグカップをそれぞれ用意し、同じように印刷するとしましょう。
通常の絵の具を使う場合、白地のマグカップには思ったように発色するカラーでも、黒地の上に印刷したものは下地に食われ暗い仕上がりになります。
しかし金液やプラチナ液を使った場合、どちらの仕上がりも同等です。
むしろ黒地に印刷したほうが色のコントラストが付くため、ほかよりもはっきりと金銀が引き立つでしょう。
このように金銀の絵の具は、下地に左右されない発色の良さも大きな魅力です。
金・銀を使ったオリジナル陶器のおすすめ加工
銀や銀を使う場合、下地をどのような質感にするかで仕上がりが大きく変わります。
下地の特徴 | ツヤのある下地 | マットな下地 |
仕上がりの特徴 | ・光沢の輝きが美しい
・高級感のある仕上がり |
・マット調でシック
・落ち着いた仕上がり |
こんな人におすすめ | ・ハッキリとした仕上がりが好み
・高級感やツヤを演出したい |
・派手過ぎないデザインが好み
・落ち着きや上質さを演出したい |
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ツヤのある金・銀で高級感あふれる仕上がりに
ツヤのある下地に金や銀をあしらうと、全体的に光沢のある美しい仕上がりになります。
陶器の表面にツヤが出るのは、表面が釉薬で覆われているからです。
本来、釉薬を塗らずに土だけでできた陶器の表面はざらざらとしています。
しかしこの釉薬をかけてから1,200〜1,300℃の窯で本焼成することで釉薬に含まれるガラス成分が溶け、ツヤ感を出すことができるのです。
その上から転写絵付すると、金銀そのものの発色も相まって全体的に艶やかで高級感あふれる仕上がりになります。
マット調の金・銀でシックなオリジナル陶器も制作可能
下地がマット調の陶器に金や銀を印刷すると、柄の部分もマットな仕上がりになります。
あえてつやを消したようなマット調のデザインは、落ち着きとシックさが抜群です。
「高級感は出したいけれど、あまり派手にはしたくない」と考えている方にはピッタリの加工といえます。
なお下地の質感は、釉薬の種類を変えるだけで変更可能です。
マット調にしたい場合は、本焼成をしてもガラス成分が完全に溶け切らない釉薬を用います。
このほかの工程はほとんど変わりません。
マットな質感のマグカップを作りたいと考えている方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
【必見】マットな質感のマグカップが作成可能?マット調のオリジナルマグカップ・プレートの制作方法
金や銀を使った陶器の注意点
金や銀を使った陶器は、いくつか使用上の注意点があります。
● 電子レンジに入れると金・銀の柄が損なわれる
● 使い込むと徐々に金・銀が剥がれる
● 時間とともに金・銀がくすんでくる
● 通常の絵の具を使った陶器に比べて価格が高い
こだわって作ったオリジナル陶器を長く美しくお使いいただくためにも、ぜひご一読ください。
電子レンジに入れると金・銀の柄が損なわれる
金銀を印刷した陶器は、基本的に「電子レンジ不可」と表記されます。
これは絵の具に含まれる金属成分が燃え、黒くなったり焦げてしまったりするためです。
ちょうどアルミ箔を電子レンジに入れるとバチバチ火花が散るのと同じように、金銀を印刷した陶器を電子レンジに入れると、絵付けしたところから火花が出ます。
せっかくの絵柄が黒く焦げたようになってしまうため電子レンジには入れないようにしましょう。
ただし、金銀の絵柄が焦げたからといって、食品衛生上使えない食器になっているわけではありません。
万が一誤って電子レンジに入れてしまい、柄が焦げてしまったとしても今までと同様にお使いいただけます。
上に書いた通り、純金やプラチナを含む絵の具で絵付けした陶器は、基本的に電子レンジ不可とされます。
電子レンジにも対応できて、なおかつしっかり金や銀をあしらった陶器を作るのはなかなか難しいでしょう。
強いていえば、マット金やマット銀といった絵の具がおすすめです。
業界用語では「雲母金」や「雲母銀」とも呼ばれます。
これらの絵の具には金属が含まれていませんが、金のように光を乱反射させる素材が含まれています。
マット金やマット銀を使えば、ピカピカとはいかないまでもマットな金や銀に近い輝きを表現することが可能です。
使い込むと徐々に金・銀が剥がれる
金や銀をあしらった陶器は、長く使い込むうちに少しずつ金や銀が剥がれることがあります。
よくあるのが、金や銀を絵付したお皿にフォークやナイフといった金属食器が直接触れるケースです。
フォークやナイフがお皿に触れるたび、目に見えないような細かい傷が表面に付いて、少しずつ金や銀が剥がれることがあります。
ただし、そこまであっという間に剥がれてしまうわけではありません。
なお絵付の耐久性を最も重視するのであれば、金銀以外の絵付をおすすめします。
通常の絵の具を使った陶器は、長く使い続けて食洗機で洗っても劣化せず、印刷がきれいにいつまでも残るのが強みです。
これは絵の具が表面の釉薬の中にまで浸透しており、釉薬と完全に融合しているからこそ実現している耐久性といえます。
時間とともに金・銀がくすんでくる
金や銀は放置すると酸化し、徐々にくすみが生じます。
これは指輪やネックレスといった、アクセサリーと同じです。
飾り皿としてまったく使わず置いておいても、空気に触れるだけでも酸化は進みます。
ちなみに金がくすんできた場合は貴金属と同じようにやわらかい布で拭くと、ある程度の輝きが復元できます。
通常の絵の具を使った陶器に比べて価格がやや高い
金やプラチナを使った陶器は、通常の絵の具を使ったものに比べて価格が割高になります。
その理由は主に以下の2つです。
● 純金やプラチナを含む絵の具の値段が高い
● 制作の難易度が高い
純金やプラチナを含む絵の具が一般的な絵の具よりも高額になるのは、想像しやすいでしょう。
また先に説明したとおり、金属を含む絵の具は通常の絵の具に比べて伸びが悪いため、曲面への絵付けに慎重な作業が必要となります。
さらに金液やプラチナ液を使う場合は、「ガスかぶり」に注意しなければなりません。
ガスかぶりとは、一緒に絵付窯へ入れた陶器の絵の具の溶剤等から放出されることがあるガスの影響で、金や銀の光沢がなくなってしまう現象です。
ガスかぶりが起きた場合、ツヤの消えてしまった陶器はすべて作り直しとなります。
こうしたリスクもあるため、金や銀をあしらった陶器はほかのものより割高に設定される傾向にあるのです。
まとめ
金や銀をマグカップに印刷する方法について解説しました。
弊社では陶磁器業界ならではの転写絵付による印刷に対応しています。
金や銀だけでなく豊富なカラーバリエーションをそろえておりますので、お気軽にご相談ください。
長年培ったノウハウと職人の技術で、納得のいくオリジナルマグカップ作りをご提案いたします。
また色だけでなく形や印刷の箇所など、弊社ではお客様さまの様々なこだわりに対応いたします。
土から成型し、カラーリングまでとことんこだわってイチから作れば、思い出深い一点物のマグカップができるでしょう。
長く使える、自分だけのオリジナルマグカップをぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
OEM陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
株式会社マネーフォワードは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションとして、これまで、個人向けにはお金の見える化サービス『マネーフォワード ME』、法人向けにはバックオフィスSaaS『マネーフォワード クラウド』など数々のサービスを展開しています。
そんなマネーフォワードは、2022年で設立10周年。
コーポレートブランディングを担う、デザイン戦略室BXデザイングループの皆さんに、記念すべき節目の年にどのような想いでオリジナルグラスを制作されたのか、インタビューさせていただきました。
マネーフォワード様が大切にされていること
ー寺村氏
会社として一番中心に据えているのは、「Mission/Vision/Value/Culture(MVVC)」です。
MVVCがあるから組織が拡大しても社員が皆同じ方向を向くことができているのかなと一メンバーとして感じています。
「Mission」について
ー寺村氏
弊社には「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionがあります。
人生は一人ひとりの様々な方向を向いて歩むものだと思うのですが、このMissionには「お金」の課題解決を通してそれぞれの前進をエンパワーメントしたい、という気持ちが込められています。
「Vision」について
ー寺村氏
「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というVisionを掲げています。
個別の課題解決ではなく様々なソリューションをつなぎ合わせて面で課題解決をすることで多様な前進を下支えする地盤作りをしていくという目標ですね。
「Value」について
ー寺村氏
Valueは、「User Focus」「Technology Driven」「Fairness」の3つを掲げています。
特に「Technology Driven」はIT企業ならではかなと思います。最新のテクノロジーも研究しつつ、レガシーに対しても敬意を払い、ユーザーに本質的な価値を届けるために、最適なテクノロジーを活用しようという姿勢を表しています。
Valueの中でも特に重要視しているのが「User Focus」です。
弊社ではユーザーの声を聞くだけではなく、ユーザー自身も気づいていない「本当に求めているもの」を見極めて、驚くような体験を届けることを常に意識しています。
10周年記念とオリジナルグッズについて
ー寺村氏
10周年を記念するにあたって何かやりたい!という漠然とした話からスタートしたプロジェクトは、コンセプト作りから始まりました。
周年企画は内祝いという側面もあるし、お世話になってきた皆さんへ感謝を伝える好機でもあるし、当初はなかなかコンセプトがまとまりませんでした。
ディスカッションを重ね、マネーフォワードが様々な事業を展開する中、10年間変わらず貫いてきたことって「お金を前へ。人生をもっと前へ。」の後半で語られている「様々な人が人生をもっと前へ進めていける世界を作りたい」という想いなのではないかという結論に行きつきました。
そうした経緯で「さあ、人生をもっと前へ。」という10周年記念企画のコンセプトが生まれ、それに基づいた企画を進行していきました。
10周年記念のロゴデザインについて
ー寺村氏
今回のノベルティは何といっても、ロゴデザインが「かなめ」になっていると思います。
プロジェクトメンバーの花沢が提案してくれたロゴを、オリジナルグラスに載せたりステッカーとしても展開したりしました。
ロゴデザインにはどのような想いを込めましたか?
ー花沢氏
ロゴデザインをどのようなものにするかメンバーでディスカッションした際、マネーフォワードの丸いシンボルマークを「10」の「0」に見立てられないかかというアイデアが最初に出てきました。
次に「1」をどう表現にしたら、10周年で伝えたいことが伝わるのか、メンバー同士で様々な案を出していきました。
そこで私が提案したのが生活のいろいろなモチーフ、例えばラーメンや花束、ギター、ワンちゃんなどを数字の「1」に見立て、「0」に見立てたマネーフォワードのシンボルと隣り合い、何パターンものロゴを展開するアイデアです。
このアイデアによってマネーフォワードがこの10年間で様々な人の日常に寄り添ってきたことを表現することができました。
10周年企画を特集したWebサイトでは、これらのロゴが次々に入れ替わって表示されるようになっています。
実際に拝見して多種多様なデザインに思わずワクワクしました!
ー花沢氏
ワクワク感や多様性を意識したデザインですので、そう言っていただけるのはすごくうれしいです。
オリジナルグラスのデザインや構想について
ー寺村氏
カルチャー部のメンバーとどんなノベルティが良いかアイデアを出し合った際に、「オレンジジュースがぴったりかも!」という意見が出たんです。
コーポレートカラーもオレンジですし、オレンジジュースの何だか元気な印象がマネーフォワードらしくもあっていいじゃないかと話が盛り上がり、そこから派生して、「グラスにそのオレンジジュースを注ぐと、マネーフォワードのロゴが浮かび上がる仕掛けを作れたら面白いね!」というアイデアに発展し、オレンジジュースとグラスのセットをノベルティにすることが決まりました。
ー花沢氏
あとはやっぱり「みんなで乾杯ができるのがすごくいいね」という話にもなって。
特別なグラスが作れたら、という想いもありましたね。
飲み終わったあと底にロゴが浮かぶデザインが素敵ですね
ー寺村氏
Missionに掲げられている「人生をもっと前へ」という言葉が今回の10周年企画コンセプトの原型だったので、そのMissionを載せることで、マネーフォワードが10年間その信念を貫いてきたことを想い返すきっかけになればいいなと考え、このようなデザインにしました。
オリジナルグラスを弊社にご依頼いただいた経緯を教えてください
ー寺村氏
「グラスにそのオレンジジュースを注ぐと、マネーフォワードのロゴが浮かび上がる」というアイデアを実現するために、初めはジュースを注いでいない状態ではロゴが目立たないようにするためフロスト加工を考えていました。
ただグラスサンプルを取り寄せて試してみたのですが思うようにロゴが浮かび上がらず、試行錯誤の末に白インクでデザインを印刷できるパートナーを探すことになりました。
様々な会社を拝見しましたが、ファースト・スティングさんでは、白インクで広い範囲に後ろまでくるっと印刷でき、底面も印刷が可能で、デザインの制約が少なく自由度が高い点に魅力を感じ、ファースト・スティングさんにお願いすることに決めました。
具体的にどのような形状のグラスをお探しでしたか?
ー寺村氏
マネーフォワードらしいグラスの形を考えた際、背の高さよりも幅のほうが広くふくよかな形が”らしい”のかなと感じ、そういった形状のグラスを探していました。
この感覚は普段デザインする時の書体選びに近いかもしれません。
そういった観点でカタログを見ている中で目に止まったのが今回発注させて頂いたロックグラスでした。
10周年記念の当日について
ー寺村氏
イベント当日、ノベルティ配布開始のアナウンスがされると、出社していたメンバーが続々と欲しい欲しいと集まってきて、喜んで受け取ってくれました。
オレンジジュースが注がれたグラスを写真に撮って、SNSにアップしてくれたメンバーも沢山いて嬉しかったですね。
ー花沢氏
そうですね。
ー高木氏
(10周年記念は)オンラインイベントだったのですが、同期から「ジュースをグラスに注いだ瞬間、自分も10周年記念イベントに参加してるぞ!という実感が沸いてきてうれしかった!」という声ももらいました。
これから生み出すデザインについて
ー寺村氏
マネーフォワードは「前に進んでいくぞ!」というモチベーションや、ワクワクしながら仕事を進めているメンバーであふれています。
そんなマネーフォワードメンバーが生み出す会社の魅力をどんどん外へ伝えていきたいと考えています。
会社の魅力を反映したコミュニケーションを常に探究し、デザインや企画に落とし込んで発信するなど、これからも様々な取り組みを進めていこうと考えています。
皆さんロングインタビューにお時間いただき、ありがとうございました。
まとめ
今回インタビューをさせていただき、株式会社マネーフォワードという会社のが社員の皆さま方の熱い気持ちを肌で感じることができました。
そんなポジティブな伸び行く会社の、記念すべき10周年という節目に立ち会えたことをファースト・スティングスタッフ一同、うれしく思っております。
ファースト・スティングでは、陶器の型づくりからすべてオリジナルで陶器を制作いたします。そのため、他店にないグラスの形状や配色なども可能です。
ロゴやフォント、質感など細部にいたるまでご相談いただけるため、こだわりぬいた納得の1点ができあがること間違いなしです。ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。
OEM陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
Coffee Supremeは1993年にニュージーランドの首都・ウェリントンで誕生してからというもの、オーストラリア・メルボルン・ブリスベン3都市で直営店6店舗を展開し、ついに日本上陸を果たしたスペシャルティコーヒーロースターです。
日本の一号店となる渋谷店では、祖国ニュージーランドのCoffee Supremeらしさそのまま受け継いで表現しているのが特徴。ファースト・スティングではかねてより、オリジナルマグカップの制作をご依頼いただいていました。
そんな中、今回はCoffee Supreme Japan代表の松本さんとPR担当の上田さんに、Coffee Supreme渋谷店の誕生秘話や、オリジナルマグカップ制作にこめた想いを伺いました。
Coffee Supremeのビジョンや、お客様への想い。カフェという営業形態を超えたコラボ活動などの裏話をお聞かせいただきました。
日本への出店を決めた理由、お店のこだわりについて
Coffee Supremeさんは元々ニュージーランドのお店とのことですが、日本に出店を決めたのは何故ですか?
ー松本氏
僕がニュージーランドに移住していたとき、Coffee Supremeには元々お客として通っていたんです。
コーヒーもおいしいし、雰囲気もいいし、働いているスタッフもかっこいいし。いつかこのカルチャーを日本に持っていきたいなと漠然と思っていて。
そして、たまたま僕がカフェにいる時に当時のCEOと会い、英語もできないのに「日本でもやろう」というお話を僕から直接して、2、3年かけて日本出店が実現しました。
Coffee Supremeさんのこだわりとは?
ー松本氏
お店としては、コーヒーをツールにして人とつながるというところが一番のポイントです。
美味しいコーヒーを出すのは当たり前で最低限のことなので、さらにその先、コーヒーを通じていろいろな人とつながれることを一番大事にしています。
実店舗やネットショップの盛り上がりについてはいかがですか?
ー上田氏
お店はコロナ禍になったことで、家で仕事をする方が増え、新しい常連さんが増えました。
休憩時間中にお店に来て、コーヒーを買うついでに、コーヒー豆とマグカップなども買われる方が増えています。
ネットショップは、コーヒー豆やインスタントコーヒーにプラスして、おうち用のマグカップを買われる方がすごく増えました。
数々のオリジナルマグカップを作ろうと思ったきっかけ
オリジナルマグカップをつくろうと思ったきっかけを教えてください
ー松本氏
普通にコーヒー飲むのにマグカップが必要だなというのもあるし。コーヒーだけでなく、空間ごと五感で楽しめるお店みたいにしたかったなというイメージがありました。
単純に既製品のマグで飲むよりも、底にメッセージがあればくすっと笑えるし。アーティストとのコラボとかを見ていても、見て飲んで楽しめるようなデザインのマグカップってすごくいいなと。
マグカップのデザインのこだわり、こめたメッセージについて
マグカップのスタッキングにこだわるのはどうしてですか?
マグカップのスタッキングにこだわるのはどうしてですか?
ー上田氏
重ねる楽しさというか、コレクションしたくなる。そういう観点から、スタッキングにこだわっています。
ー松本氏
スタッキングがあると収納も便利だし、ブロックみたいですごく楽しさがあるなと思います。
デザインするメッセージのルーツや、想いを聞かせてください
ー上田氏
「MUGS NOT DRUGS」は、本国のニュージーランドにもオーストラリアにもあるキャッチコピーです。ニュージーランドの文化というか、そういったものを日本でも楽しめるように意識してます。
あとは「SAME AGAIN(同じものをもう1つ)」などカップの中のデザインがコーヒーを飲んだ後にちらっと見えて、実際に「これもう1杯」って言う面白さとか。
ー松本氏
「MUGS NOT DRUGS」には、「ドラッグよりもマグを持っているほうがかっこいいじゃん」という意味があります。
そういうドラッグカルチャーを少しでもコーヒーに変えていこうよという裏の意味もあったりしますね。海外っぽいですが。「マグでコーヒーを飲んでいるほうが実際イケてるんだぜ!」と、思って欲しい気持ちはあります。
ただネイティブの人じゃない人が読むと「コーヒーがドラッグだ」といった感じの意味にとらえている人が多いと思うんです。でもそれはちょっと違う。
僕たちのマグカップに書いてあるのは、本当にくすっと笑えるくらいのメッセージです。
世界的アーティストとのコラボなど、コラボマグカップを作るようになったきっかけを教えてください
ー松本氏
オセアニアから来て、まだまだCoffee Supremeの認知もそんなに高くないので、Coffee Supremeの信念というか、DNAとして、ローカルのいい人たちとつながろうという思いからコラボを始めました。
コラボした花井祐介さんやNAIJEL GRAPHさんは個人的に大ファンで。
また日本のコラボに関しては、国内でやるならやっぱり日本のクリエイターと何かに仕事をしたほうが絶対いいものになるし、ということで一緒に仕事をしてみたいと思ったのがきっかけですね。
通常のスタッキングで重なるタイプではなく、ダイナー系のコラボマグカップを選んだ理由はありますか?
ー松本氏
花井さんは海外でも活躍されているので、通常のスタッキングより海外の風を感じられるデザインに重点を置きました。
この絵柄も、せっかくならちゃんと見せたいなという想いがあったので。
今後の展開についてお聞かせください
ー上田氏
地方の方にもCoffee Supremeを知ってもらえるように、イベントなどでマグカップの販売していきたいですね。
ー松本氏
最近イベントとかで、コーヒー豆の卸先さんからこのスタッキングがけっこう評判良くて。「それを常設で使いたい」という方もいるので、ぜひお店で使ってもらいたいですね。うちのお店自体も、今渋谷のこの1店舗だけですけど、地方とかにも小さいお店が出せたらいいなと思ってます。
皆さんロングインタビューにお時間いただき、ありがとうございました。
まとめ
赤と白を基調に彩られた店内は明るく活気にあふれ、松本さんと上田さんのCoffee Supremeに対する想いを象徴しているようでした。取材も終始にぎやかな雰囲気で終わり、我々はCoffee Supremeの勢いを実感すると同時にモノづくりの醍醐味を改めて感じました。
松本さんと上田さんのように、ビジョンを持って経営に取り組まれる飲食店様を、オリジナル陶器制作という観点でサポートさせていただくことは、非常に楽しく、そして喜ばしいことです。
ファースト・スティングでは、陶器の型づくりからすべてオリジナルで陶器を制作いたします。そのため、他店にないマグカップの形状や配色なども可能です。
ロゴやフォント、質感など細部にいたるまでご相談いただけるため、こだわりぬいた納得の1点ができあがること間違いなしです。ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
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「木と、チョコと、しあわせと。」
そんなテーマを掲げるKNOCKING ON WOODは、おしゃれな町並みの中目黒、その中を流れるのどかな目黒川のほとりにあります。
KNOCKING ON WOODはチョコレートブランド「DRYADES」が手がけるカフェと、木製雑貨ブランド「Hacoa」のショップが融合した新感覚のカフェです。木型で作る個性豊かなチョコレートをはじめ、思わずほっとするラテや心あたたまる木製雑貨などが楽しめます。
2021年4月のオープンに際し、ファーストスティングでマグカップをオリジナル制作いただきました。
今回はオリジナルマグカップ制作や、KNOCKING ON WOODの開店秘話などについてお話を伺えることになり、いざ中目黒へ。
インタビューに対応してくださったのは店舗責任者の矢崎さんをはじめ、本場パリのピエール・エルメでも活躍されたパティシエの斎藤さん、バリスタの川口さんの3名です。
各々がKNOCKING ON WOODにかける、熱い想いを伺うことができました。
KNOCKING ON WOODを開店した理由、お店のコンセプトについて
KNOCKING ON WOODを開店したきっかけを教えてください
ー矢崎氏
2年ほど前から、DRYADES初の店舗となる文京区の春日店でちょっとずつシェフが手がけるチョコレートを販売しはじめ、近所の方を中心に周知されていきました。
そこから2年が経って営業が軌道に乗りはじめたこと、今のご時世柄オンラインが活発になってきたことがきっかけとなってKNOCKING ON WOODの構想ができたんです。
元々、社長のコンセプトにもあった「カフェとして利用しながら、シェフが手掛けたチョコを食べられる場所」を実現するためにも、今回カフェを作ることになりました。
今までは厨房、店舗販売とオンライン販売を一括でやっていたのですが、営業が軌道に乗ってきて手狭になりつつあったので、まず広い土地を探すところから始めました。
チョコレートを提供するDRYADESと、雑貨を販売するHacoaを店内で融合させるアイディアはどこから生まれたんですか?
ー矢崎氏
前提として、会社の理念では「モノづくりの感動を伝える」ということを一番に考えています。
「モノを作って、その作ったモノを提供して、人へ感動を与えたい」というコンセプトをずっと掲げているので、同時に人との交流も大事にしてきました。
そこで今回もお客様との「交流」を実現するため、元々ある雑貨店とチョコレートメインのカフェを併設するアイディアが生まれたんです。
夢だったんだと思います、やっぱり。元々ある店と、新しいブランドを2つ一緒に展開することで「Hacoaという会社そのものを知ってもらえる場を作りたい」という1つの夢が叶いました。
ブランドは別だけど基本となる会社の考えは一緒だったので、やっと1個にまとめられたなと。
オリジナルカップ&ソーサーを作ろうと思ったきっかけ
ロゴが入ったオリジナルカップ&ソーサーを作ろうと思ったきっかけを教えてください
ー矢崎氏
食器類はけっこう模索しまして…。
お店のオープンに携わるチームでミーティングしたときに、いくつかのサンプルを見ながら形、サイズでいろいろと模索した結果、フラットでナチュラルなものが良いという結論になりました。
あとは、お店自体が木や自然をモチーフにしていたのと、全体のバランスを考えてお皿を渋めでシックな色にしたこともあり、カップのカラーはコーヒーが一番映える白にしました。
形に関してはバリスタが入れやすいことを一番に考えていたので、ラテが作りやすく、ラテを注いだときに中がよく見える「口広がり」に決めました。
今すごいインスタ流行ってるじゃないですか。だからどこかにお店のロゴを必ず入れたかったんです。写真に映るように、カップにロゴはマストで入れようと。
お皿にもロゴの入っているものはあるんですけど、置いてしまうとどうしても見えないので、立体感があるものでしかロゴをアピールできないんです。
形状を選んだ時のこだわり、決め手について
バリスタさんが使いやすい形状のカップを選ばれたんですか?
ー矢崎氏
そうですね。寸胴型のとか、いろいろ案はあったんですけど。
カップの下がすぼまっているほうが、下から持ってミルクを入れるときにつかみやすいそうです。注ぐのにもけっこう技術が要るみたいですね。
KNOCKING ON WOODとHacoaの今後の展開について
KNOCKING ON WOODさんとHacoaさんの今後の展開をお伺いできますか?
ー矢崎氏
チョコレートのお店が今春日と渋谷とここで3店舗だけなんですけど、この複合施設型のカフェはもうちょっと同じ形態で広げていきたいですね。
全国的に…というと規模が大きくなっちゃうんですけど、シェフのおいしいチョコを広めていきたいなと。
また今のご時世なかなか人と人との交流が難しいところではありますが、お客さまと交流できる場をなくさずに、広げていきたいなという思いはあります。
働くパティシエさんへインタビュー
KNOCKING ON WOODができる前、文京の春日店からパティシエさんとして働かれているんですか?
ー斎藤氏
そうですね。春日のお店がオープンしたのが2019年の1月で、そのときからお店の立ち上げやお菓子づくりに携わっていました。
以前はフランスのピエール・エルメでお菓子を提供されていたということですが、海外生活の思い出をお伺いできますか?
まずフランスには2011年から春日のオープンのときまで7年ほど行っていました。
思えば苦労が絶えないフランス生活だったというか…。
もちろんあっちに行けば自分たちは外国人になるわけですから、働くうえでの大変さとか、生活するうえでの大変さ、いろいろありました。
たとえばビザの取得とか。
基本的に働いてはいけないんですけど、いろいろなハードルを乗り越えて働きました。働くうえでも、ビザの取得のために1年おきに日本に帰ってきたりもしましたし。
あとは、住むところを探すのがけっこう大変でしたね。なかなか外国人には家を貸してくれないんです、保証がないですから。
いつもスーツケースを持ちながら引越しを何回も何回もしましたね。1年で5、6回は。
お菓子づくりや修行中で大変だったことはありますか?
ー斎藤氏
フランスに到着して1週間くらいで、すぐにピエール・エルメで働き出したのですが、本当に間違って勉強したかなというくらい現地の言葉がわからなかったんです。
勉強していったつもりだったんですけども…。ですから、そこはすごく苦労したというか。
でも、仕事は日本でもきちんとやっていたので、やっていること自体は一緒なわけです。
言葉が分からないなりに自分で考えて、「こういうことを言っているのかな?」とか。
もう五感をフルに活用して、なんとか食いついていくというか、食らいついていくような感じでやっていきました。
言葉の壁は本当にすごく大きかったですね。
これをやれと言われても、何をやっていいかわからない。あれを取れと言われても、それが何なのか分からない。
ですから、「この人は何を言ってるのかな?」と察するための人を見る目は養われました。自分に好意的なのかなって、それとも敵対しているのかなという雰囲気を感じながら。
Hacoaに入られたきっかけを教えてください
ー斎藤氏
フランスでは働き続けるのがすごく難しいので、2018年には労働ビザが更新できなくて「これ以上フランスに居続けるのが難しいかも」という状況でした。
僕から言わせれば、ちょっとフランスに嫌われちゃったかなという気持ちだったんですけど。
そこで思い切って日本に戻ろうと決め、帰国する前に日本での仕事を探し始めました。
ゼロから日本での仕事を探していたとき、フランスの友人何人かを通して、「Hacoaがチョコレートを新しく始めるためにシェフを探している」という話を聞いたんです。
本当に日本へ帰るタイミングがぴったり合ったというか、ちょうど帰るタイミングで働けるシェフを探しているという話をいただいて。
その話を紹介してくれた人から「ちょうどHacoaの代表の市橋がちょうど東京にいるから、一度会ってみないか」声がかかったので、自分としてはそこまで乗り気でなかったんですけど、一応お話を聞きに行こうかなと思い、社長と会うことになりました。
すると面接みたいな形になったんですね。一応履歴書を持ってきたので、一応履歴書を渡したんです。
そうしたら社長が、履歴書は横に置いてHacoaの話を始めたんです。
もうすごく熱く、30分、1時間くらい話していただいた後、「じゃあ君この会社入りなさい」と言われたんですよ。
「え?」と思って。何も質問もされてないし、経歴も言っていない。一体自分の何を見られたんだろうと思って。すごい人だなというのが第一印象でしたね。これがHacoaに入ったきっかけです。
Hacoaに入ってからの苦労や大変だったエピソードはありますか?
ー斎藤氏
苦労はもちろんあったんですけど、とにかく楽しかったですね。
チョコレートって普通、プラスチック型とか、シリコン樹脂とか、そういうものでつくるんです。ですがこのHacoaという会社は木の会社で、木だったらどんな形でもつくれるという会社ですから、木型でチョコレートを作るんです。
最初は簡単にできるかなと思ったんですけども、何度も失敗を繰り返して、やっとそれができたんですよ。世界で唯一、木型でチョコレートを作る会社にいる楽しさはあります。
あともう1点、木の会社なので、木を何か味に転化できないかなといろいろ試行錯誤をしました。ですが木ってなかなか味に落とし込むことがすごく難しくて、ヒノキとかいろいろな木の種類を試してみました。
そんな中で、木を燻製にしてチョコレートにしてみようという試みがけっこううまくいったんです。
そしてアーモンドとチョコレートをそれぞれ燻製して、木の燻した香りをチョコレートとナッツにまとわせた「アーモンドチョコレートの燻製味」という商品が完成しました。
これは他じゃあまり見られないので、木の会社のHacoaらしいお菓子かなと思っています。
働くバリスタさんにインタビュー
KNOCKING ON WOODに入ったきっかけを教えてください
ー川口氏
元々DRYADES本店でアルバイト採用されまして、そこから渋谷店の新オープンに携わり、最終的にこちらへ配属となりました。
コーヒーを入れる技術はいつから勉強されていますか?
ー川口氏
元々大学時代にコーヒー豆の生豆を焙煎するところからやる本格的なカフェでアルバイトをしていました。そこでコーヒーの奥深さに魅力を感じて、卒業後にカフェの専門学校に通ったのがはじまりですね。
で、その専門学校時代に出会った友人が、たまたまDRYADESでアルバイトをしていたんです。
「カフェじゃなくて、チョコレートなんだけどどう?」ということで紹介の話をいただいて、アルバイトで入る流れになりました。
その時点では、1回バリスタの仕事はできないかなと諦めたんですが、KNOCKING ON WOODの店舗オープンと同時に「カフェもやるからバリスタやってみない?」という話をいただいて今に至ります。
カップの選定に携わられたとのことですが、どのようにカップを選ばれましたか?
カップの種類とかいろいろ見せてもらった中で、どこにでもすごくなじみそうで、なおかつシンプルで、ちょっとスタイリッシュなかっこいいものを選びました。
(ファーストスティングがご提供したサンプルの中から)「これがいいかな」というのを部長にお伝えしたら「あなたがそういうならそうしましょう」という感じで決めていただきまして。
バリスタの先生、私が教わった先生は丸いカップのほうが入れやすいと言っていたんですけど、私はこの形のほうが手にしっくり来て入れやすいなと思って。
単純に私が好きだったのかもしれないですね。
皆さんロングインタビューにお時間いただき、ありがとうございました。
まとめ
取材をさせていただいた店内は、木のぬくもりとモダンなデザインが調和する、素敵な空間でした。
人と人との繋がりを大切にする経営理念が実現した、カフェと木製雑貨のお店。ラテやチョコレートだけでなく、店内の雰囲気全体が気持ちをリラックスさせてくれるでしょう。我々も、想いを実現する飲食店の食器制作に寄り添い、ものづくりに貢献していきたいと強く実感しました。
ファースト・スティングでは「KNOCKING ON WOOD」さんにご採用いただいたラテ兼用のカップ&ソーサーをはじめ、様々なカップ&ソーサーやラテカップをご用意しております。オリジナルのカップ&ソーサー制作ついて何でもお気軽にご相談ください。
デザイン・サイズ・カラーなど、完全オリジナルの食器を作ることが可能です。また、好きな場所にロゴを入れたり、イメージカラーに合わせてオリジナルのカラーリングをしたり、エンボス調のプリントをしたりなど、既製品にはできないこだわりの陶器制作ができます。
こだわって作ったオリジナル陶器は、きっと個性あふれるお店の雰囲気をより一層豊かにしてくれるでしょう。まずはお気軽にご相談、お問い合わせください。
オリジナル陶器の制作ならおまかせください。
マグカップをはじめ様々な陶磁器製品・ガラス製品をご用意しています。
OEM陶器の制作ならおまかせください。
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陶器といえば、つるりとした手触りで照りのある見た目を想像する方が多いかもしれません。
しかし実は、陶器をツヤのない「マット調」に仕上げる手法もあるのです。
光沢がなく、ざらざらした質感に仕上がったマット調の陶器は、スタイリッシュで落ち着いた雰囲気を醸し出します。
カフェやレストラン、または自宅でも、ゆったりとした優しい空間を演出してくれるでしょう。
また、マット調の陶器は市場では意外と目にすることが少ないかもしれません。
そのため、自分だけのオリジナル陶器制作を検討されている方にはおすすめの加工方法です。
ただし市場で目にすることが少ないといっても、作り方はそう難しくありません。
意外にも、一般的な陶器の制作過程と同じような手法で制作できます。
そこでこの記事では、「マット調の陶器」の作り方について詳しくご紹介します。
ツヤのある陶器との違いや、マット調ならではの表現をぜひご覧ください。
マットな質感のオリジナル陶器の作り方
本体をマットな質感にするためには?
陶器をマット調にしたい場合、マット調の質感が再現できる「釉薬(ゆうやく)」を使用します。
ツヤのある陶器との作り方の違いは、これだけです。
ほかに特別な技術や製造工程を必要とするわけではありません。
マット調に焼き上がる釉薬を使った上で、通常通りに焼成すればマットな質感の陶器が仕上がります。
なお、そもそも釉薬を施さずに本焼成すれば表面は土のままのため、ザラザラとした仕上がりになります。
釉薬を施さない陶器は「ビスク」と呼ばれ、土の素材そのものの質感が表面に出るため、ザラザラとした仕上がりになるのです。
ビスクもマット感のある仕上がりではありますが、マット調の釉薬を使って焼き上げたものとは根本的に意味合いが違います。
そのため本記事では釉薬を使うことを前提として、マット調の陶器を制作する方法について解説していきます。
陶器を色づける「釉薬」がマットな質感を演出
釉薬は、陶器の表面をコーティングするために使われる薬品です。
主成分はガラスの原材料の一部として使われる「長石(ちょうせき)」や「珪石(けいせき)」で、これらに発色させたい色によって金属成分等を調合していきます。
一般的に、陶器に釉薬をかけた後は1,200~1,250℃の窯で焼成する「本焼き」と呼ばれる工程に移ります。
この本焼きで釉薬に含まれるガラス成分が溶け、一般的な陶器のツヤが生まれるのです。
しかしマット調用に調整された釉薬は、本焼きをしても完全に溶け切らない状態のため、ガラスのようなツヤ感は出ません。
中のガラス成分が完全に溶け切る前の状態で焼き上がるため、マット調ならではのざらっとした質感が再現できます。
もちろん、焼きあがった陶器の強度はツヤのあるものと遜色ありませんので、食器として使用する際も安心です。
ただし、マット用の釉薬とツヤの出る釉薬を併用するのはおすすめできません。
よくあるのが、陶器の内側と外側で釉薬の色を変え、ツートンカラーにするデザインです。
この場合、マット用とツヤの出る釉薬を併用すると、陶器としての強度が不安定になってしまうことがあるのです。
その理由は、内側と外側の釉薬、つまりマット用釉薬とツヤの出る釉薬の収縮率の差にあります。
土も釉薬も、高温で焼き上げると収縮する物質です。
つまり強度の安定した陶器を作るには、土と釉薬はもちろん、内側と外側の釉薬の収縮率も合わせる必要があります。
もちろん陶器としてまったく使えないわけではないので、仕上げること自体は可能です。
しかし、耐久性の不安定さを考慮して、マット用の釉薬を用いる際は、一部でなく全体をマットにすることを基本としています。
ツヤの出る釉薬を用いる場合も同様です。
マット調のオリジナル陶器でのオススメ加工
ツヤありの陶器と同じ加工を施すことが可能
マット調は、ツヤのある陶器と同じ手法で柄やロゴのデザインが可能です。
陶器にロゴなどの模様を付けることを、「絵付(えつけ)」と呼びます。
一般的に、絵付の方法は以下の2種類です。
● 転写絵付(フラットデザイン)
● 撥水絵付(エンボスデザイン)
上記の手法は、主に絵付をするタイミングが異なります。
転写絵付は釉薬をかけてから1,200~1,250℃の窯で本焼きをし、その後に絵付をする手法です。
具体的には、本焼きを終えた陶器に転写紙と呼ばれるデザインの描かれたフィルムを貼り付け、約800℃の絵付窯でデザインを焼き付けます。
一方、エンボス調に仕上がる撥水絵付は、釉薬をかける前に撥水性のある「呉須」というインクで絵付する手法です。
呉須は上から釉薬をかけてもはじくので、絵付した部分だけくぼんだ状態になります。
転写絵付でツヤとマット調のコントラストを楽しむ
マット調の釉薬をかけて本焼きした陶器に釉薬と同色の転写絵付をすると、柄の部分だけがツヤのある質感に仕上げることができます。
光の反射や照りでロゴの部分だけが浮かび上がるというおしゃれなデザインです。
柄を主張したい場合には不向きですが、シックな統一感を損なわずにちょっとしたアレンジを加えたい場合におすすめの配色です。
ただし、あまりにザラつきの目が荒い仕上がりだと、絵付に用いる転写紙が貼りにくくなる可能性もあります。
ビスクではなく釉薬でマット調を表現する陶器なら、たいていの場合転写絵付も問題なくできるでしょう。
撥水絵付でより個性的なオリジナル陶器を
マット調の陶器を作るなら、撥水絵付もおすすめです。
一般的なツヤのあるカラーの釉薬に比べて、マット調の釉薬は撥水絵付に適しているといえます。
撥水絵付を綺麗に仕上げるには、絵付した部分に上からかけた釉薬が重ならないようにしなければなりません。
釉薬の主成分は水性のため、撥水性のある油性の絵の具(呉須)と弾き合います。
マット調の釉薬はガラス成分が完全に溶け切っていないという性質があるので、液状になって柄の上に垂れてくる可能性も低いため、マット調の釉薬を用いた陶器は柄がクッキリと仕上がりやすいのです。
撥水絵付は手法の性質上、デザインの表現に限界はありますが、マット調の釉薬を使えば比較的ハッキリとした柄に仕上がる場合が多いのが特徴です。
特にロゴを入れたい場合や、ワンポイントでマークを入れたい場合などにおすすめです。
絵付した部分には凹凸ができるので、思わず触りたくなる陶器に仕上がるでしょう。
まとめ
マットな陶器の作り方についてご紹介しました。
ツヤのない陶器は重厚感があるだけでなく、落ち着きや安らぎといった雰囲気の演出に効果的です。
またあまり目にすることが少ない質感でもあるため、オリジナリティあふれる個性的な陶器を作りたい方にもおすすめ。
弊社では、マット調の陶器制作に対応しています。
転写絵付や撥水絵付によるロゴやイラストのデザインもご相談可能です。
ご自身のオリジナルデザインを検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
デザインはもちろん、安全性や耐久性にも考慮した上で、世界に1つだけの陶器作りをサポートいたします。
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今や誰でも簡単にオリジナルの陶器が作れるようになりました。
これは機械によるプリント技術の発達などが大きく関係しています。しかし、今もなお機械で再現できない陶器業界の伝統技法は少なくありません。
その中の1つがマグカップの縁(ふち)にカラーリングする「口線加工(くちせんかこう)」と呼ばれるものです。
街中ではよく見る加工でありながら、あまり知られていないこの技法。今回はそんな口線加工の方法や、表現について詳しくご紹介していきます。
個性あふれるオリジナル陶器の制作をお考えの方は、特に必見です。
陶器業界に伝わる「口線加工(くちせんかこう)」について
口線加工とは
口線加工とは、縁線加工(ふちせんかこう)とも呼ばれ、陶器のふちの部分だけに全体とは異なる色をのせる技法です。
陶器のふちとは、マグカップでいうと飲み口に当たる部分。平たいお皿なら、一番外側の部分がふちに当たります。
口線加工は、ふちの部分だけに色を付けることができる技法です。
つまり白いマグカップの飲み口部分だけを黒くしたりすることができます。よく見るのが、白地でふちに金色の加工がほどこされたプレートやマグカップです。こういった陶器は、口線加工によって作られています。
ちなみに口線加工は、古くから日本に伝わる伝統的な技法の1つです。口線加工で表現される模様は、機械では再現できません。
陶器のふちに筆を当て、ろくろを回しながら手作業で線を引くというのが口線加工のやり方です。
陶器へのプリント技術が発達した今でも、口線加工は手作業でしか行なわれていません。職人の腕が光る伝統技法といえます。
口線加工には2種類の方法がある
口線加工には、2種類の方法があります。
1つは上絵付(うわえつけ)という方法です。上絵付での口線加工は、完成した状態の陶器に線を引きます。
陶器には素焼き、施釉、本焼きという制作過程があります。上絵付で口線加工をする場合、これらすべてを終えた完成形の陶器に絵付を行ないます。
つまり釉薬をかけた陶器の上から、専用の絵の具もしくは金液を塗るという方法です。その後、約780~800℃の窯で仕上げの焼き上げを行ないます。
ここで用いる絵の具は、800℃前後でもしっかりと発色する絵の具です。
これに対し、もう1つの方法が下絵付(したえつけ)という方法です。素焼きを終え、釉薬をかける前の陶器に絵付を行ないます。
この際使用するのは、「呉須(ごす)」と呼ばれる絵の具です。そして呉須で線を引いた後、陶器に釉薬をかけます。この時の釉薬は透明のものを使うのが一般的です。
釉薬にはカラフルなものが多数ありますが、色のついた釉薬だとせっかく下絵付で引いた口線の上に色釉薬が乗ってしまい、口線が見えなくなってしまうからです。その後約1,200℃の窯で本焼きを行ない、完成です。
下絵付で口線加工をすると、釉薬が引いた線をコーティングしてくれます。そのため、口線加工でほどこしたふちの線が取れにくいのが特徴です。食洗器などに入れても、長く使っても釉薬自体が剥がれ落ちない限り、ふちの線が薄れたり消えてしまうことはありません。
また、下絵付にはもう1つの方法があります。それはふちの柄を境に、内側と外側の色が異なる陶器を作りたい場合に用いられる方法です。
この場合、呉須に油性の撥水剤を混ぜて口線加工を行ないます。これにより後からかけられた釉薬がはじかれるのです。口線加工した線を境に釉薬がはじかれることで、2色が線を侵食することなくくっきりと色分けできます。
ちなみに、金色の柄をつけるのに用いる金液はその性質上、1,200℃の窯に入れると焼け飛んでしまいます。そのため、すでに完成した陶器に絵付をする「上絵付」でしか口線加工をすることができません。
口線加工の方法とは?
では口線加工の方法を、さらに詳しく見ていきましょう。先ほどご紹介した「上絵付」と「下絵付」の2種類に分けて制作手順をご紹介します。
上絵付による口線加工の方法
上絵付で口線加工をする場合、手順は以下の通りです。
①成形
②素焼き
③施釉
④本焼き
⑤上絵付による口線加工
⑥焼き上げ
①~④までは、一般的な陶器を制作する工程です。
800℃前後で素焼きした陶器に、釉薬をかけます。その後1,200℃前後の窯で本焼きを行い、無地の陶器の完成です。上絵付による口線加工は、この後に絵付を行ないます。
焼きあがった陶器をろくろの上に置き、専用の絵の具や金液を用意します。筆に絵の具もしくは金液を付け、模様を付けたい部分に筆を当てながらろくろを回すという方法です。
線を引く手は動かさないのがポイント。ろくろの回転によって、綺麗な線が引かれていきます。
そして絵付が完了したら、仕上げの焼き上げです。このときもまた、素焼きと同様に800℃前後の窯で焼き上げを行ないます。
これにより絵の具や金液が陶器本体に定着し、上絵付による口線加工を施した陶器の完成です。
下絵付けによる口線加工の方法
一方、下絵付による口線加工の方法は以下の通りです。
①成形
②素焼き
③下絵付による口線加工
④施釉
⑤本焼き
②までは、一般的な陶器と同じ制作手順です。本来であれば、この後に釉薬をかける工程があります。
しかし下絵付で口線加工を施す場合、釉薬をかける前に絵付を行ないます。絵付に用いるのは呉須という絵の具です。また、釉薬をはじかせたい場合は呉須に油性の撥水剤を混ぜて使用します。
口線加工の方法は上絵付と同様です。素焼きを終えた陶器をろくろの上に配置し、呉須を筆に取ります。そして線を引きたい場所に筆を当て、ろくろを回すという方法です。
こうして陶器に線が引けたら、釉薬を上からかけていきます。釉薬は透明なものから色のついているものまで、バリエーションが豊富です。しかし下絵付で口線加工をする場合は透明の釉薬を使うか、撥水剤を混ぜた呉須で釉薬をはじかせることで線が消えずに仕上がります。
釉薬をかけたら、最後に本焼きです。本焼きは1,200℃前後の窯で行ないます。これにより釉薬が固まって定着し、下絵付による口線加工を施した陶器の完成です。
口線加工を使って表現できるもの
カップの口元やプレートの縁をオシャレに色付け
口線加工を使うことで、よりオリジナリティのあふれる陶器を制作することができます。例えばマグカップの口元だけに色を付けるなど。
ちなみに口線加工は、職人の確かな技術が求められる技法です。そのため、職人のいる本格的な陶器屋でなければ表現できません。陶器における質の高さや、珍しいデザインを追い求める方にはもってこいの技法といえるでしょう。
また、口線加工は色のバリエーションも豊富です。パステルな色合いから鮮やかな色合いまで、繊細に表現することができます。
ただ、残念ながら陶器そのもので表現が苦手な色はあります。例えば非常に明るいマゼンタなど、ビビッドな色は苦手です。これは800~1,200℃という高温で発色する無機顔料では表現できないからです。
こうしたビビッドな色以外であれば、専用の絵の具や呉須を用いてオリジナルデザインを作ることが可能です。
金やプラチナで口線加工も?
贈り物などでよく使われる金縁の食器にも、口線加工が用いられています。これはマグカップやプレートに限らず、さまざまな陶器に応用可能です。
例えば湯呑のような形の陶器でも、口線加工を利用すれば金色で縁取ることができます。金が施された陶器には高級感があり、見た目にも美しいのが特徴です。
また、高級感を演出するのは金だけではありません。銀色の線を引く際には、プラチナを用いることもできます。
一般的に銀線を引く際は、プラチナやパラジウムといった素材を使用します。銀線の引かれた陶器は、金とはまた違ったシックな高級感が特徴です。
お皿の内側に線を引いてよりこだわった仕上がりに
口線加工は、ろくろを回しながら線を引く技法です。そのため、筆を当てる場所によっては様々なパターンの柄を表現することができます。
例えば、ふちから数センチ下がったマグカップの内側に綺麗な線を引くことも可能です。またはコーヒーカップを乗せるソーサーの、底にあたる部分にのみ線をひく、といったことも理論上はできます。あるいは四角形のお皿のふちに線を引くことも。
さらに、引いた線を境目に内側と外側の陶器の色を変えるということもできます。例えば白い線を境に、内側は赤、外側は赤いマグカップを作れるということです。
このように、口線加工はただ縁取りをするだけの技術ではありません。やり方によっては、様々なデザインを表現することができます。
ただし、綺麗に線を引くには確かな職人の技術が必要となります。プリント印刷での絵付だけを請け負っている制作会社では、こうしたアレンジはおろか口線加工自体を請け負っていません。
自分だけのこだわりのデザインを再現したい方は、陶器の専門会社に問い合わせてみるのがおすすめです。職人のいる陶器会社なら、オリジナルのデザインを柔軟に再現してくれるでしょう。
まとめ
陶器の口線加工についてご紹介しました。口線加工は職人の技術が求められる、伝統的な技法です。そして手作業で行なう技法だからこそ、バリエーション豊かなデザインを表現することができます。
他で目にしたことがないような、唯一無二の陶器制作をしたいという方におすすめの技法です。
ファースト・スティングではそんな口線加工を用いた陶器制作に対応しています。ご自身のオリジナルデザインをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
オリジナリティあふれる、世界に1つだけの陶器作りを応援いたします。
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